緑青付き「出土品感」も再現可能 山梨県立考古博物館「青銅鏡形チョコレート作り」が超手厚い

2024年2月4日(日)8時0分 Jタウンネット

突然だが、皆さんに見ていただきたい画像がある。

これ、何か分かりますか?

細かな細工が施された、茶色い丸いもの、黒光りする丸いもの、お花のような形をしたもの。

「教科書で見たことある!」と思った人もいるかもしれない。

これは、各地の遺跡から発掘される「銅鏡」——を、チョコレートで再現した「銅鏡チョコ」だ。

左上から時計回りに順に

・海獣葡萄鏡(かいじゅうぶどうきょう)

・盤龍鏡(ばんりゅうきょう)

・盤龍鏡(亀甲塚古墳出土品モデル)

・鼉龍鏡(だりゅうきょう) (甲斐銚子塚古墳出土品モデル)

・唐花六花鏡(とうかろっかきょう)

・三角縁神獣車馬鏡(さんかくぶちしんじゅうしゃばきょう)(甲斐銚子塚古墳出土品モデル)

・三角縁獣文帯三神三獣鏡(さんかくぶちじゅうもんたいさんしんさんじゅうきょう)(大丸山古墳出土品モデル)

・方格規矩鏡(ほうかくきくきょう)

の形をしている。

Jタウンネットでは1月20日付の記事『バレンタインに銅鏡はどう? 「銅鏡チョコ」作れる博物館を複数発見しました』で、4つの施設を紹介した。そのうち、山梨県立考古博物館「青銅鏡形チョコレート作り」で作ることができるのが、この8種類の銅鏡チョコ。

銅鏡チョコを作れるだけでもユニークなのに、なぜ8種類も......? 2024年1月23日、Jタウンネット記者は山梨県立考古博物館に話を聞いた。

小さいものは8センチ、大きいものは22センチ!

県公式サイトをみると山梨県立考古博物館での銅鏡チョコづくり体験は、2016年12月に初開催され、その後毎年2月に企画されている(22年は中止)。

Jタウンネット記者の取材に応じた同館は、11年前から福井市立郷土歴史博物館で開催されている「三角縁神獣鏡チョコ作りワークショップ」に触発されて始めたと説明する。

職員が福井市立郷土歴史博物館から許諾を得て、山梨でも開催するようになったそうだ。

だから、福井県に次いで「銅鏡チョコ」の歴史があるのではないか、と語る。

8種類もの銅鏡チョコを作ることができるのは、同館がもともと開催していたイベント本物の青銅を使って砂型から作る「青銅鏡作り」のおかげ。これを活用し、職員がシリコンでチョコの型を手作りしたのだ。

「当館では体験メニューとして青銅鏡作りを行っており、複数の型があります。通常作ることのできる型はその内の一部ですが、せっかく青銅鏡チョコレート作りをイベント化するのであれば、過去に制作した銅鏡も使って普段の体験メニューにはない青銅鏡作りを楽しんでいただこうと考えました」(県立考古博物館)

一番小さい唐花六花鏡で直径約8センチ、最も大きな三角縁神獣車馬鏡は直径約22センチ。大きさによって価格も異なり、希望者の層も違う。小さなものは子供連れや気軽に楽しみたい人、大きなものは古代ファンやリピーターに人気とのことだ。

そして、同館で体験できる「銅鏡チョコづくり」は、型にチョコレートを流し込むだけ、ではない。

チョコレートを銅鏡の形にした上で、着色してより本物らしく仕上げていくオプションもあるのだ(費用は別途50円必要)。

パールパウダーで金属のような輝きを持たせたり、抹茶パウダーで緑青を再現して出土品感を強めたりできる。

その理由は......

「ただのチョコ作り体験ではなく、青銅鏡について学んでいただく事を目的としています」(山梨県立考古博物館)

そのために、体験の最初に各青銅鏡の歴史や模様の意味などの解説も行っているという。

2024年は2月10日・11日に開催予定だが、2日現在、すべての枠が埋まっており、キャンセル待ちの状態。

来年も開催される予定なので、体験したい人はスマホのカレンダーに入れておくといいだろう。年末年始あたりに通知が来るようにしておけば、予約が始まる前に思い出せるはずだ。

同館では青銅鏡・青銅鏡チョコの他にも、様々なものを作れるものづくり教室「原始古代の技に学ぶ」「チャレンジ博物館」を開催している(それぞれ月1回程度)。

気になる読者は、山梨県公式ウェブサイト内「山梨県立考古博物館」のページを確認してほしい。

Jタウンネット

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