人から好かれる方法が分からない...自分に足りないものは何?
2025年2月10日(月)6時0分 大手小町(読売新聞)
「人から好かれるって何ですか?」と題する22歳の女性からの投稿が、掲示板サイト「発言小町」に寄せられました。見た目にすごく気を使い、人からアクティブな性格だと言ってもらえることもあるというトピ主さん。それなのに一向に彼氏ができず、「一体あと何が足りないのか、何を直せばいいのか」と、さっぱり分からなくなってしまったのだとか。自分のあり方について本気で悩んでいるとして、読者にアドバイスを求めています。
![](https://news.biglobe.ne.jp/trend/0210/2863218889/okc_2863218889_1_thum800.jpg)
投稿によれば、トピ主さんは過去に「社会性のなさ」に悩んだことがあり、自分の性格をかなり矯正してきたとのこと。その結果、「『ちょっと気が使える女』を演じすぎる」「口数が多くて落ち着きがない」というキャラクターに。「でも心のどこかでは、気が使えない&口数が少ないよりはいいと思っている」とのことです。
この記述からトピ主さんは、これまで自分がこうなりたい、こうありたいという人物像を目指して努力してきたことが伝わってきます。なりたいキャラになれたのに、なぜ悩んでいるのかと言えば、その理由は彼氏ができないから。つまり、トピ主さんにとっての一番の目的は、「彼氏ができること」であり、そのための手段として、人に好かれそうな見た目やキャラクターになる努力をしてきた、ということですね。
今まで良かれと思ってやってきた手段で目的を果たせていない、ということであれば、手段そのものを見直してみてはいかがでしょうか。
トピ主さんは気が使える女性やアクティブな性格の女性を目指してきたわけですが、そういった女性像は、トピ主さんの周りにいる男性陣には刺さらなかったか、あるいは「演じている」ことで不自然さや壁を感じさせていたのかもしれません。
トピ主さんは、人から「本音を言わないよね」と指摘されたことがあるそうですね。自分としては「むしろさらけ出し過ぎているほど」だと思っており、「これだけ生身で接しても
男女を問わず、「隙がある人はモテる」とはよく言われますが、「隙」というのは他人の目線を意識していないときに生まれるものです。相手の存在がまるで視野に入っていないかのように自然に振る舞う姿は、見ている人を引きつけやすい、という傾向は確かにあるように思います。
「人の目を気にせずに伸び伸びと振る舞っているときの方が、異性を引きつけることがある」という前提に立つならば、「演じるのをやめてみる」という手段を試す価値はあるのではないでしょうか。「時々は肩の力を抜いて素の自分でいよう」と決意することが、第一歩になると思います。
これに加え、目的に対する手段が十分でなかった、つまり「見た目を磨いたり、気を使えてアクティブな性格になったりするだけでは、恋人を作るのには十分ではなかった」ということも、考えられる可能性の一つです。
仮にトピ主さんの周囲に「最近、ステキになったな」と人知れずトピ主さんに好感を抱いている男性がいたとしても、それだけで恋愛が始まるわけではありません。あいさつをする関係になり、共通の話題を見つけて会話を重ねるようになり、一緒に遊びに出かけるようになり、そうしていくうちにお互いの理解が深まり……といったように段階的に距離を縮めていかなければ、特別な関係になることはなかなか難しいです。
もちろん、どちらかが一目ぼれをして急展開でカップルになる、といったケースがないわけではありませんが、そうした出会いは多くの人にとって一生に一度あるかないかのレアケースと考えておいた方が良いでしょう。
投稿を読む限り、トピ主さんの日常に、異性と知り合う、話す、といった出来事はある様子。その次のステップである「距離を縮めて仲良くなる」をクリアできるよう、具体的な人間関係づくりにいそしむことが、彼氏を作るという目的をかなえるために、次に必要な努力になるかと思います。今までの努力はすべて無意味だったと考えるのではなく、「これまで努力したから、人付き合いに踏み出す準備ができた」などと肯定的に捉えてみるのがおすすめです。
トピ主さんは、春から社会人になるそうですね。さまざまな新しい出会いが期待できるタイミングです。「現在は気持ちがぷつりと切れた状態」とのことなので、「4月から人付き合いや行動範囲を広げていこう」と決めた上で、それまではあまり人の目を意識せず、自分の好きなことをして、気持ちを立て直すことに専念してみてはいかがでしょうか。
のちの投稿には、「『とにかく人を褒めなければ! 明るい気持ちにさせなければ!』と必死過ぎて、自分自身が心を擦り減らしてきた」といった記述が見られます。人とのコミュニケーションを諦めずに頑張ってきた自分に、まずは「よく頑張ったね」と声をかけてあげてください。
タイトルにある「人から好かれるって何ですか?」という問いは、トピ主さんだけが悩んでいるテーマではないということを、心の隅に置いておいてほしいなと思います。10年ほど前に発売され、大ヒットした『嫌われる勇気』(岸見一郎、古賀史健著)という自己啓発書は、現在もロングセラーを続けているそうです。いつの時代も、多くの人が「願わくは、人から好かれたいと思っている」ということの表れではないでしょうか。
万人に好かれることは難しくとも、人生を振り返ってみると、自分と仲良くしてくれた相手が1人くらいは浮かぶはず。「こんな自分を好きでいてくれて、仲良くしてくれてありがたいな」という感謝の気持ちを忘れずにさえいれば、小さな世界でも、人と関わる喜びを享受できるものだと思います。
恋愛は人付き合いの延長にあるものなので、これまで仲良くできた人物を思い浮かべ、「あの子は私のどこを好きになってくれたのだろう?」と考えてみると、今後の自分のあり方について、何かしらヒントを得られるかもしれません。遠くを見過ぎてうまくいかないときは、足元を見てみると、何か発見があるかもしれません。応援しています。(フリーライター 外山ゆひら)