今の子どもは花粉症が多いと思う保護者は約9割、実際に行っている対策は?

2024年2月13日(火)12時20分 マイナビニュース

ロート製薬が、 0〜16歳の子どもを持つ親7,131人を対象に実施した「子供の花粉症」に関する調査の結果を2月9日に発表した。同調査は、1月24日〜25日の期間でインターネット形式で実施された。
「お子様は花粉症ですか?」と尋ねたところ、自分の子どもが「花粉症と診断された」または「花粉症だと思う」と回答した親の割合は42.6%であった。同社が2014年に実施した同様の調査と比較すると9.9ポイント増加していることがわかった。
上記の質問において、対象を小学生の子どもをもつ親に限定すると、約半数の47.4%が花粉症を実感しているという結果になった。また、発症した年齢は、平均で5.8歳となり、小学校にあがる前から花粉症を発症しているケースも多いことがわかった。
花粉症の小学生にどのような症状があるか尋ねたところ、最も多かった回答が「鼻水」で85.5%、次いで「目のかゆみ」(67.1%)であった。
また、花粉症がどのくらいつらいかという質問に対しては、「我慢できないほど辛い」と回答した人の割合は4.5%、「我慢はできるがとても辛い」と回答した人の割合は27.6%となり、合わせて32.1%が「とても辛い」と回答した。
花粉症によって日常生活にきたす影響について尋ねたところ、53.9%が日常生活に影響があるという趣旨の回答をし、中でも一番多かった回答が「授業など勉強に集中できない」(24.9%)、次いで「夜眠れない」(19.1%)、「外で遊びを楽しめない」(17.4%)という結果に。
本調査を通して、花粉症の子どもが感じている症状のうち把握していない症状があった親は30.9%であったことがわかった。
中でも、花粉症の子どもが感じている「日常生活への影響」のうち把握していないものがあった親は51.8%と半数以上という結果になった。
親自身が小学生だったころと比較して「今の子の方が花粉症が多い」と回答した人の割合は88.3%にのぼる結果になった。
また、大人より子どもの花粉症の方が深刻だと感じている人の割合は73.9%になった。その理由として、最も多かった回答は「子どもの方が花粉症の症状を感じる年数が長いから」(57.1%)、次いで「子どもの方が勉強や運動、人間関係など、その後の人生に影響する機会が多いから」(37.1%)という結果になった。
実際に子どもの花粉症対策をとっている親は71.8%で、28.2%の親は対策をしていないことがわかった。
中でも、花粉症対策をしている親がしていることとして最も多かった回答が「マスクの着用」(60.9%)、次いで「病院で処方された飲み薬の使用」(55.4%)であった。一方で花粉症の小学生が感じる症状の2位であった「目のかゆみ」へのピンポイントな対策はやや優先度が低く、「病院で処方された目薬の使用」(35.5%)が4位、「メガネの使用」(22.6%)が6位、「市販の目薬の使用」に至っては9.6%で選択肢の中で最下位であった。
花粉症を実感する小学生が感じる症状の2位だった「目のかゆみ」による影響について、目のかゆみによって日常生活に何らかの影響がある小学生は53.9%にのぼり、具体的には1位「授業など勉強に集中できない」(25.6%)、2位「外で遊びを楽しめない」(23%)であった。
また子どもの目のかゆみによる日常生活への影響のうち、把握していないものがあった親は44.2%と、約半分であった。
○■医師・大久保公裕先生の解説
今回の調査で、子どもの花粉症がこの10年で32.7%から42.6%に増えたという結果が出ました。その原因として、ひとつは子どもの生活環境の変化が挙げられます。今の子どもたちは外で遊ぶことが減り、細菌に触れる機会が少なくなっていることによって免疫が変化し、本来は害がない花粉に免疫反応を起こしていると考えられますいます。外でいつも花粉にさらされている子より、室内にいることが多い子が外に出て急激に花粉に曝露されると、花粉症を発症しやすいです。もうひとつは、今の子どもの親世代の花粉症発症率が高いことです。親子で体質が似ることによって花粉にアレルギー反応を示す子どもが増えていると考えられます。
また今回の調査では、30.9%の親が、子どもが感じている花粉症の症状のうち把握していないものがありました。子どものうちは風邪をひく回数が多く、そして風邪は鼻水やくしゃみなど花粉症と症状が似ているために、見分けがつきにくい可能性があります。風邪と花粉症を見分けるポイントは「目のかゆみ」です。子どもは大人よりも粘膜が過敏で目をよく擦りますが、目を頻繁に擦っていたら花粉症かもしれないと注意しましょう。
 子どもは通学や体育の授業などで外にいる機会が多く、花粉症の症状を感じやすい環境にいます。それによって黒板が見えない、授業に集中できないなど、学校生活に多大な影響があります。子どもの花粉症の症状に気づいて、早めに対策をしてあげることが大切だと思います。
大久保 公裕
日本医科大学大学院医学研究科頭頸部・感覚器科学分野教授
日本医科大学医学部耳鼻咽喉科教授
1978年駒場東邦高等学校卒業。1984年、日本医科大学卒業。1988年、同大学院卒業。1989年より米国国立衛生研究所NIHアレルギー疾患部門へ留学し、1991年帰国。1993年、日本医科大学耳鼻咽喉科講師、医局長、准教授を経て、2010年より現職。日本アレルギー協会理事、日本耳鼻咽喉科代議員、日本耳鼻咽喉科免疫アレルギー感染症学会理事、奥田記念花粉症学等学術顕彰財団理事長、NPO花粉症鼻副鼻腔炎治療推進会理事長
専門領域:鼻科学、アレルギー学、鼻科手術
【調査概要】
調査対象:0歳〜16歳の子どもを持つ親7,131名
調査方法:インターネット調査
調査機関:自社調査
調査期間:2024年1月24日(水)〜1月25日(木)
※調査結果の数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合がある
※ロート製薬アルガード調べ

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