2032年“都市破壊級”小惑星「2024 YR4」が衝突した場合のシミュレーション映像が恐ろしい・・・

2025年2月15日(土)16時0分 tocana


 TOCANAでも先日からお伝えしている、約8年後の2032年に地球に衝突する可能性がある小惑星「2024 YR4」。衝突する確率は現時点で2.3%とされている。そしてこの度、衝突した場合の被害を再現した恐ろしい映像が公開され、科学界のみならず一般にも大きな反響を呼んでいる。


原爆の500倍以上の破壊力

 この小惑星が地球に衝突すれば、爆発のエネルギーはTNT火薬に換算して8メガトンに達すると予測される。これは、広島に投下された原子爆弾(約15キロトン)のおよそ500倍以上の破壊力に相当する。


 3DアニメーションスタジオMetaBallStudiosを運営するアルバロ・グラシア・モントーヤ氏が制作した映像では、自由の女神ほどの大きさの小惑星が燃えながら地球へ落下し、ニューヨーク市に激突する様子が描かれている。衝撃により爆発が発生し、都市全体が瞬く間に壊滅するという恐ろしいシナリオだ。



NASAの最新観測と衝突リスク

 この小惑星2024 YR4は、2024年12月にNASAの望遠鏡が発見した。発見当初の衝突確率は1.2%だったが、その後の計算で2.3%に上昇した。この確率の変動について、マサチューセッツ工科大学(MIT)の惑星科学者リチャード・P・ビンゼル教授は「観測データの精度が向上するにつれ、確率は変動するのが普通であり、現時点で過度に懸念する必要はない」と述べている。


 仮に衝突しない場合でも、2032年には地球から約10万6000キロメートルの距離を通過する見込みである。


衝突した場合の影響と過去の類似事例

 この小惑星が地球に衝突した場合、映像のようなシナリオが現実になる可能性は低いと専門家は指摘している。大気圏突入時に爆発し、いわゆる「空中爆発(エアバースト)」を引き起こす可能性もある。


 過去に発生した類似の現象としては、1908年のツングースカ大爆発が挙げられる。この時、シベリア上空で小惑星が爆発し、約5000万トンのTNTに相当するエネルギーが放出されたとされる。これにより約2150平方キロメートルに及ぶ森林が倒壊し、数名の死者が出たと報告されている。


NASAの監視と今後の見通し

 NASAは小惑星2024 YR4の軌道を詳細に監視しており、さらなる観測データが得られ次第、リスク評価が更新される見込みだ。現在の計算によると、最も衝突の可能性が高い地域は南米、南大西洋、サハラ以南のアフリカ、アラビア海、インドに広がる「リスク回廊(リスクゾーン)」とされている。


 この小惑星は、地球衝突リスクを評価するトリノスケールで「3」に分類されている。このスケールは0から10まであり、数値が高いほど危険性が増す。通常、地球に接近する小惑星のほとんどは「2」以下のリスク評価にとどまるため、「3」は比較的高い警戒レベルとされる。


 今後8年間でさらなる観測が行われ、リスクの再評価が進められる予定だ。科学者たちは現在、可能な限り多くの情報を収集し、この小惑星の特性や挙動を詳しく分析するための取り組みを加速させている。

tocana

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