年金を月24万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入がある人ですか?

2024年2月17日(土)20時30分 All About

年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、現役時代にどのぐらいの収入があれば、将来、年金を月24万円もらえるのかについてです。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、現役時代にどのぐらいの収入があれば、将来、年金を月24万円もらえるのかについてです。

Q:年金を月24万円もらえる人は、現役時代の収入はいくらぐらいですか?

「年金を月24万円もらえるのは、現役時代にどのぐらいの収入がある人ですか?」(匿名希望)

A:年収の目安は951万912円(月額79万2576円)です

会社員は、受給要件を満たすことで原則65歳から老齢基礎年金と、老齢厚生年金を受け取れます。老齢基礎年金は、未納期間・免除期間が全くない人は、月額6万6250円(2023年(令和5年)度満額)が受け取れます。
老齢厚生年金は、現役世代の収入金額(給与など)と勤続年数(厚生年金加入期間)によって、次の計算式で計算されます。
(1)平成15年3月までは、平均標準報酬月額×7.5/1000×平成15年3月までの加入期間
(2)平成15年4月以降は、平均標準報酬額×5.769/1000×平成15年4月以後の加入期間(※)
※スライド率等については省略。乗率は昭和21年4月2日生まれ以降の人の新乗率を使用
今回は、将来年金を月24万円もらえる会社員の現役時代の収入について計算してみます。
例として相談者を2023年(令和5年)現在30歳、1993年(平成5年)生まれの方とします。20歳から国民年金に加入し、その後、22歳以降60歳まで(38年間)、厚生年金に加入した場合で計算してみたいと思います。
なお、相談者が会社に入社した年(22歳)は、2015年(平成27年)となりますので、老齢厚生年金を計算するときは(2)の平成15年4月以降の計算式のみを用います。ボーナス込みで、38年間の年収の変更は考慮しません。
この条件で考えると、相談者は、老齢基礎年金を令和5年度で満額約6万6250円受給できることになります。そのため、毎月24万円の年金を受け取るには、老齢厚生年金は月額17万3750円(24万円−6万6250円)受け取る必要があります。
老齢厚生年金を月額17万3750円(年額208万5000円)受け取るための年収を(2)の計算式で計算すると下記のようになります。
●計算式
平均標準報酬額×5.769/1000×456カ月(加入期間)=208万5000円(年間の厚生年金受給額)
平均標準報酬額=208万5000円/(5.769/1000×456カ月)≒79万2576円
平均標準報酬月額を年収に換算します。
79万2576円×12カ月≒951万912円(年収)
このように、毎月24万円の年金を受け取る生涯平均年収の目安は951万912円(月額79万2576円)となります。
例えば相談者に、厚生年金の加入期間がない専業主婦の配偶者(未納期間・免除期間がない)がいたと仮定した場合、配偶者は65歳から老齢基礎年金6万6250円が受け取れるので、夫婦2人の年金受給額は30万6250円になります。
さらに要件を満たせば、厚生年金加入者の老齢厚生年金に配偶者加給年金が上乗せされます。2023年(令和5年)度の配偶者加給年金の金額は、39万7500円(昭和18年4月2日以後生まれの特別加算を含む)です。配偶者加給年金は、配偶者が65歳になるまで加算されますので、メリットが大きいのではないでしょうか。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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