高卒で働きだし繰上げ受給を考えています。どれぐらい年金をもらえるか教えてください

2024年2月17日(土)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、繰上げ受給について、年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、繰上げ受給についてです。

Q:繰上げ受給を考えています。どれぐらい年金をもらえるか教えてください

「定年は60歳です。高卒で働きだし厚生年金は転職活動中の4カ月以外払っています。60歳で繰上げ受給を考えています。どれぐらい年金をもらえるか教えてください。昭和41年3月生まれ男です」(どんさん)

A:60歳で繰上げ受給すると24%減額された年金額がもらえることになります

相談者「どん」さんは、繰上げ受給した場合どのぐらい年金をもらえるのかを知りたいようです。ざっくりと年金の見込み額を知りたいのであれば、毎年誕生月に届く「ねんきん定期便」に記載されていますので見てみましょう。
老齢年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)は原則として65歳からの受給となりますが、60歳〜64歳までの間で1カ月単位で繰上げができます。ただし1カ月繰上げるごとに0.4%※減額されます。
※昭和37年4月1日以前生まれの人の減額率は0.5%となります
「どん」さんが希望するように60歳で繰上げ受給すると、年金額は一生涯24%(0.4%×60カ月)減額されてしまいます。繰上げすることで、年金を早く受け取ることができるのはメリットです。一方、デメリットとしては以下のことなどが挙げられます。
・年金額が一生涯減額されたままになる
・収入がある場合、在職老齢年金制度(老齢厚生年金と収入の合計額が一定以上になると老齢厚生年金が支給停止になる)の対象になること
・老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方を繰上げ受給しなければならないこと(片方だけ繰上げ受給はできない)
・失業等給付(基本手当)をもらう場合、老齢厚生年金が支給停止となること(老齢基礎年金は受給できます)
・持病の悪化などで障害に該当しても障害年金を請求できなくなる
繰上げ受給の年金額について、正確には年金事務所で試算してもらうことをおすすめします。試算と同時に年金を繰上げることのデメリットについても確認してみてください。
文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士)
銀行員、税理士事務所勤務などを経て自営業に。晩婚で結婚・出産・育児した経験から、日々安心して暮らすためのお金の知識の重要性を実感し、メディア等で情報発信を行うほか、年金相談にも随時応じている。
(文:拝野 洋子(ファイナンシャルプランナー、社会保険労務士))

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