半年で4千食が完売! 福井・鯖江のB級グルメ“歩くソースカツ丼”「サバエドッグ」を食べたら旨すぎた

2022年2月18日(金)10時50分 食楽web


福井県鯖江市のB級グルメの代表格・サバエドッグ | 食楽web

 日本におけるメガネの約95%以上がこの地で生産されるという福井県鯖江市。地元オリジナルメガネブランドの中には、全国のセレクトショップでカリスマ的支持を得るものもありますが、その一方、あまり知られていないのが鯖江の名物グルメです。

 その名物グルメの代表格で、B級グルメとしては異例の大ヒットとなったのが、地元の肉店『ミート&デリカ・ささき』が考案した「サバエドッグ」。半年間で4000本を完売したという実績もあり、東京・大阪の百貨店における「福井県物産展」などの催事にも複数出店経験があるものだそうです。


JR鯖江駅からほど近い場所にある『ミート&デリカ・ささき』

 この「サバエドッグ」、どんなものかと言うと、福井県の名物グルメであるソースカツ丼を、歩きながら食べられるように工夫されたもののようで、この手軽さも大ウケした理由の一つのようです。今回はこの『ミート&デリカ・ささき』に出向き、「サバエドッグ」を現地でいただきました。合わせて、サバエドッグ考案の経緯や秘密について、『ミート&デリカ・ささき』の取締役・佐々木隆治さんに話を聞きました!

箸に巻かれたお米と薄切りロース肉をカラッと揚げた「歩くソースカツ丼」


店内。精肉類のほか、お惣菜も幅広く販売しています

 JR鯖江駅より数百メートルにある『ミート&デリカ・ささき』。一見すると、ごく普通のお肉屋さんのように見えますが、この地域に根付いたお店で、地元を代表する名物グルメ「サバエドッグ」が生まれたのだそうです。

 さっそく筆者も「サバエドッグ」(300円・税込)をオーダー。『ミート&デリカ・ささき』では「サバエドッグ」はもちろん、あらゆる揚げモノの惣菜類は注文が入ってから揚げる仕組みのようです(催事などを除く)。油モノを扱うお店なのに、店内はいたって清潔で日頃から徹底した衛生管理を行っていることが自ずと伝わってきます。


揚げたての「サバエドッグ」。「サバエドッグ」は注文が入った後、1本ずつ丁寧に揚げるそうです

 オーダーから数分で「サバエドッグ」が揚がりました。かわいい絵があしらわれた紙コップに添えられており、ドッグの中心部には箸が挿さっています。さっそく口にしましたが、カラッと揚げられた衣には、サラッとしたウスターソースがかけられており、この食感とソースの酸味とコクがまず美味しいです。


カラッと揚げられた衣とソースの相性が抜群! 食べ応えがあるのに、もたれないのが不思議

 さらにかじると、何重にも巻かれた薄切りの豚ロース肉があり、この肉の甘味と旨みが口に中に広がります。さらにその奥にはお米があり、これらが渾身一体となって至福の味を楽しませてくれるという寸法です。

 揚げていることには違いがないので、正直いただく前は「ちょっともたれそう」と思った筆者でしたが、不思議なことに、これが意外とスッキリした後味。想像では揚げ方・油に『ミート&デリカ・ささき』ならではの秘密があり、強い食べ応えを与えながら、スッキリした後味になるよう工夫されているのではないかと思いました。これはうまい!

鯖江市長が試食し絶賛。以降、大ブレイクとなったサバエドッグ


「ミート&デリカ・ささき」取締役・佐々木隆治さん

 聞けば『ミート&デリカ・ささき』は、地元に根付いたお肉屋さんとして、74年の歴史があるそうです。しかし、2010年頃に売り上げが一時激減。その際に「少しでも売り上げをあげられる商品を」と考案したのがほかでもない「サバエドッグ」だったそうです。取締役・佐々木隆治さんに聞きました。

「売り上げが激減した際、『どうするや……』と息子たちと話し合いました。福井県には名物グルメとしてソースカツ丼があり、うちの店でもお弁当でよく売れていた商品でした。そこで『ならば、ソースカツ丼を歩きながらでも食べられるようにしたものを作ったらどうか?』と、最初は冗談混じりで考えました。

 かつてフランスドッグ、アメリカンドッグというものがありました。ソーセージに衣を加えて揚げるものですが、これをなぞって割り箸にご飯を巻き、さらに豚肉を巻き、衣をつけて揚げると。ここまでは割とすぐに決まったのですが、この後、バラ肉にしたり、ロース肉にしたりと半年くらい試行錯誤を重ねてやっと今のカタチになりました。

 地元で行われた骨董市で初めて売り出したのですが、そこで当時の鯖江市長さんが食べてくださり、『これはうまいな。鯖江の名物にせえや』と言ってくださいました。そこで『サバエドッグ』という名前になりました」(佐々木さん)


『ミート&デリカ・ささき』のかわいいキャッチコピー

 以来、地元の人たちだけでなく県外にも「サバエドッグ」の旨さが広がり、テレビなどの取材の影響もあり、半年間で4000本以上を販売。このことでお店の売り上げ回復にも大きく貢献できたそうです。

「ただ、当初は1〜2年で人気は収まり、お客さんは忘れてしまうのだろうと思っていました。しかし、ありがたいことに長らく地元の名物グルメとして今日までご支持をいただき、県外から食べに来てくださる方もいらっしゃいます。今では福井県からも承認されて『福井の名物』の商品にも挙げられるようになりました。本当にありがたいことで、今でも信じられません」(佐々木さん)

 佐々木さんは「『鯖江・福井の名物だ』と私どもが威張って言えることではない」としながらも、一方で味そのものについては絶対的な自信があるとのことです。

「素材・調理・管理は長年培った経験を『サバエドッグ』にももちろん反映していますし、うちでは自信を持って『美味しい』というものしか販売していません。味だけは本当に自信がありますので、是非機会がありましたら食べていただければ幸いです」(佐々木さん)

「サバエドッグ」は、名物と呼ぶに相応しい絶妙で病みつきになるような味でした。『ミート&デリカ・ささき』を運営する株式会社みーつでは、クール冷凍便での通販も行っているようです。是非一度食べてみてはいかがでしょうか。

(撮影・文◎松田義人)

●SHOP INFO

店名:ミート&デリカささき

住:福井県鯖江市本町3-1-5
TEL:0778-52-4129
営:10:00〜19:00
休:日曜
https://www.meat-sasaki.com/

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