行列必至！ 岐阜県関市の住宅街にある謎のオムライス専門店『トキワ1921』とは？

（手前）「のってるオムライス」。（奥）「オムライス」 ｜ 食楽web

●岐阜県関市の住宅街にあるオムライス専門店『トキワ1921』。行列ができるほど人気のお店でオムライス2種を食べに行ってきた！

　世界中に刃物の産地として、その名を知られる岐阜県関市。中心部から1キロ離れた閑静な住宅街に、突如行列ができる店があります。その名は『トキワ1921』。オムライスの専門店で、その美味しさは「東海エリアイチ」とも言われています。

「日本一の鋭利な街にあるフワフワオムライス」とは一体どんな味わいなのでしょうか？実際に岐阜県関市まで食べに行ってきました！

メニューはオムライスのみ！　しかし、さまざまな味を楽しめる

充実のオムライスメニュー。ソースは8種類から選べるほか、大盛りも可能です

『トキワ1921』のオムライスのメニューは大きく別けると2種類あります。1つはチキンライスの上にオムレツがのっていて、自分でオムレツを割って食べる「のってるオムライス」。もう1つが昔ながらの薄く焼いた卵生地でチキンライスを包む定番の「オムライス」です。

　また、ソースはベーシックな「トキワ」を筆頭に、「和風」「ジャーマン」「メキシカン」「フレンチ」「梅しそ」「チャイニーズ」「ペペロンチーニ」の8種類から選ぶことができます。さらに「オムライス」にはチキンライスにナスとチーズを追加した「ナスチーズ」などもあり、オムライスの世界にこだわりながらも、その食べ方を広げようとさまざまな創意工夫を取り入れていることがよくわかります。

　また、『トキワ1921』ではプラス料金でご飯の量を大盛りすることもできます。この点も、オムライスでお腹いっぱいになりたい人には嬉しいですよね。

フワトロオムレツがドン！「のってるオムライス」

「のってるオムライス」700円（※価格は全て税込）

　というわけで、「のってるオムライス」と定番の「オムライス」双方を注文していただきます。

　まずは、「トキワ」の焼き印がかわいらしい「のってるオムライス」。卵を3つくらい使用していそうな大きなオムレツは、お皿を動かすと卵がたゆみ、なんだか切るのがもったいなくなるほどの愛おしさがあります。

別添えのソースをかけて、フォークで切れ目をいれて開くと、トロトロの半熟たまごが流れ出て、チキンライスを覆いつくす。。フォークの先からプルプル感が伝わってきます

　フォークで卵に切れ目を入れると、湯気とともにドレスがひろがるようにふわっと卵があふれ出てきました。思わず「おぉ〜」と声が出る瞬間です。見るからにトロットロの卵がお皿いっぱいに広がり、食欲をそそるビジュアルになりました。

見た目どおりのフワトロ食感。チキンライスと一緒に食べるといいアンバイに

　フワトロの卵とチキンライスを口に入れると、旨みたっぷりのライスが絶妙にマイルドになります。美味しさを引き立てる卵と、優しい味わいのチキンライスの設計が実に繊細で、「東海エリアイチ」という噂にも納得の絶品な味わいでした。

昔懐かしいシンプル・イズ・ベストな「オムライス」

薄焼き卵でキレイに包まれた王道スタイルの「オムライス」

　続いては、薄く焼いた卵生地に包まれた王道スタイルの「オムライス」。焼き目や白身のかたまりもない、均一に火の通ったキレイな黄色の卵がとても綺麗です。その美しさにスプーンを入れることを少々躊躇しますが、迷わず入れると中からチキンライスのほのかな酸味が鼻腔をつき、なんとも食欲をそそられます。

ベーシックなスタイルに安心しつつ、専門店ならではの美味しさが味わえます

　実際の味は「のってるオムライス」よりチキンライスの印象が強めである一方、全体のバランスは実に素晴らしく、「オムライスの完璧すぎるお手本」と表現したくなるシンプル・イズ・ベストな味わい。こちらもまたかなり美味しくいただくことができました。

1921年創業の洋食店の子孫店だった！

　どちらのオムライスも絶品で、行列ができるのも納得の味でしたが、「どうして岐阜県関市の住宅街でオムライス専門店があるのか？」など、謎も多かったため、食後に店員さんに声をかけ話を聞きました。忙しいなか丁寧に対応してくださった店員さんは、お店のなりたちを教えてくれました。

「1921年に名古屋で先代が創業した『ときわ食堂』という洋食店がルーツです。しかし、戦時中に名古屋の店は空襲を受けて炎上。その後、先代の地元である岐阜県関市に店を移しました。その後、『レストラントキワ』『洋食屋トキワ』『厨房1921』と店名を変えていきました。

　この変遷の中で、今から30年ほど前から大手の飲食店が続々と開店し、『個人店には専門性が必要なのではないか？』と考え、人気だったオムライスに絞ることにしました。『オムライス専門店』という飲食店がなかったことも理由の一つです。後の2011年に現在の店の名に変更し現在に至りますが、とにかくまず食べにお越しいただければ嬉しいです。他店とは一味違うオムライスを提供させていただいています」（店員さん）

まとめ

　これだけの歴史、味わいにして1プレート600〜700円でいただけるコストパフォーマンスの良さも魅力です。ぜひ刃物の町・岐阜県関市の散策と合わせて『トキワ 1921』に訪れてみてはいかがでしょうか。絶品のオムライスで、頬が落ちまくることウケアイです。

（取材・文◎sora、松田義人（deco））

●SHOP INFO

店名：トキワ1921

住：岐阜県関市鋳物師屋5-9
TEL：0575-25-2922
営：11:30〜14:30、18:00〜20:00（L.O.）
休：火曜