年金から引かれるお金があるんでしょうか?

2024年2月24日(土)20時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、年金から引かれるお金について、年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。

写真を拡大

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年金から引かれるお金についてです。

Q:年金から引かれるお金があるんでしょうか?

「私の祖母は年金で生活をしていますが、年金から税金が引かれると聞いてびっくりです。年金から、税金の他にも引かれるお金があるんでしょうか?」(23歳)

A:あります。老齢年金を受け取ると、所得税、住民税、国民健康保険料(税)、後期高齢者医療制度の保険料(75歳以上)、介護保険料が引かれます

老齢年金を受け取ると、次のような税金や社会保険料が年金額から天引きされます。年額18万円以上の老齢年金を受け取れる人が対象です。
【1】所得税・復興特別所得税
【2】住民税
【3】国民健康保険料(税)(75歳まで)
【4】後期高齢者医療保険料(75歳以降)
【5】介護保険料
相談者の祖母様が、75歳未満であれば、【1】【2】【3】【5】が天引きされる可能性があります。

【1】所得税・復興特別所得税

税金は、一定額の収入があると、収入額に応じて、税金(所得税・復興特別所得税)を支払う必要があります。給与収入から所得税が控除されているように、老齢年金を受け取ると、原則、所得税を支払う必要があります。給与収入は給与所得、老齢年金は雑所得として課税対象になります。
老齢年金の所得税額を計算する時には、公的年金等控除額を控除して算出することができます。現在の公的年金等控除額は、65歳未満が60万円、65歳以上が110万円です。また、全員が一律で控除できる、基礎控除(合計所得金額が2400万円以下の場合は48万円)も控除できます。
相談者の祖母様は、老齢年金から税金が天引きされているとのことですので、110万円(公的年金等控除額)+48万円(所得税の基礎控除)=156万円(1年間の老齢年金受給額)を超えた老齢年金を受け取っていると思います。

【2】住民税

住民税は、住んでいる自治体によって異なり、非課税制度があります。

【3】国民健康保険料

国民健康保険料も住んでいる自治体によって異なります。
例えば、新宿区の国民健康保険料は、(1)基礎賦課額(医療分)、(2)後期高齢者支援金等賦課額(支援金分)、(3)介護納付金賦課額(介護分)があり、それぞれに均等割額と所得割額があります。これら全てを合わせて国民健康保険料としています。新宿区の均等割額には、軽減措置があります。

【5】介護保険料

介護保険料も住んでいる自治体によって異なります。
老齢年金を受け取ると、額面に記載されている金額から、上記で説明したような引かれるお金もありますので覚えておきましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

All About

「年金」をもっと詳しく

「年金」のニュース

「年金」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ