【子どものやけどの思わぬリスク】本体は熱くならなくても倒れた時に危険なモノとは?手の届かない所に置いていても注意

2022年2月25日(金)13時30分 マイナビ子育て

タイガー魔法瓶はこのほど、未就学児6歳以下の子どもをもつ30〜40代の男女638人を対象に「電気ケトルに関する意識調査」を実施しました。

電気ケトルの普及に伴って、小さな子どものやけど事故が社会問題に

電気ケトルの普及に伴い、小さな子どものやけど事故が問題視されるようになり、2021年に「電気用品の技術上の基準を定める省令の解釈についての一部を改正する通達」により、転倒流水試験(転倒した際のお湯の流出量が50mL以下であること)が追加されました。

この基準※1に準拠する電気ケトルは、2024年8月以降、同基準の転倒流水試験条件を満たさないと製品の製造・輸入ができなくなります。※1 J60335-2-15(2021)

こうした背景を踏まえ実施された今回の意識調査。どのような実態が明らかとなったでしょうか。

自身の子どもに対して、やけどの「ヒヤリハット経験」がある人は7割以上に

調査の結果、自身の子どもに対して、日常生活でひやっとした経験(ヒヤリハット経験)がある人は、「よくある」37.9%、「たまにある」56.4%を合わせて94.3%に上りました。

そのうち、やけどのヒヤリハット経験がある人は「よくある」20.6%、「たまにある」49.8%合わせて70.4%と、7割以上に達しています。

また乳幼児の子どもが、やけどをしないよう普段から心がけている人は93.1%という結果となりました。

やけどのヒヤリハット経験の原因が「電気ケトル」だった人は約3割も

やけどのヒヤリハット経験エピソードの第1位となったのは「熱くなった調理器具に触れそうになった/触れてしまった」で、半数以上が経験があると回答しています。

続いて第2位は「炊飯器の蒸気に触れそうになった/触れてしまった」、第3位は「電気ケトルを触りそうになった/倒しそうになった/倒れてしまった」となりました。

また、やけどのヒヤリハット経験がある人のうち、その原因が「電気ケトル」だった人は29.0%にのぼりました。

やけどしないように気をつけていること第1位は「調理中は近寄らせない」

子どもがやけどしないように気をつけていること第1位は「調理中は近寄らせない」ことで65.2%にのぼりました。

第2位は「子どもの手が届くところに熱くなる物を置かないようにしている」で、57.5%が該当。そして第3位は「電気ケトルでお湯を沸かしている時に近寄らせない」だったものの、該当者は約3割にとどまっています。

また電気ケトルによるやけどのきっかけにもなりやすい「調理器具のコードは、子どもの手の届かないところに配線している」について実践している人は23.8%となりました。

電気ケトルでやけどをしそうになった原因は、約半数が「転倒」と回答

電気ケトルで子どもがやけどをしそうになった経験がある方に当時のエピソードについて聞いたところ、第1位「子どもが高温になった本体の表面を触ってしまった」、第2位は「子どもが蒸気に手をかざしてしまった」、第3位「お湯を器に入れる際にお湯をこぼしてしまった」となりました。

また、電気ケトルの「転倒」によって、やけどをしそうになった経験のある人は、半数近い48.7%にのぼっています。

ヒヤリハット経験者の4割以上が「子どもの手の届かない位置」に置いていた

電気ケトルで子どもがやけどをしそうになった経験がある方に「当時の電気ケトルの置き場所」について尋ねると、 43.6%は「子どもが手の届かない場所」に設置していたことが判明。4割以上が「子どもの手の届かない位置」に置いていたにもかかわらず、やけどのヒヤリハット経験がありました。

子どもの手の届かない位置に電気ケトルを置いていたにもかかわらず、やけどの危険があった理由を、子どもの事故防止の第一人者で小児科医の緑園こどもクリニック院長の山中龍宏先生に聞いています。

その結果、電気ケトルを使用する際のNG行為は「電気ケトルの決まった置き場所がないこと(電気ケトルの定位置が度々変わること)」だということがわかりました。

「子どもの手の届かない位置」に置いていても、使用中に一時的に置き位置を変えたタイミングでやけどするケースが大半だといいます。

以上を踏まえ、お湯が沸いた後「電気ケトルの置き場所が定位置から変わる」ことがある人を調査した結果、なんと51.8%が該当する結果に。半数以上が“やけど予備軍”であることが判明しました。

電気ケトルの安全機能について「全く把握していない」人は3割超で最多に

電気ケトルを持っている方に自宅の電気ケトルに搭載されている安全機能について聞いたところ、全く把握していない人が最も多く、その数は31.8%にのぼりました。

電気ケトルでやけどする主な要因について着目すると、「転倒お湯もれ防止」が搭載された商品を選んでいる人は22.9%のみ。

続いて「本体が熱くなりにくい」機能は31.2%、「蒸気が出ない・少ない」機能は18.7%のみという結果となり、電気ケトルの安全対策については関心が低い傾向があることが浮き彫りとなりました。

転倒流水試験が追加された電気ケトルの新安全基準、認知度は2割程度に

「電気ケトルの新安全基準※1に、2021年より転倒流水試験(転倒した際のお湯の流出量が50mL以下であること)が追加された」ことを知っている人は23.7%にとどまりました。 ※1 J60335-2-15(2021)

また、子どものやけどや事故に至る危険性について情報収集している人は42.7%で、電気ケトルのやけど事故の報道・ニュース等を知っている人も43.0%。いずれも4割程度にとどまる結果となりました。

【調査概要】

調査対象:未就学児6歳以下の子どもがいる全国の30歳〜40歳の男女638人 調査方法:ジャストシステム「Fastask(ファストアスク)」を用いたインターネットリサーチ調査期間:2024年4月30日(火)〜5月6日(月) ※結果数値は小数点以下を適宜四捨五入して表示しているため、積み上げ計算すると誤差がでる場合があります。

(タイガー魔法瓶「電気ケトルの新安全基準に関する 意識調査」より引用)

タイガー魔法瓶https://www.tiger-corporation.com

(マイナビ子育て編集部)

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