40歳子ども2人、貯金160万円。夫は7社からの借金を返済中で、離婚も考えています…

2024年3月2日(土)22時20分 All About

相談者は、自営業の夫がカードローンなどの借金を抱えていることで悩む40歳の女性の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

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離婚して仕事をしながら子ども2人を養い、生活保護を受けることも考えています

皆さんから寄せられた家計の悩みにお答えする、その名も「マネープランクリニック」。
今回の相談者は、自営業の夫がカードローンなどの借金を抱えていることで悩む40歳の女性の方です。ファイナンシャル・プランナーの深野康彦さんがアドバイスします。

相談者

たいたすさん(仮名)
女性/準社員/40歳
借家

家族構成

夫(40代・自営業)、子ども2人(8歳・6歳)

相談内容

夫は親とともに自営業で、給与は手渡しです。夫は給与明細を2年前までは渡してくれていましたが、今は渡してくれず、生活費として月平均9万円ほど入れてくれています。
その中から上の子の学童、下の子の保育料などを払っています。私は準社員として今年から社会保険加入となり、変動はありますが、月10万円程度の収入があります。
コープを利用しているのでコープ利用料(私が負担)のほかに、月5000円(余裕があるときは、もう少しプラスして)増資にあてています。児童手当は夫名義の口座で学資保険にあてています。今住んでいるところの家賃は夫の両親が支払っています。
前置きが長くなりましたが、先日、夫の借金が発覚しました。7社からのカードローン、スマホ会社が提供するカードからの借金でトータル350万円です。原因はギャンブル、スマホゲーム課金です。
夫は借金返済に自己破産、任意整理を考えているようです。が、万が一、自己破産となると、児童手当で積み立ててきた学資保険がなくなります。かといって、私が学資保険とは別に少ないながらも貯めてきたコープ増資や投資を借金のために崩す気にはなれません。
夫の両親が立て替えたとしても、それを認めてしまうと夫には甘いと思うので、私は拒否をしています。
夫への小遣いは、スマホ代を含むからということで月5万円渡していましたが、ここ数年、私が節約のためにお弁当を持たせたので、やっと小遣いは4万円になりました。が、実は小遣いの中にスマホ代は含まれていなかったようで、小遣いとは別に、給与から払っていたのがわかりました。
これから具体的に借金返済について弁護士と相談していく予定ではありますが、返済を含め子どもたちへの貯金など、どうしていったらいいのか、また具体的に、どこを改善していけばよいのかご教示ください。
お察しのとおり、離婚も考えています。離婚して仕事をしながら子ども2人を養い、生活保護を受けることも考えています。どうか知恵をお貸しください。よろしくお願いいたします。

家計収支データ

たいたすさんの家計収支データは図表のとおりです。

家計収支データ補足(相談者コメント)

(1)収支について
コープへの出資は毎月の貯金1万5000円のうちの5000円です。残り1万円は投資です。投資に1万円回せないときは、翌月1万円投資しています。貯蓄100万円は児童手当で積み立てている保険です。
収支の差額が出たときは翌月、コープの積立増資をしたり、投資に回したりしています。また、急な支出も考えて1万円ぐらいは口座に残しています。あとは毎年の自動車税、2年に1度の車検に備えて貯めています。
(2)車両費について
所有台数は1台です。買い換えも考えていましたが、今年度、車検があるので、このまま乗り潰すかもしれません。
(3)加入保険について
夫の分は、すべて夫の両親が把握しているので私はわかりません。
・私/医療保険(入院5000円、通院特約付き)=毎月3000円
・車/保険=毎月3800円
・子ども/共済=毎月1080円×2人分
(4)教育費について
児童手当2万円は、毎月、夫名義の養老保険に充てています。当初は学資保険で相談しましたが、養老保険のほうがいいと勧められ、養老保険にしました。教育費2万円の内訳は学童、習い事、保育園代など。
(5)借金について
<月々の返済額>
・Aカード:2万円
・Bカード:1万円
・Cカード:1万円
・Dカード:2万2000円
・Eカード:5000円
・F銀行:1万5000円
・G銀行:1万5000円
合計:9万7000円
各借入業者からの手数料は把握していませんが、Eカード以外はギャンブルからの借金と聞いています。Eカードの借金はゲーム課金だそうです。カードローンで借金が膨れ上がったのは、自転車操業していたからだそうです。
最初に相談の申し込みをさせていただいてから、夫側で弁護士が決まり債務整理となりました。夫の両親が夫に対してかけていた年金保険を解約して、返済に充てる運びとなりました。
それ以降の具体的な返済額は出ていませんが、おそらく今後、約180万円弱を夫の給料から返済に充てていくことになると思います。もちろん、私の収入から夫の借金に充てることはありません。
(6)今後について
正社員として働くことは、もちろん考えていますが、子どもの放課後の過ごし方や、下の子がまだ保育園のお世話になっているため、まだ正社員としては厳しいと感じています。
また、離婚した場合は、実家に戻ることも考えています。その場合、第1子の転校を考えると動くとしたら今しかないのでは?と感じ、相談させていただきました。

FP深野康彦の2つのアドバイス

アドバイス1:今後の生活がどうなるかで結論は出せないが、貯蓄はしっかり継続を
アドバイス2:離婚するなら、実家と相談の上、正社員での再就職を

アドバイス1:今後の生活がどうなるかで結論は出せないが、貯蓄はしっかり継続を

最初のご相談から状況は変わっているようですね。ひとまず、ご主人の借金については、ご主人とご両親にまかせるしかないでしょう。弁護士が入られての債務整理ですから、それに従っていくほかないですね。
ただ、その後の状況がわかりませんが、ご主人からの生活費が減るようなことがあれば家計に大きく影響しますので、その点だけは確認しておいてください。
離婚も視野にいれているようですが、離婚協議をするにしても、すぐに解決するとは限りません。その間できることは、現在の収入から少しでも貯蓄として現預金を残しておくことです。
現在、毎月1万5000円の貯蓄をされていますが、収支を拝見すると児童手当を除き、3万7000円ほど残るはずです。貯蓄を除き、使途不明金となっています。
急な出費などに備えて残してある分かもしれませんが、毎月3万〜4万円は貯蓄に回せるということです。年間で約40万〜50万円は貯蓄できるのです。
自動車税や車検などの臨時支出で貯蓄を取り崩すこともあると思いますが、今できるのは、家計を明瞭にし、もう一度、いくら貯蓄できるか見直すことです。
現在の貯蓄のなかで気になるのは、コープへの増資です。コープを利用していれば、お得になることもありますが、必要以上の増資は避けたほうが賢明です。いざ現金が必要になったときに、脱会、解約しようとしても、出資金が払い込まれるまでに時間がかかります。
また、銀行の定期預金のように保護されているものではありませんので、コープが解散となった場合、出資金全額が戻ってくる保障はありません。
そうしたリスクや、たいたすさんの現状を考慮すると、いつでも引き出せる定期預金などの積み立てで貯蓄をしてほしいと思います。

アドバイス2:離婚するなら、実家と相談の上、正社員での再就職を

現段階で見直せることをやりつつ、離婚協議を進めるということであれば、一度、たいたすさんのご実家と相談なさったほうがいいでしょう。
生活保護を受けてでも、というのは、たいたすさんの今の正直な気持ちかもしれませんが、お子さん2人のことを考えれば、それは最後の最後の手段です。
国の制度としてありますから、知識として持っていてもいいですが、実際に生活保護を受けるとなれば、子どもに欲しいものを買ってあげられないなど、これまで以上に制約のある暮らしを余儀なくされます。どうかお子さんのために、踏みとどまってほしいと思います。
ご実家に頼ることができれば、お子さんの世話をお願いし、たいたすさんは正社員への道を考えるべきです。ご実家から現在の職場へ通勤することができなければ、転職ということになりますが、その場合でも、お子さんをご実家に預けられるのであれば、転職先の選択の幅も広がるのではないでしょうか。
このままの生活を続けられるとしても、下のお子さんが小学校に上がったら、正社員として働くことを考えてください。
いずれにしても、今後、たいたすさんの生活基盤がどうなるかで、この先のアドバイスは変わってきます。今回は、ここまでの回答しかできませんが、必ず、もう一度、相談をお寄せください。

相談者「たいたす」さんから寄せられた感想

ありがとうございました。FP深野さんからご指摘をいただき、改めて旦那の給料と自分の給料からの貯蓄を考えることができました。
まだ債務整理をお願いした弁護士さんからの連絡がないので月の返済額がわかりません。月の返済が始まるまで、今まで旦那に渡していた小遣い分が浮くので、今後の返済にあてられるよう手元に残しています。
離婚の件は借金の件が落ち着いてから改めて考えようと思います。別れても引っ越しや手続きなどで出費がかさみ、自分の貯蓄がないとやっていけないと思ったので踏みとどまりました。
教えてくれたのは……深野 康彦さん
マネープランクリニックでもおなじみのベテランFPの1人。さまざまなメディアを通じて、家計管理の方法や投資の啓蒙などお金周り全般に関する情報を発信しています。All About貯蓄・投資信託ガイドとしても活躍中。
取材・文:伊藤加奈子
(文:あるじゃん 編集部)

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