65歳からは老齢厚生年金は繰下げできず、老齢基礎年金のみを繰下げできると聞いたような気がするのですが

2025年3月3日(月)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。今回は、年金の繰下げ受給について説明します。

老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に、専門家が回答します。
今回は、年金の繰下げ受給について説明します。

Q:老齢厚生年金は繰り下げてもらうことはできず、老齢基礎年金を繰下げられると聞いたような気がするのですが

「1959年11月生まれです。現在も就労し厚生年金保険料が天引きされています。特別支給の老齢厚生年金を受給していました。65歳からは老齢厚生年金は繰り下げできず、老齢基礎年金のみ繰り下げられると聞いたような気がするのですが。年金の支給手続きの手紙が来ているのですが、どうしたらいいですか?」(くまぽん)

A:相談者が繰下げ受給を希望するのであれば、65歳からの老齢基礎年金と老齢厚生年金を別々、または両方同時に繰り下げできます

相談者「くまぽん」さんは、昨年65歳になられ、年金の請求案内が届いているとのことです。65歳になる前にもらえる年金を特別支給の老齢厚生年金といい、65歳からは、老齢基礎年金と本来支給の老齢厚生年金をもらえることになります。
老齢年金(老齢基礎年金と老齢厚生年金)は、原則65歳から受給できますが、66歳以後75歳になるまでの間で、受給開始年齢を遅らせることができます。①老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方とも繰り下げ、②老齢基礎年金のみ繰り下げ、③老齢厚生年金のみ繰り下げ、と3つの方法から選択することができます。
65歳になる前に特別支給の老齢厚生年金をもらっていても、本来受給の老齢厚生年金を繰下げすることはできます。繰り下げすると、ひと月あたり0.7%増額された年金を一生涯受け取ることができます。増額された年金は一生変わりません。
くまぽんさんは、65歳からの老齢年金の繰下げ受給を希望するのであれば、66歳以降、繰下げ受給を希望する時期に、『老齢基礎・厚生年金裁定請求書/支給繰下げ請求書』を、お近くの年金事務所または街角の年金相談センターへご提出すると繰り下げできます。
もし「くまぽん」さんに、厚生年金の加入期間が20年以上あり、65歳に到達した時点で、生計を一にする65歳未満の配偶者(年収850万円未満の要件あり)がいると、配偶者が65歳に到達するまで、老齢厚生年金に配偶者加給年金が加算されます。ただし、老齢厚生年金を繰り下げすると、配偶者加給年金は加算されませんし、増額にもなりません。配偶者加給年金額がもらえるかどうか確認してみましょう。
配偶者加給年金額をもらえる要件を満たしているのであれば、繰り下げするよりも、配偶者加給年金額をもらったほうが得になることが多いこともありますので、よく考えて手続きしましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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