缶詰博士の珍缶・美味缶・納得缶 第300回 連載300回記念! 通常の3.5倍入ったやきとり缶を開けてみたぞ!

2024年3月8日(金)13時3分 マイナビニュース

この連載もついに300回目となりました。その記念に何か面白い缶詰を紹介してください、博士!
「去年8月にホテイフーズが賞味期間5年のやきとり缶を出しました。大事に取っておいたんですけど、300回記念なので開けちゃいましょう。既存のやきとり缶と何が違うのかも徹底検証しますぞ!」
→これまでのお話はこちら
○実は防災備蓄食にいい
やきとりといえばおつまみのイメージしかないけど、缶詰になると事情が少し変わる。玉子焼きの具になったり、丼の具になったりと、おかずとしても利用されているのだ。
さらには何と、防災備蓄食としても推奨されている。その理由は
1.鶏肉の脂は融点が低く、冷たくてもおいしく食べられる
2.タンパク質が豊富(備蓄食は炭水化物が多いためタンパク質が不足しがち)
実際、ホテイフーズの「やきとりたれ味」は、防災安全協会が主催する「災害食大賞」で2021年に優秀賞を受賞しているのだ。素晴らしいぞホテイさん!
そんなやきとり缶に昨年、ニューフェイスが加わった。内容量260gで賞味期間5年という、防災備蓄食に特化した商品であります。
○色と匂いが違う
では、既存品のやきとりたれ味75g缶と比較して、何が違うのか? 両方を湯せんで温めてから開けると、75g缶はたれの色が濃く、透き通っている。それに対して260g缶は、たれの色がやや薄く、不透明だ。
匂いも違っている。75g缶は、まずしょう油の匂いがある。それも焦がしたような香ばしい匂いだ。それに対して260g缶はしょう油の匂いが控えめで、焦がしたような匂いも少なく、甘さを思わせる匂いがある。
○量は約3.5倍の違い
次に鶏肉の量を比較してみよう。同じ大きさの皿に、たれをのぞいた鶏肉を乗せて、同じ画角と距離で撮影してみた。
それぞれ75gと260gだから、単純に割り算をすると約3.5倍の違いがあるはずだけど、こうして見ると260gがやけに多く見えてくる。
「災害時にシェアして食べられるよう大容量にしました」とホテイさんは開発したそうだ。互助の精神であります!
○おいしさを保つための工夫
味と食感の違いはどうか? 75g缶はしょう油ファーストの香ばしい味で、肉の歯応え(弾力)は十分ある。
一方の260g缶は、しょう油よりもまろやかな甘さが先にあって、後味にわずかに香辛料のピリッとした味が残る。肉の歯応えは75g缶よりも強く、かつみずみずしさがあるのが特徴だ。
260g缶は防災備蓄用として開発され、賞味期間は75g缶の3年に対して5年もある(製造時から数えると5年6カ月)。同じたれ味でも風味が違うのは、5年の間おいしさを保つための工夫によるものなのだ。
缶詰情報
ホテイフーズ/やきとりたれ味260g 6缶で3888円(1缶648円、直販サイト価格)
同社直販サイトや小売店、ホームセンターなどで入手可
缶詰博士 かんづめはかせ 昭和41年福島県生まれ。公益社団法人・日本缶詰協会認定の「缶詰博士」。世界50カ国以上・数千缶を食している世界一の缶詰通。ひとりでも多くの人に缶詰の魅力を伝えたいと精力的に取材・執筆を行っている。テレビやラジオなどメディア出演多数。著書に「旬缶クッキング」(ビーナイス/春風亭昇太氏共著)、「缶詰博士が選ぶ!『レジェンド缶詰』究極の逸品36」(講談社+α新書)、「安い!早い!だけどとてつもなく旨い!缶たん料理100」(講談社)など多数。初のエッセイ本「缶詰だよ人生は」(本の泉社刊)も絶賛発売中!公式ブログ「缶詰blog」とFacebookファンページも公開中。 この著者の記事一覧はこちら

マイナビニュース

「缶詰」をもっと詳しく

「缶詰」のニュース

「缶詰」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ