やさしい世界。バーガーキングが高齢で亡くなった常連客に敬意を示し椅子に名を刻む

2025年3月9日(日)17時0分 カラパイア


 ご年配の人々にとって、地域の人々と触れ合える場所があるのは嬉しいことだ。アメリカではそんな場として、ファストフード店が利用されていることも多い。


 ミネソタ州にあるバーガーキングにも、毎朝お年寄りたちがコーヒーを飲みに訪れ、昔話に花を咲かせている。


 だが昨年、常連客男性が91歳で亡くなった。店の従業員は、彼がいつも座っていた椅子に名前を刻み、彼と過ごした時間を偲んでいる。


ファストフード店は高齢者たちの憩いの場


 舞台となったのは、ミネソタ州ノースブランチにあるバーガーキング・ノースブランチ店である。


 毎日同じ時間に同じ店に通っていると、自分と同じような常連たちと顔なじみになる。彼らはいつしか友人になり、毎朝の交流を楽しみにするようになる。


私たちは自分の家族よりも、彼らと一緒に過ごす時間の方が長いんですよ


 従業員たちはこう言って笑う。長時間コーヒーを飲みながら、他愛もない話に花を咲かせる常連たち。


 いつしか彼らと従業員たちは、家族のような絆で結ばれるようになっていった。 



亡くなった常連客がいつも座っていた椅子に刻印


 ジェリー・パーキンさんもその一人だった。長年にわたってこの店で、朝のコーヒーとおしゃべりを楽しむのが日課になっていたのだ。


 ジェリーさんは、2024年のある日、天国へと旅立って行った。91歳だった。彼の葬式にはバーガーキング、ノースブランチ店の従業員たちも参列した。


 ジェリーさんの娘のジェニーさんと息子のレオさんは、その時従業員たちが持ってきたある物を見てビックリした。


 彼らは父親がいつも座っていた、バーガーキングの椅子を持ってやって来たのだ。


ここがジェリーさんの席でした。彼は毎朝いつもこの椅子に座っていました。だから私たちは、この椅子を持って来なければならなかったんです



生前のジェリーさん


椅子には故人の名前と生没年が彫られることに


 従業員の1人、アシュリーさんはこう説明する。その後、朝のコーヒーの常連仲間、ケビン・ベネットさんの発案で、椅子の背もたれにジェリーさんの名前と生年・没年が刻まれることになった。皆が大賛成した。


 もちろん、バーガーキング本社の許可を得た上のことだ。店舗のゼネラルマネージャー、トム・デヘイブン氏は次のように語っている。


この椅子に名前を彫る許可は、バーガーキング社から得ています。フロアの椅子を誰かの記念にしたいという人は、今までは誰もいませんでした


 ジェリーさんは退役軍人で、バーガーキング、特にこのノースブランチ店が大好きだったという。90歳の誕生日は、この店でみんなが祝ってくれた。


 誕生日の王冠を被って、前列中央にいるのがジェリーさんだ。



最期の食事もバーガーキング


 そしてジェリーさんは、亡くなる前にも病床で、「ナゲットとクッキーとシェイクが欲しい」と息子のレオさんにリクエスト。


 結果的に、それがジェリーさんの最期の食事となった。


 娘のジェニーさんは父の葬儀から5カ月後、初めて父の愛したノースブランチ店を訪れ、「父の椅子」に座り、父が毎朝目にしていた風景を眺めた



 ノースブランチ店では、最近亡くなったもう1人の分も合わせ、2つの「思い出の椅子」が今も店内で常連客たちの輪に混ざっているという。



References: Burger King Staff Brings Chair To Funeral For Beloved Regular[https://www.sunnyskyz.com/good-news/5701/Burger-King-Staff-Brings-Chair-To-Funeral-For-Beloved-Regular]

カラパイア

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