年金を63歳からもらったら、月いくらになる?

2024年3月10日(日)8時10分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。今回は、年金を63歳からもらった場合、いくらもらえるのかについてです。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年金を63歳からもらった場合、いくらもらえるのかについてです。

Q:年金を63歳からもらったら、月額はいくら?

「私は65歳からの年金受給となる世代ですが、63歳ぐらいから年金の受給を開始したいと思います。繰上げ受給になりますか? 65歳から月額は17万円程度の年金ですが、63歳からもらうと、月いくらになりますか?」(58歳・会社員)

A:年金は減額され、月額15万3680円になります

老齢年金は、原則として65歳から受け取ることができますが、希望すれば60歳から65歳になるまでの間でも繰り上げて受け取ることができます。ですが、繰上げ受給の請求をした時点(月単位)に応じて年金が減額され、その減額率は一生変わりません。
65歳より早く受給開始すると、ひと月あたり0.4%減額されます(昭和37年4月2日以後生まれの人が対象。それ以前生まれの人は、ひと月あたり0.5%の減額)。
一度繰上げ受給すると取り消しできません。また現役時代、会社員だった人は老齢基礎年金と老齢厚生年金の両方をもらえますが、この2つの年金のどちらか一方ではなく、同時に繰上げ受給を行う必要があります。
65歳から月額17万円の年金を受け取れる相談者が、63歳から2年間(24カ月)早く受け取ると、年金額がいくらになるか計算してみます。
1カ月あたりマイナス0.4%(減額率=繰上げ請求月から65歳に達する日の前月までの月数×0.004)となりますので、24カ月早く受け取ると、24カ月×0.004=0.096(9.6%)が一生涯、減額されることになります。
よって17万円×(1−0.096)=月額15万3680円を受け取ることになります。
また、繰上げ受給をする時には下記のようないくつかの注意が必要です。
【1】年金額を増やすために国民年金に任意加入している方は繰上げ受給できません
【2】繰上げ受給中、障害年金はもらえません
【3】繰上げ受給中、配偶者が亡くなってしまうと、65歳になるまで遺族厚生年金(遺族共済年金)を併給できません
【4】その他、寡婦年金(国民年金の第1号被保険者として保険料を納めた期間(免除期間を含む)が25年以上ある夫が死亡した時に、10年以上の婚姻関係があり生計を維持されていた妻に60歳から65歳まで支給される年金)がもらえません
このように一度繰上げ受給すると取り消しはできませんし、一生涯もらえる年金額が少なくなります。万が一の時の生活の支えを失うことがあるかもしれません。慎重に判断しましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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