「若く見られたい」と求めすぎると悲しい結果に。「老い」とは、若者にはない風格のこと

2024年3月31日(日)17時30分 婦人公論.jp

人生100年時代、現役世代を駆け抜けた後はどのように過ごせばいいのでしょうか。精神科医の保坂隆先生いわく、人生後期は無理をせず「ほどほど」をキーワードに過ごすことが大切とのこと。『精神科医が教える 人生を楽しむ ほどほど老後術』より、日常生活を元気で楽しく暮らすための知識をご紹介します。

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実年齢より若く見られたい


50代も半ばを過ぎると、「お若いですねえ」の一言がとっても嬉しく感じられます。男女を問わず、誰しも若くありたいものですし、実際の年齢より若く見られたいと思う気持ちは同じでしょう。

一昔前にくらべて、いまは容姿も気持ちも、とてもその年齢とは考えられないほど若々しい人が多くなっています。でも、大事なのは、その若さがナチュラルなもので、不自然でないことだと思うのです。

年を重ねれば、当然体型は変わりますし、シワやシミなど皮膚の衰えも目立つようになります。最近は、そうした"老い"に対するエクササイズやフェイスケア商品、サプリメントなどがたくさん出回っています。

それらを利用してアンチエイジングのために努力をするのは悪いことではありませんが、無理をしてまでそれらに頼って若くいようとするのは、どこか不自然です。少しきつい言い方をすれば、若さにしがみついているようで、滑稽に見えることもあるのです。

衰えはあって当たり前


若い人が着ているからと、同じファッションを追い求める必要がありますか。メイクも、厚塗りメイクや派手なメイクで、若く見せる必要がありますか。

周囲の目には、「そこまでして若く見られたいのかなあ」「あ~あ、あんなに若ぶっちゃって」とあまりにも悲しい結果に映っているかもしれません。

これまで歩んできた年月は、それなりの風格も味も培ってきています。若い世代にはない、その風格や味を否定的にとらえるのは、自分の人生そのものを否定することにもつながるのではないでしょうか。

若さにしがみつかず、「衰えはあって当たり前。頑張って生きてきた自分の偽りのない姿よ。このままの自分で生きていくからね」というほどほどの姿勢でいたほうが、きっと心おだやかに生きられると思います。

こうして人生楽しく生きている姿を見れば、若い世代も「あんなふうに年を重ねられたらいいな」と思うはずです。

婦人公論.jp

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