皇居で見る「平成最後の桜」 一般公開中の「乾通り」を歩いてきた

2019年4月2日(火)6時0分 Jタウンネット


2019年4月1日、新元号「令和」が発表された。いよいよ5月1日から、「令和」の時代がスタートする。新しい時代への期待が膨らむ一方、去り行く平成をなごり惜しく思う人もいるのではないか。


現在、皇居・乾(いぬい)通りが一般公開中だ。通り沿いに植えられたソメイヨシノ、シダレザクラなど、約100本の桜を鑑賞できる、春恒例の行事である。めったに入れない皇居内で、平成最後の桜を楽しむことができる貴重な機会ということで、皇居・乾通りに行ってみることにした。以下は、Jタウンネット記者の体験記である。


出かけたのは、3月31日、新元号発表の前日。平成最後の花見をするのに、皇居ほどふさわしいところはないと思ってはいたが、まさかこれほどとは...。


一般公開は4月7日まで


3月31日は日曜日。いわゆる年度末で、平成30年度最後の日だ。なんだか平成最後の日のような錯覚をしてしまったが、まだ1か月もある。東京駅に10時頃到着し、皇居に向かった。3月も終わるというのに、なんだか肌寒い朝だった。


皇居に近付くと、長い行列ができていた。行列もすごいが、警備体制も半端ではない。中には警察犬を連れた警官もいた。検問所があり、手荷物検査を受け、携行品をチェックされて、前に進むことになる。飛行機に乗る時の検査に似ている。


検門を通過すると、坂下門に向かう。皇居東御苑には入ったことがあったが、坂下門を通って、皇居内に入るのは初めてだ。坂下門と聞くと、「坂下門外の変」を思い出す人もいるだろう。1862年、尊攘派の水戸浪士6人が老中安藤信正を襲撃した事件が起こったのは、ここである。


坂下門をくぐって、皇居内に入る。一般人はめったに立ち入れない場所なので、少し緊張する。しばらく進むと、左手に「宮殿」と書かれた案内板が見えた。その先には建物の一部が見えたが、こんなに近くまで入れるのかと少し驚いた。


宮内庁庁舎を左手に見て、乾通りを進むと、左右に桜が見えてきた。坂下門から乾門まで約750メートルの桜並木が続く。


この一般公開は、2014年、天皇陛下が80歳を迎えられたことを記念して、行われた。毎年春季の桜の時期と秋季の紅葉の時期に実施しており、2018年春の公開では約40万人が訪れた。


乾通りを行く人を見ると、年配者が多いのはもちろんだが、意外に若い人の姿も目立った。外国人観光客の数が予想以上に多いのも驚きだった。みんなカメラやスマホで撮影しながら楽しそうに歩いている。


乾門に向かって一方通行だから、あまり渋滞することはなく、スムーズに流れている。それでも冨士見多聞や道灌濠、門長屋、乾濠といったビュースポットでは、人だかりができていた。


なかでも人気があったのは、門長屋付近にあるシダレザクラだ。門長屋とは警備をする武士が控える場所だった。カメラを構えて動こうとしない人々で大混雑である。記者も、その中に割り込んだわけだから、人の悪口はけっして言えない。


桜並木の終盤、右手に乾濠が見えてきた。この辺まで来ると、さすがに空いている。お濠を背景に咲く桜がゆっくり鑑賞できた。東御苑の向こうに見えるのは、竹橋近辺のビル街だろうか。乾門を抜けたのは、11時過ぎ、小一時間の花見の散歩が楽しめた。


左に曲がり、千鳥ヶ淵に向かった。千鳥ヶ淵から吹上御苑を望みながら、お濠沿いの散策路を歩く。乾通りの桜はまだこれからという感じだったが、こちらの桜並木はほぼ満開だった。半蔵門方面に向かって歩く。人の数も多く、道の左右にはシートを敷いて、お弁当を広げている光景も見られる。そろそろお昼時だ。「ザ・花見」という雰囲気で満ち満ちている。


というわけで、記者も散策路脇のスペースを確保し、準備していたシートを広げて、お弁当をいただくことに......。しかも桜の向こうには、お濠をはさんで皇居が望める。平成最後の桜は、格別に美しかった。


天気予報などによると、今年の桜はまだまだ持ちそうだ。皇居・乾通りの一般公開は4月7日まで、入場は無料。


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