65歳になるまでは、会社員として、無理のない範囲で働こうと思います。年金がカットされない収入はいくら?

2024年4月5日(金)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。今回は、65歳まで働きたい会社員の「年金がカットされない収入」について、専門家が解説します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、65歳まで働きたい会社員の「年金がカットされない収入」についてです。

Q:65歳になるまでは、会社員として、無理のない範囲で働こうと思います。年金がカットされない収入はいくら?

「60歳(昭和39年生まれ)の女性会社員です。65歳になるまでは、会社員として、無理のない範囲で働こうと思います。年金も同時にもらいたいと思っておりますが、収入が高すぎると年金を減らされると聞きました。年金がカットされない収入はいくら?」(会社員・女性・60歳)

A:老齢厚生年金や特別支給の老齢厚生年金の基本月額と給与収入等(総報酬月額相当額)を合わせて50万円以下であれば年金はカットされません

60歳以降も会社員として働き、厚生年金保険に加入した場合、毎月の給与収入等(これを「総報酬月額相当額」といいます)と老齢厚生年金の基本月額(年額の老齢厚生年金を12で割ったもののこと)を足した金額が一定額(2024年度(令和6年度)からは50万円)を超えると、老齢厚生年金が一部、または全部支給停止となります。これを「在職老齢年金」といいます。
65歳になる前に、特別支給の老齢厚生年金を受け取り始める人も同様に、「在職老齢年金」の対象になります。相談者は、昭和39年生まれ女性とのことですので、4月2日以降の誕生日と仮定すると、受給要件を満たしていれば64歳から特別支給の老齢厚生年金(報酬比例部分)が受け取れます。
「在職老齢年金」では、令和6年度の支給調整額で考えた場合、老齢厚生年金や特別支給の老齢厚生年金の報酬比例部分の基本月額と月収(総報酬月額相当額)を合わせて50万円以下におさめれば、年金はカットされません。50万円を超えた場合は、超えた分の2分の1の金額が、年金から差し引かれます。計算式は以下の通りです
在職老齢年金による調整後の年金支給月額の計算式
・基本月額−(基本月額+総報酬月額相当額−50万円)÷2
計算した調整後の年金支給月額が、マイナスになった場合は、加給年金額も含め、老齢厚生年金は、全額支給停止になります。老齢基礎年金と経過的加算額は在職老齢年金の対象ではないため全額支給されます。
自分がいつから年金受給ができるのかなどについては、「ねんきんネット」や年金事務所等で確認してみましょう。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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