その手のしびれは危ない?重大な病気が隠れている可能性も 受診の目安と予防法を医師が伝える

2023年4月12日(水)17時0分 ココカラネクスト

 手のしびれに悩む女性は少なくありません。この記事では、更年期の女性に多くみられる「手のしびれ」の原因と、解消するための対策について、医師の監修のもとご紹介します。

更年期に入り、手のしびれが気になる方は、ぜひ参考にしてみてください。

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1.更年期に起こりやすい「手のしびれ」

まずは、手のしびれの原因と受診の目安について、詳しく解説します。

1‐1.手のしびれが起こる原因

更年期に起こりやすい手のしびれの原因は、主に女性ホルモンであるエストロゲンの減少によるものです。エストロゲンが急激に減少すると自律神経が乱れ、血行不良や筋肉の緊張が起こり、手のしびれを強く感じるようになる可能性が高くなります。
また、エストロゲンの減少が進むと、皮膚のバリア機能が低下し乾燥しやすくなります。そのため刺激に敏感になり、しびれやすくなるともいわれているのです。(※1)

1‐2.更年期に出やすい手指の症状

更年期にあらわれやすい手指の症状には、下記のようなものがあります。

●手や指がしびれる
●手指に力が入らない
●皮膚の表面がピリピリする
●手や指先が無意識に動く

1-3. 片方だけしびれる場合はすぐに受診を

片方だけ手指がしびれる場合は、脳出血や脳梗塞の可能性があります。初期症状には、片側のしびれ以外にも口の周りのしびれ、吐き気や頭痛などの症状がみられます。これらの警告サインは見逃さないようにしましょう。
片側だけしびれる場合は、早急に医療機関を受診してください。

2.更年期の手のしびれを軽減する方法

更年期の手のしびれを緩和するには、血のめぐりをよくすることが重要です。ここからは、手のしびれを軽減する3つの方法をご紹介します。

2‐1.からだを温める

しびれを緩和するには、日常生活でからだを温めることが不可欠です。中でも3首と呼ばれる「首」「手首」「足首」を保温することで血液の循環を促進し、からだを温めることができます。家の中にいるときは、手首を温めるアームウォーマーやサポーターなどを利用するのがおすすめです。

2‐2.血行をよくする栄養素を摂る

血行をよくする栄養素を積極的に摂ると、手のしびれの緩和につながります。
おすすめの栄養素は、以下のとおりです。

●ビタミンCはコラーゲン合成に必要な栄養素であり、血管を丈夫に保つのに役立つ
●ビタミンEは、血液循環を改善するのに役立ち、血栓を予防する効果が期待できる
●エクオールは、豆腐や納豆などの大豆製品に含まれるイソフラボンで、血行を促し、更年期によるしびれの緩和に期待できる

食事で摂ることが難しい場合は、サプリメントなどを取り入れるのもおすすめです。

2‐3.運動習慣をつける

運動は、筋肉の活性化や血行の改善につながるため、手のしびれを軽減することが期待できます。まずは、自宅でできるマッサージやストレッチなど、日常生活に取り入れやすいものを選ぶことをおすすめします。からだを動かすことに慣れてきたら、ウォーキングやヨガなどの軽い運動を続け、運動習慣をつけていきましょう。まずは、できることから少しずつ続けて行くことが大切です。

3.更年期の手のしびれには漢方もおすすめ

更年期のつらい手のしびれには、漢方薬を取り入れるのもおすすめです。

更年期の手のしびれの原因は、血行不良やホルモンバランスの乱れ、末梢神経の異常、水分代謝の低下、疲労などが考えられます。

更年期の手のしびれを解消するには以下のような働きをもつ漢方薬が用いられます。

●血流をよくして、神経の機能を回復させる
●ホルモンバランスの乱れを整える
●水分の循環をよくして老廃物や疲労物質を排出する

漢方薬は、手のしびれの根本改善を目指せるので、繰り返すしびれでお悩みの方におすすめです。

ここからは、手のしびれにおすすめの漢方薬をご紹介します。

<手のしびれでお悩みの方におすすめの漢方薬>

疎経活血湯(そけいかっけつとう)
手のしびれや痛みがある方に。血(栄養)の流れをよくすることで、痺れや関節痛、神経痛に働きかけます。

当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん)
貧血気味で冷え症の方に。滞った血液の流れを整えることで、しびれや神経痛を緩和します。

漢方薬は副作用が少ないといわれていますが、初めての方はどの漢方薬が自分に合っているのか判断に迷うかもしれません。

そんな方におすすめなのが、漢方相談サービスです。「あんしん漢方」は、漢方に詳しい薬剤師にスマホで気軽に相談ができ、自分に合う漢方薬を選んでもらえます。

●あんしん漢方

4.手のしびれを軽減して、快適な毎日を取り戻そう!

からだを温め、血行をよくすることで、更年期による手のしびれの緩和に期待ができます。しびれは更年期によくみられますが、脳血管障害のような重大な病気が隠れている可能性もあります。そのため、自己判断するのではなく、できるだけ早い段階で医療機関を受診しましょう。

参考サイト:
(※1)健康長寿ネット「更年期の運動の効果」公益財団法人長寿科学振興財団

[文:あんしん漢方]

医師 木村 眞樹子(きむらまきこ)

都内大学病院、KDDIビルクリニックで循環器内科および内科に在勤。総合内科専門医・循環器内科専門医・日本睡眠学会専門医。産業医として企業の健康経営にも携わる。
自身の妊娠・出産、産業医の経験を経て、予防医学・未病の重要さと東洋医学に着目し、臨床の場でも西洋薬のメリットを生かしながら漢方の処方を行う。
症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でもサポートを行う。

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