【アイオケ】スマホで撮影されたアイドルMVが国際映画祭で世界一に
2025年4月16日(水)14時0分 ガジェット通信
【アイオケ】スマホで撮影されたアイドルMVが国際映画祭で世界一に
今年で8回目を迎える、スマートフォンで撮影された映像作品の国際映画祭 “Dublin SmartPhone Film Festival”が受賞作を発表。日本のアイドルMV『アイドルイノベーション』がミュージックビデオ部門の頂点に輝いた。
映像クリエイターの自由研究として制作されたアイドルMV
5名のボーカルとバイオリン、サックス、トランペット、フルート、パフォーマーで構成される異色のアイドル、アイオケの『アイドルイノベーション』MVは、通常のミュージックビデオとは異なり、昨年夏に映像クリエイターの自由研究として制作された。
監督の佃尚能と撮影の江部公美、照明の小田巻実が研究テーマとして選んだのは「スマホだけで商業クオリティの映像制作ができるか?」中でも特に、スマホが苦手とする〈暗いシチュエーション〉〈逆光〉〈グラデーション〉に挑み、当時の最新機種であったiPhone 15 Pro MAX 3台を使用して撮影を敢行した。
その成果は、映像業界でも話題を呼び、映像専門誌『VIDEO SALON』2025年1月号でも特集され、3月31日発売のMOOK本『スマートフォン・フィルムメイキング』(玄光社)でも取り上げられている。
アイオケメンバーたちは、巨大なクレーンの先につけられた小さなスマホに違和感を覚えながら撮影したが、完成したMVを見て「映画みたい!」と驚いたと言う。
アイルランドの国際映画祭で最優秀MV受賞
通常、ミュージックビデオが映画祭で上映されることは少ないが、この作品は映画的な作りも評価され、スマホ撮影作品に特化したアイルランドの国際映画祭 “Dublin SmartPhone Film Festival” のノミネート作品25本に選出。3月29日にアイルランドの首都ダブリンで上映され、見事、最優秀MVを受賞した。
“Dublin SmartPhone Film Festival” は「手のひらで脚本を書き、撮影し、編集し、映画を販売できれば可能性は無限になる」というコンセプトの下で、まだスマホ撮影がメジャーではない8年前に創設された映画祭。
フェスティバル・ディレクターで、スマホ撮影の第一人者でもあるロバート・フィッツヒューは「遊び心ある構成と刺激的な映像でスマートフォン撮影の限界と可能性を押し上げる、斬新なセンスの作品。まさに、この映画祭が求める<発明精神>の賜物だ」とコメント。
審査員からも「野心的で、楽しくて、絶対に忘れられない作品」「伝統とテクノロジーの融合が素晴らしい」などの評価が寄せられた。
現地参加できなかったアイオケメンバーも事務所に集まり、受賞に歓喜。「いつかアイルランドでライブができるように頑張っていきたい!」と志を新たにした。
◇ アイオケメンバーの受賞コメント映像 ◇https://www.youtube.com/watch?v=xb53n4mxxBU
監督コメント「誰もがプロと同じ撮影機材を使える時代」
『アイドルイノベーション』の監督を手掛けた佃尚能氏は、本誌のインタビューに
「高価なカメラを使わなくてもこれぐらいの映像は作れる、ということを証明できた。生成AIなども含めて、誰もがプロと同じツールを使える時代なので、プロやアマチュアの垣根を越えて、面白い映像作品がどんどん出て来て欲しい。そして、世界戦でも戦えるんだぞ!ということを示せたのは嬉しい」と語った。
佃監督は、4月13日から開幕する大阪・関西万博にも個人制作したプロジェクションマッピング作品を提供しており、7月からEXPOホール「シャインハット」外壁面で上映される。
(写真:中野愛子)
アイオケ『アイドル・イノベーション』MVhttps://www.youtube.com/watch?v=WMzZwsCG3wo
【作詞】かんのじゅリ。 【作曲】AZU
【出演】〈アイオケ〉根本流風、JIN、三田萌日香、安里 唯小林萌夏、真田真帆、Kurumi、大野まりか、草凪美海甘宮さら、ゆゆ・THE・エクスカリバー
【スタッフ】 振付:田渕友夢撮影:江部公美 照明:小田巻実 特機:佐川敬一(TOKKI WOLF)音響:長 将司 (OSA Stage Arts)MA:加藤恵介 造形:JUN-1カラリスト:大淵友加(虎徹)プロデューサー:五十嵐圭
スチル:中野愛子 衣裳:加藤由紀子メイク:NOBU タマゴ 菅原のあ 小澤吹羽応援:片桐章太郎 高田祥吾 山田壮真 蜂須賀太球 岡野茜音 西沢賛美 (武蔵野美術大学)協力:国土交通省 霞ヶ浦導水工事事務所 いばらきフィルムコミッション
監督・編集:佃 尚能
(執筆者: 荏谷美幸)