あのヤンマーが飲食業界に本格参入!? 東京駅前にオープンした“お米を使ったイタリアン”とは?

2023年4月17日(月)10時50分 食楽web


食楽web

●産業機械メーカー『ヤンマー』が飲食業界に本格参入。『ASTERISCO(アステリスコ)』の“お米を使ったイタリアン”をいただきつつ、その実態に迫る!

 産業機械メーカー『ヤンマー』。一般的には、往年の名CM『赤いトラクター』(小林旭)や『ヤン坊マー坊天気予報』を連想する人が多いかもしれません。もちろん、『ヤンマー』は今日も変わらず農業機械を製造する一方、製造業だけにとどまらず、新発想を柔軟に取り入れ「日本の農業」に貢献するあらゆる取り組みを展開しています。

 そんな中で、グループ企業として設立されたのが「ヤンマーマルシェ」。食材の生産から加工・流通・消費まで「食のバリューチェーンを一貫して支える」テクノロジーとサービスを提供すべく事業をスタートさせました。同社では新しいお米の価値を提供するために、今年1月、東京駅前『ASTERISCO』というイタリアンレストランをオープン。“お米を使ったイタリアン”といえば、確かにリゾットなどがありますが、ここ『ASTERISCO』ではさらに多くの料理に「お米由来」のものを取り入れているとのこと。

 今回は、同店のランチメニュー「グランデ」というコース料理を実食し、その実態に迫ります。

東京駅前のヤンマーのビルは「お米の魅力」の発信地


ラグジュアリーな石造りのファザード

『ASTERISCO』があるのは、東京駅の八重洲口のまん前に構えるビル「YANMAR TOKYO」。その名の通り、同ビルはヤンマー所有のもので、ヤンマー米ギャラリーと呼ばれる一般来館者向けスペースにはトラクターや、農業にかかわるさまざまな展示があり、楽しみながら学べる体験型ギャラリーとなっています。また、「お米」にまつわる複数の飲食テナントが入っており、コンセプチュアルな構成です。

 このビルの2階に『ASTERISCO』があり、その入口は石造りの外観でラグジュアリーかつ落ち着いた雰囲気を醸し出していました。さっそくお店の中へ入ってみましょう。

抜けの良いフロアとオープンキッチン。お米は巨大釜で炊飯


(左)調理の様子が客にも見えるオープンなキッチン。(右)巨大釜でお米を炊くこだわりよう

 フロアスペースは、広く圧迫感を全く感じさせません。また、厨房はオープンキッチンになっており、こちらも抜けが良く心地よい雰囲気。特筆すべきは、お米を炊いている巨大釜で、ここは「お米+イタリアン」ならでこその矜持のようにも感じました。

各メニューにはどこかに「お米」が使われている


木製の器に入ったべジブロスと呼ばれるスープ

 筆者が訪れたのはランチ時間内。ランチのコースは2000円からありますが、『ASTERISCO』のポテンシャルを存分に味わうために、一番高いランチコース「グランデ」(4800円)をオーダーしました。

 オーダーから数分後、コース料理の一品目、「べジブロス」と「ウェルCOMEサラダ」がサーブされました。「べジブロス」とは、サラダなどに使用した野菜の皮などから出汁を取ったスープで、フードロスを意識した料理。苦みや渋みなどはいっさいなく、野菜の素材を感じる優しい味わいのスープでした。


「色とりどりのウェルCOMEサラダ」

 続いて「ウェルCOMEサラダ」。ワンディッシュに蓮根の米糀のサラダが乗り、さらにその横に「お米とマグロのリゾット」が添えられています。フレッシュなサラダとお米のコントラストは、他のイタリアンではあまり見られないもので、主人公であるお米の味わいをさりげなく引き立てているように感じます。ちなみに「ウェルCOMEサラダ」とは、その名の通り「COME」は「米」とかけているのだそうです。

見た目も味も抜群のリゾットと生春巻き


まるで花束のような生春巻き

 続いて「TERIYAKIチキンの花束生春巻き」がサーブされました。その名の通り「花束」を模した生春巻きで、照り焼きチキンがライスペーパーに巻かれ、塩麴のソースが使用されているといます。ここでもまた「お米」を使った斬新な一品を味わえるわけですが、これがまた美味。中のチキンが柔らかく、食用花のフレッシュな味わいともマッチした一品でした。


お米を食べて育った鶏の卵を使用したリゾット

 続いて、「ホワイト卵とトリュフのリゾット」。ランチコース「グランデ」では、「本日のパスタ(+200円で米粉パスタに変更可)」「ホワイト卵とトリュフのリゾット」「本日のカレー」のうちから、どれか一品を選択するシステムで、筆者はリゾットをチョイス。目の前でスタッフの方がトリュフを削り、リゾットの上にかけてくれます。コク深く濃厚な味わいで、口の中でトリュフとリゾットが贅沢に広がっていきます。ちなみに「ホワイト卵」を産む鶏は、お米を食べて育っているとのこと。どこまでも「お米」へのこだわりを感じられるメニューです。

和牛肉、ドルチェ、カフェもやっぱり「お米」素材が使われていた!


米麹ソースがかけられ、肉本来のうま味を引き出す和牛肉

 そして、ついにメイン料理「和牛のグリル」が登場。ランチコース「グランデ」では、「真鯛のトマト西京味噌焼き」か「和牛のグリル」どちらかを選択するのですが、筆者は和牛をチョイスしました。

 厚めにカットされた和牛を、絶妙の火加減で焼き上げた一品で、米麹のソースがかけられています。和牛本来の旨みが見事に引き出されており美味。その柔らかい食感を、大切に噛み締めながらいただきました。


お米を使用したタルトとパンナコッタ

 多種多様なお米由来のイタリアンに舌鼓した後、最後にドルチェとカフェをいただきました。「ドルチェの盛り合わせ」のタルトはお米が材料となっており、カリとした食感とモチっとした食感が絶妙。上に乗ったクリームソースの程よい甘さともバランスが良く上品な味わいは、シメにピッタリの一品でした。

 また、デザートと一緒に提供されたカフェは、玄米とコーヒーがブレンドされたもので、カフェインレス。贅沢な「グランデ」のシメを飾るにふさわしい1杯でした。

●まとめ:『ヤンマー』がオープンさせた『ASTERISCO』は、お米とイタリアンが見事に融合した、“新しさとサステナビリティ”を感じるレストランだった!

『ASTERISCO』は「お米」と食材を大切にし「日本食」の魅力を見事にイタリア料理に変身させた絶品レストランでした。また、メニューの随所に「新しいおいしさ」「サステナビリティ」を感じさせる点も興味深く、これまでになかった食体験を提供してくれるお店でもありました。最後に『ASTERISCO』を運営するヤンマーマルシェ・担当者にも話を聞いてみました。

「『ASTERISCO』は、今年1月の東京駅八重洲口直結という利便性から観光客の方も立ち寄りやすく、ビジネス(周辺に勤務されている)の方もランチ予約でたくさん利用していただいております。2000円からの手に届きやすいコースでご提供しておりますが、いずれも『お米』に関わるメニュー(リゾットや米粉を使ったパスタ等)が特徴で、イタリア料理をベースにしながらも、創作性の高い料理ばかりをラインナップしています。見た目・味ともに満足していただけております。

夜はワゴンサービスで季節ごとの旬の食材を活かした小皿メニューを提供する『YUMCHAスタイル』もお楽しみいただけます。ぜひランチ・ディナー双方でご来店いただき、『お米』の魅力と味の楽しさを感じていただければ幸いです」(担当者)

(撮影・文◎松田義人)

●SHOP INFO

店名:ASTERISCO

住:東京都中央区八重洲2-1-1 YANMAR TOKYO 2F
TEL:03-3277-6606
営:11:30〜15:30(L.O.14:30)、17:30〜22:30(L.O.21:30)
休:不定休

食楽web

「ヤンマー」をもっと詳しく

タグ

「ヤンマー」のニュース

「ヤンマー」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ