1年間厚生年金保険に入ると、毎月、保険料はいくら引かれ、将来もらえる年金額はどのくらいアップするのか?

2024年4月21日(日)18時30分 All About

年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人も……。今回は、年収120万円で1年間厚生年金保険に加入した場合の「将来もらえる年金額」と「毎月の保険料」について、専門家が解説します。

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老後のお金や生活費が足りるのか不安ですよね。老後生活の収入の柱になるのが「老齢年金」ですが、年金制度にまつわることは、難しい用語が多くて、ますます不安になってしまう人もいるのではないでしょうか。そんな年金初心者の方の疑問に専門家が回答します。
今回は、年収120万円で1年間厚生年金保険に加入した場合の「将来もらえる年金額」と「毎月の保険料」についてです。

Q:1年間厚生年金保険に入ると、毎月、保険料はいくら引かれ、将来もらえる年金額はどのくらいアップするのか?

「繰り上げ受給で60歳から老齢厚生年金と老齢基礎年金を1カ月当たり4万8000円ほどもらい、パート年収が120万円ほどの主婦です。毎月、社会保険料はいくら引かれますか? 1年間厚生年金保険に入ると、将来もらえる年金額はどのくらいアップするのですか?」(Rさん)

A:相談者が負担する社会保険料は月額1万4641円。将来もらえる年金額は6923円増えます

まず、社会保険料(厚生年金保険料、健康保険料、介護保険料)は、加入している社会保険の保険料額表によって、標準報酬月額(毎月の給与を一定の金額幅で区切った額のこと)の等級ごとに設定されています。
例えば、協会けんぽ(2024年(令和6年)度保険料額表(東京都))では、健康保険料は11.58%(介護保険料を含む)、厚生年金保険料率18.3%を標準報酬月額に掛けた保険料額が決められています。給与から天引きされる社会保険料は、厚生年金保険料、健康保険料、40歳以上は介護保険料を合算して天引きされます。
相談者の年齢は、60歳と仮定します。パート年収が120万円とのことですので、12カ月で割って月収にすると10万円になります。そこで協会けんぽの保険料額表を参考すると、標準報酬月額は9万8000円(報酬月額9万3000〜10万1000円)の等級に該当します。健康保険料は1万1348円で本人負担分は半分の5674円(介護保険料含む・1円未満四捨五入)となり、厚生年金保険料は1万7934円で本人の負担は半分の8967円となります。
つまり、相談者の毎月の給与から天引きされる社会保険料は、5674円(健康保険料と介護保険料)+8967円(厚生年金保険料)=1万4641円です。
次に、相談者が1年間厚生年金保険に加入した場合の、将来もらえる老齢厚生年金の受給額(報酬比例部分)がどれくらい増えるのか、計算してみたいと思います。
今回は、相談者が月額10万円(賞与なし)、厚生年金保険に1年間加入した場合の老齢厚生年金の受給額を計算します。
●計算式(※従前額保障で、2003年4月以降の計算式を使います)
2003年(平成15年)4月からの期間の平均標準報酬額(月給+賞与)×5.769/1000×2003年(平成15年)4月以降の厚生年金保険加入期間
10万円×5.769/1000×12カ月=6922.8円(年額)
6922.8円(年額)を月額に直すと約576円。つまり相談者は1カ月当たり約576円、年額6923円、もらえる年金額が増えることになります。
監修・文/深川 弘恵(ファイナンシャルプランナー)
都市銀行や保険会社、保険代理店での業務経験を通じて、CFP、証券外務員の資格を取得。相談業務やマネーセミナーの講師、資格本の編集等に従事。日本FP協会の埼玉支部においてFP活動を行っている。
(文:All About 編集部)

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