【夜行バスの旅】バスタ新宿から片道約8時間「ソメイユプロフォン」で徳島市に行ってきた / 日本初の寝台夜行バスでいざ四国へ!
2025年4月21日(月)13時0分 ロケットニュース24
「バスタ新宿」を21時55分に出発したソメイユプロフォンは、翌朝6時にJR徳島駅バスターミナルに到着。というわけで、夜行バスの旅「金沢編」「弘前編」につづいて「徳島編」の始まりである! 観光も仕事も思いっきり楽しんできたぞ〜〜〜!
・ソメイユプロフォンで徳島へ
メチャメチャ狭かったけどよく眠れた。慣れてしまえば、リクライニングよりもフルフラットの方が絶対に楽。耳栓とアイマスクをすれば別にいつもと変わらなかったし。3列シートの真ん中だったので寒さを感じることもなかった。
バスは予定通り、朝6時に徳島駅に到着。天気は晴れ。とりあえず急ぐ必要もないので駅構内へ。
徳島駅は有人改札だった。自動改札機が設置されていないので駅員さんに乗車券を見せる必要がある。有人改札を知らない世代はこの光景に衝撃を受けることだろう。
旅の安全を祈って「無事カエル」を撫でておいた。もしかしたら帰る時に撫でるものなのかもしれない。まあ出発時に撫でても効果はあるだろう。
徳島といえば「阿波踊り」で有名。駅前の郵便ポストの上には躍動感あふれる「阿波踊りの像」が乗っていた。金沢駅のポストには「郵太郎」、弘前駅のポストには「りんご」が乗っていたが、これらは “ご当地ポスト” と呼ばれるものらしい。勉強になります。
・レンタサイクル
さて、徳島駅前の地下駐輪場では朝6時からレンタサイクルが利用できるそうだ。夜行バスとの相性バッチリである。
案内によると、料金は電動タイプを1日(22時まで)借りて600円。安い。さっそく手続きをして1台レンタルした。いざ出発!
商店街を抜けると「水の都・徳島」のシンボル・新町川が見えてきた。これ以上ないほど爽やかな景色。『ズームイン朝』のタイトルが出てきそうなほど穏やかな朝である。
そして正面に見えるのが、同じく徳島のシンボル的存在・眉山(びざん)だ。「眉のごと雲居に見ゆる阿波の山」と万葉集にも詠まれている。つまり「眉のような形をしている山」ってこと。昔の人は想像力が非常に豊かである。
・銭湯へ
そんなこんなで、まず向かったのは「新町温泉」なる地元の銭湯。朝6時から営業していて入浴料は450円。調べたところ、創業は1950年とのこと。
小タオルを1枚レンタルして490円。塩風呂・薬湯・超音波風呂・打たせ湯・サウナ・水風呂と朝から超贅沢。お湯の温度も高めでしっかり目が覚めたし、夜行バスの疲れも完璧に吹き飛んだ。さらに……
銭湯前の自販機で「徳島珈琲」を買うことで完璧にととのうのだ。
阿波和三盆糖を使用したらしく香り豊かで濃厚な味。ひさしぶりに飲んだ缶コーヒーは「風呂上がり」というタイミングも込みで最高だった。
・スペシャルバーガー
まだ7時半だが、調べたところ駅近くの「たかしまコーヒー店」はもう営業を始めているらしい。地元の銭湯からの地元の喫茶店……いい流れだ。腹も減ったところだし朝食にしよう。
「来る人には良い味を。去る人には幸せを」という旅情を誘うキャッチコピーがたまりませんね。
昭和30年代創業の老舗で、人気メニューは「スペシャルバーガー(650円)」とのこと。その正体はハンバーグ・ハム・たまご・チーズ・野菜をカリッと焼いたパンで挟んだホットサンドだった。食べ応え抜群で大満足……!
・日本一低い山
地図アプリを確認して次の目的地を決めることにした。どうやら約6.5km離れた場所に「日本一低い山」があるらしい。電動チャリなら余裕だし行くか!
お遍路さんを見かけるのも四国ならではの光景。ちなみに私が向かっている方向とは逆だが、徳島県には四国八十八ケ所霊場巡りのスタート地点・第1番札所「霊山寺(鳴門市)」がある。
風もなく、絶好のサイクリング日和。喫茶店から約20分かかったものの、ついに……
標高6.1mの日本一低い自然の山「弁天山」に到着。標高6.1mにちなんで毎年6月1日には山開きが行われているらしい。とはいえ、山開きに関係なく365日24時間登山可能とのこと。
自然の山ながら遭難者や行方不明者がゼロということで「安心安全のご利益」があるとされている。実際に登ってみたところ……
普通に歩いて約12秒で登頂。
記念に登頂証明書と御朱印をいただいた。それぞれ100円、もちろんセルフである。自転車で20分かけてやってきたのに12秒で登山が終わるとは……地元のおじちゃんに「また来てな!」と言われて思わず笑ってしまった。
・水都
徳島は「水都」と言われるだけあって川が多い。
市内には吉野川とその支流で形成された138もの河川が流れているという。目の前を流れているのは「園瀬川(そのせがわ)」。
自転車を走らせてふたたび駅方面へ。道中「金ちゃんヌードル」でおなじみ徳島製粉の本社工場も発見。おおおおお……!
阿波おどり会館が見えてきた。世界に誇る徳島の阿波おどりをいつでも楽しめる施設である。
・眉山天神社
「昼の阿波おどり」が11時から始まるらしく、まだ少し時間があったので会館の隣にある眉山天神社へ。創建文化6年(1809年)と伝わる神社で、御祭神は学問の神様・菅原道真。合格祈願や学業成就の御利益があるそうだ。
境内で「ラジオ体操の像」を発見……右手がえげつないほどグルリと回転している。もしかすると達人の域に達した「伝説のラジオ体操おじさん」なのかもしれない。
せっかくなので、おみくじを引くことにした。面白そうなおみくじを2種類発見。「大吉か凶か、ふたつにひとつの吉凶福みくじ」と「末金運から最大金運までわかる金運みくじ」。
まずは吉凶福みくじ。大吉か凶か……
ふたつにひとつ。いざ、運試し……
大吉!
さらに金運みくじは「最大金運」を引いたようだ。最高ですね。湯船に日本酒を入れると金運が上がるらしい。覚えておきます。
・阿波おどり会館
いよいよ阿波おどり会館へ。「昼の阿波おどり」「阿波おどりミュージアム」「眉山ロープウェイ」のセットが大人2640円。
「今の時間だったら先にミュージアムを見学して、11時に阿波おどりを楽しんで、そのままロープウェイで眉山の頂上から市街地を見渡してみては」とスタッフの方。はい、そうします!
ミュージアムは阿波おどりの起源や歴史についての展示だけでなく……
体験コーナーも充実していて、ゲーム形式で太鼓を叩くこともできるし……
等身大のモニターに自分の姿を映せば、総踊りの先頭で踊っているかのような写真も撮れるぞ。記念に1枚パシャリ。
・昼公演
そんなことより、専属連「阿波の風」の公演は感動的だった。連(れん)とはグループのこと。本場の阿波おどりは豪快かつ繊細……もう本当に終始圧倒されっぱなし。
気づいた時にはステージ上で輪になって一緒に踊っていたのだから、もう完全に虜になってしまったと言っていいだろう。お盆の本番もいつかぜひ鑑賞してみたい。
・眉山ロープウェイ
阿波おどり会館から眉山山頂を往復する「あわぎん 眉山ロープウェイ」。聞くところによると、つい最近ゴンドラが新調されたらしい。15分おきに運転していて山頂までは約6分とのこと。
展望台からは市街地が一望できる。天気が良ければ鳴門海峡や淡路島、和歌山県まで見渡せるらしく、四国を代表する夜景スポットとしても人気だという。なるほど完全にデートスポットですね。
・徳島ラーメン
昼食は徳島ラーメン1択と決めていたので、阿波おどり会館から自転車で5分もかからない場所にある超人気店「中華そば いのたに」へ。平日にも関わらず、駐車場には県外ナンバーがズラリと並んでいた。けっこう並ぶかもと思ったら……
これはヤバい。
激混み確定のシルエット。食券を購入したら席が空くまでカウンター席を囲むように並んで待つスタイルらしい。まるで観客席。注文したのは800円の「中肉(中華そば肉入り)」だ。壁には元首相の写真も。
5分ほどで席に案内されると、すぐにラーメンがやってきた。焦げ茶色のスープに甘辛く煮た豚バラ肉、ネギ、メンマ。明らかにただものではないオーラが漂っている。生卵をトッピングするのが定番らしいが……なくても凄かった。
もちっとした自家製麺に甘さを感じさせる濃厚な豚骨醤油スープがよく絡む。豚肉の旨味も溶け出し絶品スープと融合。とんでもなく美味しい。白ごはんとセットで頼む方が多かったが、次来るなら間違いなく生卵と白ごはんをセットで注文するだろう。うまかった!
・ひょうたん島クルーズ
食後に「ひょうたん島クルーズ」に乗ることにした。山頂からも川面からも街の景色を楽しめるのが面白い。
1周約30分で大人600円。平日の昼間ということで空いていた。解説付きで面白かったぞ。
・街歩き
下船後、仕事をするために駅を目指した。途中で鉄板焼き店を見つけたのだが……
電話番号の語呂合わせが「897(吐くな)」はヤバい。こういうパターンもあるんですね。
それはさておき、駅前のショッピングセンター「アミコ」の1階にある大判焼き専門店「あたりや」が人気らしい。たまたま空いていたし1個100円だったので買ってみたら……
信じられないほど美味しかった。見た目も味も洗練されていてビビる。手頃な価格はもちろん添加物を使用していない自家製あんこが人気の理由だそうだ。このレベルのおやつはなかなかない。
・仕事
まだ14時前。駅ビル1階のスタバで仕事をすることにした。夜行バスなら早朝から観光できるし1日をフル活用できる。このまま夕方まで仕事をして……
仕事がひと段落したタイミングで自転車で街中を散策し……
夕飯は「はやしのお好み焼き」で「豆天玉(1080円)」を食べた。
甘く煮た金時豆を生地に混ぜ込んで焼く徳島名物。豆のほっくり感と甘みがやや辛めのソースとメチャメチャ合う。これはクセになる味だ。生地がふっくらもっちりしていて美味しかった。けっこう並ぶので早めに行くと良いかもしれない。
・自転車を返却
駅前の地下駐輪場に自転車を返して、予約をしている宿まで歩いた。サウナ & 大浴場付きで1泊3500円だからコスパは高いだろう。詳しくはまた別の機会にレポートしたい。
・夜の徳島
そういえば、宿の近くで「阿波おどりカラクリ時計」を見つけたが、残念ながら故障中らしい。サザエさんみたいなシルエットが可愛らしくて和む。
カラクリ時計の前には「萬作」という名の ひと目で名店だと分かる手打ちうどん店があった。歓楽街が近いし飲んだ後のシメに人気なのだろう。つまり旅のシメにもいいってことだ。
シンプルな「たらいうどん」が人気っぽいが「天ぷらぶっかけうどん(1100円)」を注文。コシの強い麺もサクッとした天ぷらも最高にうまかった。
・レンタサイクル最高
そんなわけで今回は、レンタサイクルをフル活用して徳島市を満喫した。阿波おどりが楽しめるのは夏だけかと思いきや年中楽しめることが分かったし、眉山やひょうたん島クルーズも最高だった。地元グルメも堪能したうえに仕事までできて大満足である。
徳島はふらっと訪れても楽しめる街なので機会があればぜひ足を運んでみてほしい。鳴門も三好も行きたいから今度はゆっくり旅行したいと思う。徳島県最高ーー!
執筆:砂子間正貫
Photo:RocketNews24.
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