トップ営業マンたちが共通して押さえていたコミュニケーションのポイントとは…理想の人生を手に入れるのに必ずしも<うまい話し方>は必要ない

2024年4月22日(月)10時35分 婦人公論.jp


初対面の集まりで話が途切れても大丈夫?(写真提供:Photo AC)

「口下手なのに成功する人はどこが違う?」「いつも自分の側で話が途切れてしまって……」等々、話し方に関する悩みは尽きません。一方、経営コンサルタントとして3万人以上の起業家を支援、全国で講演を続ける今井孝氏も「実は僕もそんなに上手に話せる方ではない」とのこと。口下手でもビジネスを成功させてきた今井さんが記した『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』からポイントを厳選してお伝えします。

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理想の人生を手に入れるのに「うまい話し方」は必要ない


以前、ある経営者の集まりに出席した時のことです。場所はイタリアンレストラン。6人掛けのテーブルで経営者たちが話していました。

成功している人ばかりなので、みんなエネルギッシュだろうし、情報交換も兼ねていろんな会話が飛び交うものと想像していました。

しかし、同じテーブルになったメンバーの中に、とても寡黙な人がいました。
ちょっと口べたなだけかと思ったら、2時間ほど本当にしゃべらず、話を聞いているだけなのです。

他のメンバーは彼を知っているようで、特に気を使うこともなく話していました。あとであいさつをしたところ、彼は多数の社員を抱える会社の経営者でした。

私と話す時も、彼は照れくさそうにはにかみながら、聞かれたことに答えるぐらいでした。こんなに静かで寡黙な人でも、何十人もの従業員の上に立つ経営者として成功できるのだと、非常に驚いたことを覚えています。

ただし、物静かな中にも、とても伝わってくるものがありました。
これが、話し方以前に大切なポイントなのですが、詳しくは後述します。

話し方以前におさえるべきポイントとは


また、トップ営業マンとして活躍した人を3人ほど知っていますが、彼らも実は口べたです。上場企業で営業成績1位を何度も獲得し、その後、独立を果たしている人たちですが、とても物静かです。

2人きりだとすぐ会話が途切れて沈黙が訪れます。

先日、そのうちの一人と、とあるパーティで会ったのですが、彼は会場の端っこの椅子でグッタリと座っていました。
「人が多くて疲れた」のだそうです。

このように、成功を収めている経営者やトップ営業マンでも、みんな話し上手というわけではありません。

理想の人生を手に入れるために、必ずしもうまい話し方は必要ないのです。

ただ、彼らも話し方以前に重要なポイントをしっかり押さえていたということは付け加えておきます。

話が盛り上がらないのは本当にあなたの責任?


話し方に苦手意識がある人ほど、コミュニケーションがうまくいかない時に、「自分に原因があるのではないか?」と考えてしまいます。

しかし、それは本当にあなたの責任でしょうか?


同窓会で判明した、単なる相性の問題(写真提供:Photo AC)

実は、私も自分にふがいなさを感じていたのですが、ある時、「そこまで自分は悪くないのかも」と思える経験がありました。

40歳の時、高校の同窓会がありました。学年全体が集まる大規模なものです。 実は、高校3年生のクラスがいまいち盛り上がらないクラスでした。体育祭、学園祭なども一体感なくダラダラとこなすだけで不完全燃焼のまま卒業を迎えたことを覚えています。

私はクラス委員で、そのことにひそかに責任を感じていました。しかし、あれから 年以上経って、みんな大人になったので、「さすがに同窓会で は、それなりに会話をするのだろうな」と想像しながら会場に行ったのですが、結果は違いました。

同窓会で学んだ、単なる相性の問題


3年生のクラスで集まってみると、当時と同じ盛り上がらない雰囲気で、まったく会話が弾まないのです。私はなんともいたたまれない気持ちになりました。

しばらくして、今度は2年生のクラスで集まる時間になりました。

するとどうでしょう、今度は打って変わって話が大いに盛り上がるのです!
2年生のクラスはとても仲が良く、20年経っても自然に言葉が湧き出てきて、冗談を言って盛り上がりました。

私もどんどん言葉が出てくる自分に驚くほどです。数分前とは大違いでした。

ふと見てみると、3年生のクラスで一緒だった同級生が、2年生のクラスでは楽しそうに話をしていました。それを見て私は腑に落ちました。

3年生のクラスが盛り上がらなかったのは、自分が悪いわけではなかったのです。もちろん他の同級生のせいでもありません。ただ単純に、相性の問題だったのです。

それがわかって、私はとても癒された思いがしました。

「自分のせいじゃなかった」。そう納得できてホッとしたのです。

このように、人間関係がうまくいかない原因の多くはただの相性です。普通なら友達にならない人とも、仕事や近所付き合いではうまくやっていく必要があります。

「誰にでも怒る上司」に対して自分を責めなくていい


ですので、現代社会ではみんな苦労するのです。なのに、それをすべて自分の責任だと勘違いすることはよくあります。

「また上司を怒らせてしまった」
「また後輩や部下がいじけてやる気を失った」と、自分を責めてしまうのです。

しかし、実は上司が「誰にでも怒る人」だった、ということはよくあります。実際、私が新入社員時代のある上司もそうでした。周りの人は「あの人、またムッとしてたね」と休憩室で笑い話にしていました。

また、誰が指導してもいじけやすい後輩もいるでしょう。

その人に合わせた言い方や伝え方は必要ですが、100%あなたの責任というわけではありません。

繰り返しになりますが、コミュニケーションがうまくいかないのは、あなただけの責任ではありません。

そこまで自分を責める必要はないのです。

※本稿は『誰でもできるのに9割の人が気づいていない、話し方・つながり方』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

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