三河エリアに「ららぽーと安城」誕生! 買い物&グルメに日本一の屋上広場も‐1日遊べる最新エンタメ施設に
2025年4月22日(火)8時15分 マイナビニュース
郊外を中心に人気を集める大型商業施設「三井ショッピングパーク ららぽーと」。その新たな店舗が4月18日、愛知県安城市にオープンした。愛知県では3施設目となる「ららぽーと安城」は、これまでの「ららぽーと=ショッピングにいく場所」というイメージを大きく変える内容になっている。家族で、友人で、恋人で、世代問わず地域の「遊び場」になる仕掛けがいっぱいだ。
○■施設コンセプトは「&PLAY」、一番の注目は巨大な屋上パーク
施設コンセプトは「&PLAY」。ららぽーとといえば食料品や日用品などの買い出しはもちろん服や雑貨などのショッピング、家族など大人数での食事も楽しめる場所、といった印象が強い。そこに「ららぽーとに行けば、遊ぶこと“も”できる」という新提案を加えたのが、ららぽーと安城なのだ。雨でも風でも、いつでも遊べるような工夫が館内施設にされている。
一番の注目は、屋上のルーフトップパーク「おくじょうひろば」。半分が大屋根で覆われており、もう半分は青空の下でのびのび走り回れる設計になっている無料の屋上広場だが、スケール感が桁違い。商業施設における屋上遊具数は46台&遊びコンテンツは60種類超(日本一)、広場の広さは3,800㎡(中部・近畿エリアでは最大面積)、大屋根空間としては約2,100㎡(こちらも日本一)と、「見たことない」規模になっているから、子どもたちは大興奮だ。
アスレチック遊具で遊んだり、壁や床に自由にチョークでお絵描きを楽しめるゾーンのほか、砂場遊びもできてしまう。定刻になるとシャボン玉やドライミストが出る仕掛けもあったり、疲れたら座ってのんびりできる芝生エリアがあったり。おまけに館内の飲食店で買ったフードドリンクも持ち込み可能なので、ピクニック気分も楽しめる。
さらには屋内待合室やベビーケアルームもあるので、乳幼児をもつ大人も安心して利用できるなど、かゆいところまで手が届いている。大屋根があるから、「今日は雨だから体を動かす遊びはできないね」というこれまでの考えが、ガラリと変わる。しかもこれらが全部無料。
○■スタジアムコートでいつでも大迫力のスポーツ観戦
ららぽーと安城で見逃せないのが、1階フロアのスタジアムコート「SAISONスタジアム」だ。館内の中心に位置し、吹き抜け空間で面積にして730㎡、1,000人以上は収容できるというこれまた大スケールなもの。正面の大型ビジョンやぐるりと360度取り囲むリボンビジョンで、さながら大型スタジアムにスポーツ観戦にきたような音響で臨場感を演出してくれる。エキシビションマッチなどの試合観戦はもちろん子ども向けのスポーツ体験など、様々なイベントコンテンツが行われていく予定だ。
○■まだまだ遊べる注目施設が目白押し
館内には、その他にもエンターテイメント施設が多数揃う。10スクリーン・約1,500席もあるシネマコンプレックス(大型映画館)では、西三河エリアでは初となる大迫力・臨場感を味わえるサウンドシステムを備えたシアターも登場。同フロアにあるアミューズメント施設と合わせて、屋内でも目一杯一日遊ぶことができそうだ。
また大人気となりそうなのが、タカラトミーのおもちゃの世界観をリアルスケールで楽しめる「タカラトミープラネット」だ。最新テクノロジー(XR)を駆使したインタラクティブな遊び体験ができ、「次世代」というのがまさにぴったりなアミューズメント施設になっている。
トミカにリカちゃん、プラレールにベイブレードまで、10年以上も親しまれてきたおもちゃブランドが勢揃い。自分で塗り絵をしたイラストがそのまま画面に現れて動き出すアトラクションでは、リカちゃんが自分のデザインしたドレス姿でファッションショーに参加してくれたり、自分でデザインしたオリジナルトミカでカーレースに参戦できる。「プラレールファンタジーワールド」ではプロジェクションマッピングと連動した広い空間で自由にプラレールを組み上げられ、その時々に合わせた投影空間に合わせて、車両の動きに合わせたリアクションが目の前で繰り広げられる。
砂山を掘ると地形が変わったり、中から動物や宝物が見つけられたりと冒険家気分になれる「トミカ&アニア サンドアドベンチャー」、漫画やアニメそっくりの世界観で対戦ができる「ベイブレードXRスタジアム」など、子どもはもちろん親世代も思わず「懐かしい!」と夢中になって遊べてしまう。まさに世代を超えて愛される息の長いブランド展開をしてきたタカラトミーだからこそできるエンタメ空間だ。利用料金は平日30分子ども・大人ともに800円〜(初回のみ年会費600円が必要)。
○■遊びだけじゃない! 食事も買い物も休憩も
そしてららぽーとといえば、やはりショッピング。もちろん、ここも大充実の内容だ。今回の出店数は全215店舗。愛知県初出店が31店舗、ららぽーと初出店も47店舗となる。新業態となる店舗も多い。アウトドアブランドの「LOGOS」が手掛ける「ロゴスショップ&ピクニック」では、キャンプグッズ体験やピクニック気分を味わえるカフェも併設。その他、動物と接することができるカフェ「Moff animal cafe」や「Cat Café MOFF」 、わんちゃんふれあいスペースもある「ワンラブ」など、多様な店舗展開が魅力。行くたびにその日の気分で楽しみ方を自分で選ぶことができそうだ。
食料品売り場も、今回ららぽーとへの出店は初となるスーパー「SEIYU」が登場。その向かいには同じくららぽーと・愛知県初出店となり、肉・魚介・野菜など地元の新鮮な特産品や食材を扱う「安城市場」が店を構える。食料品の買い出しもワクワクと目移りしそうだ。
愛知県安城市生まれのパン屋「スペイン窯 パンのトラ」も商業施設への初出店となる目玉店舗の一つ。販売実績で世界記録をもつ同店舗は、すべて店内で生地の仕込みから焼き上げまで行い、常時約120種類の商品を揃える。連日人気となりそうだ。
フードコートも堂々の県内最大座席数を誇る。総勢18店舗、また1,250席。また、先述した「おくじょうひろば」に持ち込み可能なテイクアウトメニューの提供店舗は館内全体で40店舗以上あるので、お店で食べてもよし、購入して広場で食べるもよし、と選択肢はほぼ無限だ。キッズメニューを提供する店舗も30店舗以上あるので、ご安心を。老若男女、自分の好きなものを好きなだけ、が叶う。
遊びに買い物に……とくれば、休憩タイムも必要。館内には充電可能席が110席以上あるので、「家族との時間も大切にしたいけど、合間で仕事もしないと……」なんてシーンにも有難い。また、1階のスタジアムコートは利用しない時には、大型休憩スペースになる。遊ぶ主役の子どもたちだけでなく、付き添う大人たちにも配慮してくれているところが、誰もが楽しめる「&PLAY」のコンセプトを実現している。
○■今後、中部エリアで「とりあえず『ららぽ』へ」が加速するか
今回のららぽーと安城は「ららぽーと」としては愛知県において3施設目。三井不動産の商業施設としては、「三井アウトレットパーク ジャズドリーム長島」(三重県桑名市)、「RAYARD Hisaya-odori Park」(愛知県名古屋市中区)と合わせると中部エリアは5施設目だ。同社は中部エリアを「自動車関連産業・人口集積による高ポテンシャルエリア」とし、三井ショッピングパーク経済圏の構築を目指す全体戦略を描く。ららぽーと安城でも年間売上は約350億円、年間来場顧客数は約1000万円を目指す。
一貫しているのは、同じパターンの店舗設計を展開することではなく、ハード・ソフト含め各地域に合わせた全体施設設計とする点。今回のららぽーと安城も地域に根差した運営を目指し、愛知県立安城農林高等学校との産学連携活動(花壇造園)や愛知県内幼稚園・保育園児によるアート作品の作成・展示を行う他、建築的意匠にも土地の歴史を踏まえた三河産の舗装材、レンガを使用、館内インテリアに地元ゆかりのデザイナーを起用するなど、地域を巻き込んだ施設設計を実践している。
また、気になるのはやはり渋滞対策だろう。この点においても、解決のため新たな試みを仕掛けた。駐車場混雑状況をリアルタイムでWEBで確認できる他、AIカメラと可変サイネージによる車両誘導システムを採用。混雑を検知した場合には、駐車場出口付近の可変サインの案内表示が切り替わり、空いている出口を案内・誘導する。技術監修と提供は外部の専門会社2社の協力を受けており、大規模商業施設では国内初の取り組みだと話す。さらに、自動車による道路混雑の根本的な緩和を目指し、公共交通機関や自転車で訪れることを推奨。1,500台の無料駐輪場、シェアサイクルステーションを設置するほか、電車・バス・自転車で来た人にはクーポンを配布する試みも実践。懸念されていたオープン当日は特に大きな問題にはならなかった模様だ。
次の愛知県内展開は、岡崎市に2025年秋に開業予定の「(仮称)三井アウトレットパーク 岡崎」になる。これらの三井商業施設群が、中部エリアにおける平日休日の過ごし方、ライフスタイルを変えていくのか——平日も週末も「とりあえず『ららぽーと』に」がどこまでメジャー化するのか、今後の動向に引き続き注目したい。
吉澤志保 よしざわしほ 雑誌出版社、不動産広告代理店、不動産アプリ・SaaS開発会社を経て、フリーランスに。文章と写真をベースに、紙やWEB、SNS、アプリなど媒体を横断し、多角的な視点で見た構成・切り口設計を考えるのが得意。地方好き・移動好き。都心のミニマムな戸建賃貸で、日々地方とよりよく繋がり続ける方法を模索中。 この著者の記事一覧はこちら