温泉オタク会社員が「ひとり客におすすめの温泉地」に<別府>を強く推す理由とは。「箱根や熱海はひとりに不向きな面が…」

2024年5月4日(土)8時0分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

訪れた温泉は約500湯、女ひとりで温泉を巡りまくっているという永井千晴さん。旅行情報誌編集部で働いた経験を活かし、現在は「温泉オタク会社員」としてブログなどで温泉情報を発信しています。その「温泉オタク会社員」こと永井さんが温泉の楽しみ方を紹介する当連載。今回のテーマは「ひとり客にも推せる人気温泉地」です。

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ひとり客にも推せる人気温泉地


私の初めてのひとり温泉は、大学1年生のころに訪れた熱海温泉(静岡)でした。

大学生ならではの焦りを抱え、18歳には目新しい「自由に使えるお金と時間」をもてあまし、平日にふらりと訪れた温泉地。

当時は温泉が好きとか、この湯がどうとか考える由もなく、ただ目についた温泉施設に体を沈め、海辺をカメラ片手に散歩しただけでした。

10年近く前の熱海は、今よりも落ち着いていて、居心地がすこぶるよかったのを覚えています。

「ひとり温泉」と「遊びに来た!」の違い


熱海は近年、大きな商業施設やおしゃれなカフェ、気の利いた日帰り温泉施設が増え、ものすごーく人気になりました。

もともと全国の人気温泉地ランキングでは上位でしたが、もはやいつ行っても賑わっている状況です。

そもそも、「人気温泉地」のほとんどは、都市に近く、観光とアクセスが充実しているがゆえに、「行ったことがあるから、1票入れる」といった感じで選出されている気がします(個人の感想です)。

箱根がずっと1位なのも、きっと「行ったことがある」の母数が多いからじゃないかなー、なんて。

私が今、ひとり温泉の行き先を選ぶとしたら、おそらく熱海は選ばないでしょう。熱海は大好きな温泉地ですが、どこもかしこもにぎやかで、ひとりで訪れたら、なんだか居心地が悪そうな気がします。

例えば、ランチに入ったお店や、ふと立ち寄った日帰り入浴。どこもかしこも「遊びに来た!」な雰囲気のお客さんばかりだから、静かに温泉に浸かることはかないません。

「遊びに来た!」な雰囲気が悪いのではなく、ひとり温泉客とは具合がずいぶん違うのです。

誰かと行きやすいから、わざわざひとりで行く必要がない


だから、熱海や箱根に行くときは、たいてい誰かを誘っています。

温泉に馴染みの薄い家族や友達を誘いやすい文句は、やっぱり「アクセス」「観光」であり、湯の質ではないんですよね。


(写真提供:Photo AC)

行きやすくて、こんな遊び方もできて、ちなみに温泉浸かるんだったら私はここがおすすめかなー、といった口説き方をしちゃいます。

人気温泉地は、誰かと行きやすいから、わざわざひとりで行く必要がない、というか。

「ひとりでカラオケ来たのに、みんな知っててみんなで盛り上がる曲を歌っている」イメージなんです。

とはいえ、人気観光地はお客さんの扱いにずいぶん慣れています。ひとりで食事をしていても、ひとりで散歩していても、ひとりで温泉浸かっていても、まったく珍しがられませんし、頓着もしません。

そういう意味では、ビギナー向きともいえます。

ひとり温泉ビギナーにおすすめの人気温泉地は…


全国の人気温泉地ランキングに入る、「箱根」「熱海」「道後」「別府」「有馬」といった有名どころの中で、ひとり温泉ビギナーにおすすめできるのは、別府温泉郷(大分)。

なぜなら、別府の温泉地はかなり“暮らし”に近しい雰囲気で、地元の人が浸かるような温泉銭湯がたくさんあるから。

地元民にまぎれて温泉に浸かったり、食事をしたり、“観光”な浮ついた空気をそこまで感じることなく過ごせそうです。

別府には留学生をたくさん受け入れている大学もあり、なんとも大らかな雰囲気が街を包んでいます。

最近流行りの「暮らすように旅する」といった、生活感のある旅行が待っています。

ひとり訪れたときも、友達と訪れたときも、家族と訪れたときも、別府はいつも最高でした。

街のシンボル的な竹瓦温泉はいつ行ってもシビれる面構えで、「友永パン」のクリームパンや、「湖月」の餃子は、一生忘れられない絶品。

ひとり客にも“推せる”人気温泉地は、そうそうありません。

※本稿は、『女ひとり温泉をサイコーにする53の方法』(幻冬舎)の一部を再編集したものです。

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