「帰り道で座り込み、歩かなくなった1歳の息子。イライラして少し先に行くと、見知らぬおばあさんが...」(北海道・40代女性)
2022年5月8日(日)8時0分 Jタウンネット
シリーズ読者投稿〜あの時、あなたに出会えなければ〜 投稿者:Iさん(北海道在住・40代女性)
Iさんがその人に出会ったのは、1歳の息子を連れて買い物に行った帰り道のことだ。
歩道橋で座り込んだ彼女の息子が、抱っこしてほしいとせがむ。しかし、妊娠中で荷物も抱えていたIさんにはそれができなかった。
そこに、シルバーカーを押したおばあさんが現れ、息子になにごとかを話しかけ始めたという。

<Iさんの体験談>
奈良県に住んでいた時のことです。
一歳半の息子を連れて買い物に行った帰り、眠さと疲れのピークがきた息子が歩道橋の上で突然座り込んで動かなくなりました。
いくら声をかけても動かず、抱っこをせがんできます。
でも、当時私は妊娠中で、荷物も持っていたので息子を抱えて帰ることは困難でした。
しびれを切らし、イライラしてきた私は少しずつ足をすすめます。けれども息子は絶対についてきません。
「2人でこれ飲んで、あと少し頑張って」
泣いてる息子を見ながら、こちらも泣きたくなったのを覚えています。その時、少し腰の曲がったおばあさんがシルバーカーを押しながら歩いてきて、息子の横に止まりました。
おばあさんは息子に話しかけながら、何かを取り出して手渡したのです。

私が大慌てで息子のところまで戻ると、おばあさんは言いました。
「お母さんもがんばってはるねぇ。この子も頑張ってる。
みんな偉いなぁ〜。2人でこれ飲んで、イヤイヤせんとあと少し頑張って帰りやー」
彼女が息子に渡していたのはヤクルトでした。そして、私にも同じものをくれたのです。
私のイライラしていた心がふっとゆるみました。
息子とふたり、歩道橋でヤクルトを
私と息子は、2人で歩道橋の上でヤクルトを飲み、手を繋いで帰ることに。
ヤクルトが心に沁みて涙が溢れました。

あの時のおばあさんに「息子だけではなく、私の気持ちも察して下さり、ありがとうございました」と伝えたいです。
あのヤクルトで、私の心はどんなに救われたことか。
あの味は一生忘れません。ありがとう。
誰かに伝えたい「あの時はありがとう」、聞かせて!
名前も知らない、どこにいるかもわからない......。そんな、あの時自分を助けてくれた・親切にしてくれた人に伝えたい「ありがとう」を心の中に秘めている、という人もいるだろう。
Jタウンネットでは読者の皆様の「『ありがとう』と伝えたいエピソード」を募集している。
読者投稿フォームもしくは公式ツイッター(@jtown_net)のダイレクトメッセージ、メール(toko@j-town.net)から、エピソードを体験した時期・場所、具体的な内容(どんな風に親切にしてもらったのか、どんなことで助かったのかなど、500文字程度〜)、あなたの住んでいる都道府県、年齢(20代、30代など大まかで結構です)、性別、職業を明記してお送りください。秘密は厳守いたします。
(※本コラムでは、プライバシー配慮などのため、いただいた体験談の一部を改変している場合があります。あらかじめご了承ください)
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