情緒不安定は、五臓の不調が原因?イライラしやすいのは肝気の詰まりかも。五臓を養う食べ物や心が落ち着くツボをご紹介
2024年5月9日(木)12時30分 婦人公論.jp
(写真提供:Photo AC)
厚生労働省が公開している令和2年「患者調査」によると、気分(感情)障害(躁うつ病を含む)の総患者数推計値は約20万人とのこと。メンタルヘルスの問題を抱える人が増える中、「日常の小さな養生で<強い心>が手に入る」と語るのは、漢方養生指導士で、登録者数10万人超の漢方養生YouTuber・ロン毛メガネさん。今回は、ロン毛メガネさんの著書『読むだけでメンタルが強くなっちゃう漢方養生の本』から、東洋医学の基本知識や、すぐに実践できる<養生>の方法などを紹介します。
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「食べる漢方」でメンタルを強くする!
東洋医学では、「五臓に不調があると情緒に影響を与える」と考えています。
例えば、脾(胃腸)が弱くなると、思い悩みやすくなる、憂うつになりやすくなる。
肝気が詰まると、イライラしやすくなる、怒りやすくなる。
肺が弱くなると、悲しくなりやすくなる。
心が弱くなると、精神不安定になり、喜べなくなる、笑えなくなる。
腎が弱くなると、ソワソワしやすくなる、不安になりやすくなる……などがあります。
実は食べ物やお茶で五臓を養い、補うことによって、情緒を安定させることが可能です。食事やお茶で、五臓を補佐してあげましょう! 体も心も健康になります。
五臓を養う食べ物&お茶
● 何かとイライラしがちなときに——肝気を巡らせる食べ物&お茶
・食べ物:にら、ねぎ、パクチー、にんにくの芽、しそ、柑橘(かんきつ)系の果物、唐辛子、山椒など
『読むだけでメンタルが強くなっちゃう漢方養生の本』(著:ロン毛メガネ/大和書房)
・お茶:ミントティー、マイカイカ茶、菊茶、くこの実茶など
● メンタルが不安定になりがちなときに——心を養う食べ物&お茶
・食べ物:ナツメ、トマト、にんじん、桑の実、さくらんぼ、ゴーヤ、ハスの実、龍眼肉(りゅうがんにく)など
・お茶:桑の実茶、龍眼肉茶、ナツメ茶、くこの実茶など
● つい、何事も気にしすぎるときに——脾を養う食べ物&お茶
・食べ物:じゃがいも、山芋、長芋、かぼちゃ、とうもろこし、白米、もち米、キャベツ、きのこ類、お肉類など
・お茶:陳皮(ちんぴ)茶、とうもろこし茶、ウーロン茶、プーアル茶、麦茶、ナツメ茶、キンモクセイ茶など
● 何だか悲しみや寂しさが離れないときに——肺を養う食べ物&お茶
・食べ物:山芋、大根、ゆりね、ピーナッツ、梨、りんご、いちじく、白キクラゲなど
・お茶:ラカンカ茶、西洋人参茶など
● 不安や恐れでソワソワするときに——腎を養う食べ物&お茶
・食べ物:山芋、黒豆、黒胡麻、ピーナッツ、くるみ、桑の実、うなぎ、羊肉、エビ、牡蠣(かき)、栗、黒キクラゲなど
・お茶:杜仲(とちゅう)茶、桑の実茶、黒豆茶、くこの実茶、ナツメ茶など
平常心を取り戻す「ツボ押し」養生
心を落ち着かせるツボを紹介しましょう。
これからご紹介するツボは、比較的、位置がわかりやすい!
また、日常によくある、イライラするとき、落ち着かないとき、考え事が多いとき、眠れないとき……などの大きな助けとなります。
指で押したり触れたりするだけだから、時間もお金もかかりません。しかも、気持ちいい! ぜひ、感情的になったときのお助けケアとして取り入れてみてください。
ツボ押しのコツとして、初心者には「3秒ルール」がおすすめです。ツボを3秒かけて押し込んで3秒キープ、3秒かけてゆっくり離す、というもの。こうすると、疲れずツボ押しができますよ。
心が落ち着くツボ「神門」の場所
・神門(しんもん)
場所:手の小指と薬指の間から下に降りて、手首の横線に当たるあたりにあります。
押し方:3秒ルールを2〜3分ほど繰り返すのがおすすめです。
CHECK!
神門は、手の少陰心経(しょういんしんけい)にあるツボで、不眠症、睡眠障害、自律神経失調、物忘れ、集中できないときによく使います。また、心の気を補い、精神を安定させる効果もあります。
※本稿は、『読むだけでメンタルが強くなっちゃう漢方養生の本』(大和書房)の一部を再編集したものです。