【100歳の100の知恵】夫婦であれ、別の個性と感性を持った他人。「私のことを理解してくれない」と嘆くより、相手に多くを望まず、ほどよい距離感を保つ
2024年5月10日(金)8時0分 婦人公論.jp
101歳の長寿を全うした生活評論家、吉沢久子さんが日々の生活のなかで見つけた「幸せに生きる方法」「暮らしのアイデア」「簡単に作れるおいしい料理」は今の時代を生きる上でもヒントがいっぱい。エッセイ集『100歳の100の知恵』(中央公論新社)から吉沢さんの極意を1つずつ紹介します。
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<100歳の100の知恵 93>
<私のしないこと十訓>『夫婦も他人。相手に多くを望まない』
うちでは夫婦の間でも、お互いに立ち入らない部分を作っていました。夫婦であれ、まったく別の個性と感性を持った他人です。
だから自分とは違って当然だし、あまりずかずか相手の領域に踏み込まないほうが、お互いの関係を円滑に保つことができるのではないでしょうか。
最近は「夫は私のことを理解してくれない」と不満を抱く女性も多いようですが、そもそも他人を完全に理解することなど、無理ではないかと思います。自分自身のことですら、すべて理解することは難しいのですから。
夫婦であれ、まったく別の個性と感性を持った他人です(写真提供:photo AC)
「こうあってほしい」「こうしてほしい」と相手に対して要求が多ければ多いほど、満たされない思いがふくれあがり、イライラも募ります。そうなれば、結局は自分がしんどいだけです。
自分とは違う人間なのだから、思い通りにならないのはしようがない。そう心得てほどよい距離感を保っていたほうが、夫婦間で波風も立ちにくく、お互いに生きやすいのではないかと思います。
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