北海道最強の回転寿司「トリトン」はかつて微妙な店だった? 元道民が振り返る平成の回転寿司チェーンの思い出

2024年5月12日(日)14時30分 ロケットニュース24

北海道の回転寿司チェーンの中でも、トップクラスの人気と知名度を誇るのが「トリトン」だ。「根室花まる」「なごやか亭」と並んで御三家と呼ばれることもある。名前くらいは聞いたことがあるという人も多いのではないか。

当編集部の佐藤パイセンも先日、「トリトン」を人生初体験。大いに気に入ってくれたようだが、実は昔の「トリトン」は今とは少し雰囲気が異なり、言葉を選ばずに言うならやや微妙な店だった。

当時の北海道の回転寿司チェーンについて、元道民が振り返ってみたい。

・平成初期の回転寿司
私(あひるねこ)が住んでいたのは札幌市の隣に位置する江別市というところで、タレント・大泉洋さんの出身地としても知られている。

私が幼稚園児〜小学生だった1990年代前半の江別には、回転寿司自体は何軒かあったものの、チェーン店なのかローカル店なのかよく分からない小規模な店舗が多かった。といっても子供なので特に不満はなかったが、そこへやって来たのが「トリトン」だ。

「トリトン」は北海道北見市発祥の回転寿司チェーンで、94年11月に厚別店がオープン。私の人生初「トリトン」はこの店舗だった。ちなみにこちらはリニューアルし、現在も営業中である。

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小学生の頃の記憶なので多少のズレはあるかもしれないが、当時の「トリトン」はデカネタを売りにしており、ネタの長さがシャリの倍以上あって、それはそれは大迫力であった。お客もしっかり入っていたはず。

ただ、マグロが半分凍った状態で提供されるなんてこともよくあり、子供ながらに「ただデカいだけだな」とも思っていた。

その後も何度か通ったが、一度だけ父と行った時のこと。ふと横を見ると、なんと父が寿司のシャリだけ皿に残しているではないか。

もちろんこれは意識高い系インフルエンサーたちがやる「シャリを残して糖質カット!」みたいな炎上ライフハックではない。おそらく単純にシャリがおいしくなくて、食べたくなかったんだろう。そういえば軽くキレていた気がする。海原雄山みたいな親父である。

そういった理由が重なり、「トリトン」は我が家の中ですっかり微妙な店という位置付けになってしまったのだが、そこへ新たな勢力が登場する。「とっぴ〜」である。

・覇権寿司
「とっぴ〜」は北海道・福島県で展開する回転寿司チェーンで、正確には覚えていないが90年代中盤〜後半の時期に、私の自宅近くにオープンした。

実は当サイトでも中澤と御花畑がそれぞれ記事を書いており、両者とも「とっぴ〜」を絶賛している。が、今と違って当時の「とっぴ〜」の何が凄いって、100円台と200円台の皿しかなかったのである。

マグロやイカが100円台なのは分かるが、イクラやウニ、カニのようなネタが200円台というのはヤバすぎる。「スシロー」のような均一料金の回転寿司がメジャー化する前なので、私にとって「とっぴ〜」の存在は革命でしかなかった。

実際、「とっぴ〜」は周辺の回転寿司を駆逐する勢いでたちまち人気店に。我が家の選択肢から「トリトン」が完全に消滅したのもちょうどこの頃だ。

近所の「とっぴ〜」は元々スーパーだった建物を改装して営業していたのだが、やはり業績がよかったのか、それからしばらくして国道沿いに店舗を新築&移転。さらに勢いを増していく。「とっぴ〜」無双状態である。

圧倒的安さと、安定したおいしさで栄華を極める「とっぴ〜」。しかしその裏で、着実に店舗数を増やしていたのが「トリトン」だ。先述した厚別店がリニューアルを果たしたのが2002年11月。そして2004年7月には、ついに江別店がオープンする。

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私が江別の「トリトン」を訪れたのは、大学の長期休みで帰省した際、母に連れられて行ったのが最初だった。母曰く「昔行った『トリトン』とはまるで別物で、何を食べても新鮮でおいしい」とのこと。本当だろうか?

私の中での「トリトン」のイメージは小学生時代で止まっているため、母の言葉がいまいち信用できなかったのだが……結果は皆さんもご存じの通り。「トリトン」優勝である。嘘だろ、こんなにおいしい店だったっけ……? まさに海の神。海神なり。

味はもちろん内装や雰囲気など、ありとあらゆるものが私の知っている「トリトン」とは違っていた。名前だけ同じで、中身は完全に別の店という印象を抱いたことを今でもよく覚えている。

それからは帰省するたびに「トリトン」をキメるのが恒例となった。この頃には押しも押されぬ大人気店になっており、それが現在まで続いているという感じだろうか。一方、真逆の運命を辿ったのが「とっぴ〜」だ。

・王座陥落
「とっぴ〜」を運営していた株式会社とっぴいは2015年に経営破綻。翌年には倒産してしまう。それに伴い江別店は閉店。帰省した際、たまたま店舗の前を通りがかって貼り紙を見た時は本当に驚いた。

あれだけ栄華を誇っていた「とっぴ〜」が、まさかこんな形で終わってしまうとは……。ちなみに江別店の跡地は今、居酒屋になっているようだ。まさに盛者必衰。兵どもが夢の跡。

※「とっぴ〜」は現在、別会社が運営しており、道内外に6店舗を展開している(2024年5月9日時点)

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参考リンク:トリトン、北一食品、とっぴ〜、グーグルマップ ストリートビュー
執筆:あひるねこ
Photo:RocketNews24.

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