ロボットシェフが27秒で注文通りのハンバーガーを仕上げるアメリカのレストラン

2025年5月13日(火)17時0分 カラパイア


image credit:burgerbots/instagram[https://www.instagram.com/burgerbots/]


 アメリカで、ロボットを活用した未来のレストランが話題だ。たった27秒で仕上げ完了、速いうえに注文通りのハンバーガーをどんどん作り上げていく。この自動化技術を導入すればさらなる時短が叶うという。


 ここでは2種類のロボットが、オーダーに沿ったトッピング選びから、具材を重ねてバーガーを仕上げるまでの最終工程をお客に披露しており、子どもも思わずくぎ付けの楽しいサービスも兼ねている。


 アーム型ロボット「IRB 360 FlexPicker®」と協働型双腕ロボット「YuMi®」が仲良く連携し、クールにハンバーガーを完成させる姿が見られるのだ。


 今までより場所も取らずにコンパクト。仕事を効率良くスムーズにこなし、業界に革新をもたらすと期待されてるロボットチームの働きぶりにせまってみよう。


“未来のファストフード店”でバーガーを仕上げるロボットたち


 カリフォルニア州ロス・ガトスに突如現れた「BurgerBots(バーガーロボッツ)」のコンセプトは、”未来のファストフード”。そのねらい通り、まるでSF映画のワンシーンのごとくな眺めを実現した。



 このロボたちは、正確かつ軽快に作業に取り掛かり、注文通りのハンバーガーをあっという間に完成させる。仕上げを担うロボットの作業時間はなんとたったの27秒。


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 セットされた野菜をやさしく扱い、オーダー通りのトッピングを絶妙なタイミングで瞬時にバンズにはさんでボックスに入れるなど、テキパキ動くロボットたちの流れるような手際はまさしく未来。



 いよいよロボット時代到来か…としみじみ感じるシーンが随所にあふれている。


ABBロボットが魅せるそれぞれの得意技


 このたび息ぴったりなコラボ作業を披露したのは「IRB 360 FlexPicker®」と「YuMi®」 というロボット2種。いずれも世界的に有名な北米の産業ロボットメーカー、ABBのロボットだ。


 同じメーカーでも、それぞれの設計や目的は以下のように異なる。そこでこのコラボでは各種が適材適所な形で活用された。


 IRB 360 FlexPicker® は、キビキビ動くスピード重視の選択ロボット。今回はQRコードのオーダーをもとに、トッピング野菜や必要なソースを正確にピックアップする。



 動作には無駄がなく、大量のオーダーにも余裕で対応。品質のブレも極めて少なく、常にパーフェクトな仕上がりが期待できる。


 もう一台の主役「YuMi®」は、柔軟性ばつぐんの協働ロボット。人間と同じ空間を共有して作業が行えるロボットだ。



image credit:ABB Robotics


 繊細なトッピングと重ね合わせ作業が得意で、スムーズな動作で魅せる。協働がデフォなだけあって、与えられた仕事を器用にこなし、完成を目指す様子は、高度な技術と未来に向けた発展をイメージさせる。



在庫管理機能で食材ロスも削減


 BurgerBotsシステムの魅力は、27秒というスピードだけではない。



 なんとABBのロボット・コントローラーは、レストランの在庫管理システムともシームレスに統合されており、リアルタイムで食材の在庫を追跡できる。


 この機能により、人間スタッフがセットしたオニオン、トマト、レタス、各種ソースにいたるまでの食材量をきっちり監視し、コストパフォーマンスが高いキッチン運営を実現する。



 つまり食品ロスを削減し、経営の透明性や予測精度の大幅アップに貢献する利点がある。


 こうした自動化について、飲食、宿泊、旅行など、顧客にサービスを提供するホスピタリティ業界の現場では、マネージャー89%とスタッフ73%が、早くも前向きな姿勢を示しているそう。


 かつて映画やアニメで見たような、人間とロボットとの協働が、いまや現実のものとして、新たな働きかたを切り拓く鍵になってきたのだ。


ロボットで効率とサービスの質を上げる現実的なイノベーション


 BurgerBots が目指すのは、単なるガジェット的な奇抜さやショー的な面白さにとどまらず、実際のビジネスシーンでの効率とサービスの質を上げるという、現実的なイノベーションだ。



 ただ今回のバーガーのお値段は、ビーフパティ、チーズ、レタス、トマト、オニオンのベーシックなものでも18ドル(2700円)。レストランの高級ハンバーガーなので決して安くはない。


 だがこのカリフォルニア州では自動化のファストフード店もオープン[https://karapaia.com/archives/52328856.html]しており、こうしたロボットシステムは、いずれ飲食業界全体に普及しそうだ。


 人間だとクオリティや時間にばらつきが出る作業を、器用で素早く正確なロボットに任せることで、より効率良く、そして迅速に食事を提供できる利点に多くの経営者が注目していることだろう。


 日本でもあらゆるところで自動化や無人化が進んでいるが、こうした近未来の調理シーンも、ますます身近になりそうだ。


References: Robots make burger at US restaurant, serve meals in 27 secs to boost fast food prep[https://interestingengineering.com/innovation/robots-make-burger-at-us-restaurant] / Robots chefs run California restaurant and serve burgers in less than 30 seconds[https://www.hindustantimes.com/trending/robots-chefs-run-california-restaurant-and-serve-burgers-in-less-than-27-seconds-101746536607531.html]

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