ドリルで脊髄神経を切断、執刀医らに8800万円の賠償命令…執刀医は半年強で医療事故8件起こす

2025年5月15日(木)11時20分 読売新聞

赤穂市民病院(兵庫県赤穂市で)

 兵庫県の赤穂市民病院で受けた腰痛治療の手術で重い障害を負ったとして、患者の女性(80)と家族が、執刀医と市を相手取って約1億4200万円の損害賠償を求めた訴訟で、神戸地裁姫路支部(池上尚子裁判長)は14日、執刀医らに約8800万円の支払いを命じる判決を言い渡した。

 神戸地検姫路支部が昨年12月、この手術で適切な処置を怠り女性に障害を負わせたとして、男性執刀医(47)を業務上過失傷害罪で在宅起訴している。

 判決によると、女性は2020年1月、男性執刀医から腰椎の一部を切除する手術を受けた際、ドリルで誤って脊髄の神経を切断され、両足のまひなど重い後遺障害が残った。池上裁判長は、男性執刀医は出血などで視認性の確保が十分ではないのに、こまめに止血せずに事故を起こしたと判断。注意義務違反の程度は著しいと指摘した。

 病院によると、男性執刀医は19年7月に採用。20年2月までに、この件を含めて担当した手術8件で医療事故が起きた。病院は8件のうち女性の手術については医療過誤を認め、男性執刀医は21年8月に依願退職した。

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