高校生のようなパッションは忘れちゃいけない - 35周年のDynabookがマイナビキャリア甲子園にかけた思い

2024年5月17日(金)10時0分 マイナビニュース

全国の高校生たちがビジネスアイデアを競い合うコンテストイベント「マイナビキャリア甲子園」。
その第10回大会「Innovation部門」が3月10日に開催され、チーム「秘密結社TONOTOKERAI」(Dynabook代表)がアバターを活用した「i Dynabook 生命保険」を提案して優勝を果たした。
優勝の栄冠をどのようにして掴み取ることができたのか。今回は知られざる裏側について、Dynabook側の担当者である荻野孝広さん、相羽信子さん、遠藤和希さんに話を聞いた。
Dynabookが35周年の今年だからこそ、若者たちに伝えたいこと
——まず、簡単な自己紹介をお願いします。
荻野:国内マーケティング本部 副本部長の荻野です。初代の「dynabook」が誕生した1989年に入社し、パソコン関連のプロモーション、販促、広報などでキャリアを重ねて今に至っています。今日はよろしくお願いします。
相羽:国内マーケティング部プロモーション推進グループでグループ長を務めている相羽です。普段は販売促進に関わる業務を担っていて、例えばカタログやポップ、広告、TVのCM、SNSの展開など、主にプロモーション関連の実行部隊的な仕事をしています。
遠藤:相羽の下で、主にBtoBのプロモーションや広告、SNSなどの業務を担当している遠藤です。よろしくお願いします。
——皆さん、マイナビキャリア甲子園ではどのような役割を担っていたんですか?
荻野:マイナビキャリア甲子園で主に窓口として動いていたのは遠藤ですね。遠藤は新卒で入社してまだ2年しか経っていないので、高校生との目線が一番近く、話し合いもしやすいだろうということで相羽が指名しました。生徒たちとのやり取りは遠藤が担い、その内容を相羽が調整し、私は全体のハンドリングをしたというイメージです。
——マイナビキャリア甲子園に参画した理由について教えてください。
荻野:dynabookが誕生して、今年でちょうど35周年。これまで多くの人に支えられてきた背景には、トレンドを押さえた技術力や品質力があります。この製品をひとりでも知ってもらいたいと思っていました。また、「これからのAIの時代もモビリティでリードしていきたい」と考えていて、そのときにメインターゲットとなるのはこれからを担う若年層ですから、ぜひ今回の企画で、高校生の若い皆さんにdynabookの魅力を知っていただきたいと参画しました。
相羽:dynabookは、「あらゆる人のやりたいこと」を未来永劫支えられるブランドでいたいですし、そのチャレンジを上手くエンパワーするブランドになりたいと考えています。そういう意味では、この企画はまさにチャンスでした。
遠藤:若年層との接点作りについては私も日々頭を悩ましているので、これに参加しない手はないなと思いました。
「地球人の10年後の未来を革新するPCの価値」をテーマに描いたワケ
——今回、Dynabookが設定したテーマ、「世界初のノートPCを開発したDynabookだからこそできる、 地球人の10年後の未来を革新するPCの価値・サービスを創造せよ」に込めた思いについてお聞かせください。
荻野:最初に苦労したのがこのテーマ設定の部分ですね。大会として「BEYOND DECADE(10年を超える)」という大枠のテーマがあったので、これをDynabookとどう掛け合わせるか、結構悩まされましたね。
相羽:複雑なテーマにしても聞き流されてしまうでしょうし、生徒の皆さんに興味を持っていただけるようなテーマにしたいという思いが当初からありました。
荻野:「世界初のノートPCは日本のPCメーカーであるDynabookが作ったんだよ」「日本の国力を支える未来人として皆さんもいるんだよ」っていう遠回しの応援メッセージも含めたかった。最初は「世界初のノートPCを作ったDynabookだからこそ考えられる次のパソコンは何か」というテーマにしようかとも思ったのですが、もっとスケールを大きく、地球規模のテーマにしたいという話になって、「地球人の10年後」という今回のテーマに至りました。
——高校生の皆さんに期待したことはなんでしょう?
遠藤:やはり高校生ならではの新規性ですね。私たちの目線では考えられない、新しいアイデアが出てくることを期待しました。
相羽:形にはこだわらないで応募してほしいと思いましたね。どうしても「dynabook=ノートPC」というイメージがあると思いますが、弊社も他にいろんなソリューションがありますし、もっと既存のノートPCの概念から発展的に考えてほしいと思いました。
荻野:結果、ノートPCの形とはまったく関係ないアプローチだったので、斬新でしたよね。高校生らしい自由な発想で、本当に嬉しく思いました。
——高校生のアイデアはどのようにブラッシュアップしていったんですか?
遠藤:最初から「秘密結社TONOTOKERAI」のふたりが我々の設定したテーマに対してアイデアを組み立ててきたんですよ。私たちも、もっとわかりやすくするための手助けはしましたが、大元の柱は彼女たち自身の発想がベースになっています。
相羽:私たちはこの大会に初参加だったということもあって、どこまで関わっていいかわかっていなかったというのもあります。どちらかというと私も遠藤も強く助言せず、それでもいいと思えるくらい、提出されたアイデアが完璧だったのを覚えています。事業コストなどの修正はしましたが、大きな方針については、特に何もテコ入れしませんでした。
荻野:準決勝の時点で、「この子たちは圧倒的だな」って思って彼女たちを選んだわけですからね。
遠藤:彼女たちは本当に「勝ちにきている」感じがありました。アイデアも最初からちゃんと仕上げていて、この大会にかける思いも一番強かったので、逆に私たちのほうがすごくやる気をもらったというか、本当にいい刺激を受けたと思います。
——「秘密結社TONOTOKERAI」とやり取りする中で、印象的だったエピソードなどがあれば教えてください。
遠藤:すべてが初体験だったので、最初から最後までずっと印象的でした(笑)。でも、やはり決勝大会当日ですかね。前日(Creation部門)の優勝チームと「AI」や「保険」などアイデアを構成する一部分が似ていて、彼女たちもかなり動揺していたはずなんですけど、最後は「自分たちがやってきたこと信じてやり切るしかない」と覚悟を決めて、実際に優勝を勝ち取っています。実はもっと私たちがリードしてサポートするべきだったのではと少し悔やんでいたこともあり、優勝した瞬間は本当に感動しましたね。
相羽:「アバター世界の保険」というテーマが、前日の優勝者と被っていたんですよね。その日は夜遅くまでかけて「明日、どうしようか」と悩んだそうなのですが、とにかく前向きな生徒たちで、不利な状況も全部ポジティブな方向に変えちゃいました。
荻野:彼女たちが通う香里ヌヴェール学院高等学校は、プレゼンテーションや自己アピールなどを重視した学びをしているらしいんですよね。実際、プレゼンのテクニックは凄いものがあり、それでも「でも中身はどうかな」「情熱はどうかな」と最初は半信半疑でしたが、考え違いだとわかりました。もう高評価しかないですよ。小手先のテクニックではなく、十分な熟考のうえ勝ち取った実力にふさわしい優勝でしょう。
最高の形で終われたという達成感
——大会を終えた今の率直な感想を教えてください。
荻野:……結構大変でしたね(笑)
相羽:でも、感動しましたね。こんなに感動するものだと思っていなかったので、ビックリしました。
荻野:確かに、本当に感動した。
相羽:高校生のパワーって、本当にすごいなって。
遠藤:本当に大変でしたよ(笑)。でも、形としては最高の結果で終われたので、達成感はありますね。
荻野:私自身、ある種の覚悟をもって取り組まないと走りきれない大会でした。部下たちに「じゃ、あとはよろしく!」なんていうノリでは絶対に無理(笑)。みんなで一緒になって頭を悩ませないといけなかったよね。
——何か反省点などはありますか?
遠藤:大会出場者の中には、悔しくて涙する子もいましたが、高校生って本当にセンシティブな年頃なんですよね。大人が言ったこともそのまま反映しちゃったりするので、あまり細かくアドバイスしてしまうと、彼女たちの柔軟な発想の邪魔をする結果になってしまいます。
相羽:そういうバランス感覚は本当に勉強になりましたね。なんでもアドバイスすればいいっていうものじゃないというか。
遠藤:あと、社会人になると、日常的に新規プロジェクトでプレゼンする機会もありますし、もし結果が出なくても「ああ、ダメだったか。次また頑張ろう」と思えますが、高校生はそうはいきません。一回のプレゼンにすべてをかけているからこそ、あの感動が生まれたんだと思います。テレビにも映っていましたが、相羽さんなんて大号泣していましたから。
——それでは最後に、コンテストを終えての感想をお願いします。
遠藤:非常に大変だったのですが、高校生の成長に携われる珍しい機会でもありました。……というより、高校生の成長のお手伝いをするつもりだったはずが、こちらが成長させてもらった気もします。我々ももっと多くの人にdynabookを使ってもらえるよう頑張らないと、と感じました。とにかくすごく楽しかったです。ありがとうございました。
荻野:本当に勉強になりましたね。高校生たちには、「やりたいことを未来永劫支えられるブランドでいたい」というdynabookのブランドメッセージをまさに体現してくれたなと感謝しています。この大会に携われて嬉しかったですし、今後も機会があればサポートしたいなと思います。
相羽:高校生のみんなのようなパッションは忘れちゃいけないな、と思いました。社会人も、物事を調べたり、順序立てて話したりすることがいかに大事かということを改めて考えさせられましたし、初心にかえることもできました。本当にありがとうございました。

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