藤原和博式<絶対に勝てる>プレゼンの極意!「ひたすら自分の考えやアイデアをプレゼンしても相手の頭に入らないからこそ…」

2024年5月27日(月)12時30分 婦人公論.jp


(写真提供:Photo AC)

最近のアメリカではテクノロジー業界を中心に大規模な人員削減が起こり、リストラは今も続いていると言われます。そのようななか「会社に身を任せて生きていくのは危険。必要なのは、自分が勝てそうな<場所取り>をすること」と話すのは、リクルート社の初代フェローを経て教育改革実践家として活躍する藤原和博さん。今回は、藤原さんの新刊『どう生きる?——人生戦略としての「場所取り」の教科書』より「絶対に勝てるプレゼン術」について紹介します。

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絶対に勝てるプレゼン術


ここで、私が会得したプレゼンの極意を披露しましょう。

まず、説明とプレゼンは違います。

説明とは、自分の脳内にあることを一方的に解説する行為です(下図)。


説明とプレゼンの違い<『どう生きる?——人生戦略としての「場所取り」の教科書』より>

いっぽうプレゼンとは、相手の脳内の映写室にイメージを映(うつ)して共有する行為です。

つまり、自分が考えていることを解説して伝えるのは説明であって、プレゼンではない。

これは1対1のプレゼンでも、大勢を目の前にしたプレゼンでも変わりません。

大事なことは、相手の脳内にどんな像が結ばれたか、です。

相手の脳内に「像」を結ぶには


相手の脳内に像を結ぶには、次のことが必要になります。

・相手との共通点を探る
・相手の言葉遣いを学ぶ
・相手の世界観をヒアリングする
・相手の人生観をリスペクトする
・相手の動機づけを読む


『どう生きる?——人生戦略としての「場所取り」の教科書』(著:藤原和博/祥伝社)

つまり、相手のことを知ることです。

人間が納得するには、それが自分の世界観にあることが前提です。

逆に言えば、自分の世界観にないモノ、コト、ヒトのことを言われても、納得できません。

だから、相手のことを理解しないで、ひたすら自分の考えやアイデアをプレゼンしたところで、相手の頭のなかには入っていかないのです。

相手を理解するために必要なこと


相手を知る・理解するためにはどうしたらいいでしょうか。

それは、相手に質問すること。ヒアリングです。

下図のようにヒアリングして相手の世界観にある情報を徹底的に抽出、収集するのです。

それを加工し自分なりのプラスアルファを加味したりして、編集する。

それを、相手の脳内に像を結ぶようにわかりやすく話すのが、プレゼンです。

私はこれを「脳をつなげる技術」と呼んでいます。

もしプレゼン時間が30分だったら、28分をヒアリングに使ってもいい。

何が好きなのか、どんな世界観を持っているのか、今回は何を望んでいるのか。

それらを聞き出して理解する。そして残りの2分間、相手の世界観のなかでプレゼンするのです。

相手の頭にある言葉遣いで、こちらがすすめたい内容を編集し直すのです。これなら、間違いなく受け入れられます。

プレゼンの極意


しかも、このようなプレゼンができる人は、相手からの信用が高まります。

たとえ、今回がだめだったとしても、次につながるでしょう。

プレゼンは「聞く」にあり。私が得た極意です。

※本稿は、『どう生きる?——人生戦略としての「場所取り」の教科書』(祥伝社)の一部を再編集したものです。

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