【全自腹】大阪・関西万博の海外パビリオンで時間いっぱいご飯を食べた結果…合計金額がヤバすぎる~っ!!
2025年5月31日(土)14時30分 ロケットニュース24
万博の食事は開催初日から今日まで賛否両論。珍しいモノはあるのか、味は美味しいのか、価格は高いのか。実際のところどうなんだい〜〜っ!?!?
・持っててよかった非常食
「せっかく万博に行くのだから、現地で買ったものしか食べないぞ!」と意気込んで出かけた大阪・関西万博。
しかしそんな強い思いとは裏腹に、筆者が会場内で初めて口にしたのは非常食として持ってきていた菓子パンだった。
理由は簡単。午前中の空いているうちに人気パビリオンを優先した結果、近隣の飲食店が混んで長蛇の列に。お腹が空き過ぎて並ぶ気になれなかったのだ。
持っててよかった非常食。会場内には並ばずとも買い物ができる(らしい)コンビニもあるが、せっかくなら時間をロスすることなく小腹を満たしたいもの。
食事とパビリオン巡りのどちらも楽しみたい方は、念のためにパンやおにぎりをカバンに忍ばせておくのがオススメだぞ。
・オーストラリア/ミートパイなど
ってなワケで、気を取り直して向かったのはオーストラリアパビリオン。
パビリオン入場者以外も利用できるテイクアウトのカフェがあり、回転が早いため購入のハードルも低かった。
筆者が購入したのはコチラ。
・オージーミートパイ(税込850円)
・クロコダイルフィレロール(税込1650円)
・レモネード(税込700円)
・ビール ペールエール(税込1000円)
以上4点、合計4200円。
本音を言うと、お会計の瞬間は「高っっっけぇ〜〜〜〜〜!」と頭がクラクラした。4200円って、近所のスーパーならぶ厚い和牛ステーキが買えるぞ。
──しかし金額を理由にせっかくの海外メシを避けるほどには、筆者のミーハー心は弱くなかった。いいじゃないか4000円ぐらい。飛行機に乗って現地へ行くことを思えば安いもんだろ!
この意識は、すべてのパビリオンにおいて共通して持つべきである。万博会場で腹いっぱいになろうってんだから、金額なんかにビビッてなんかいられっかよ!!
さて。肝心なお味はといえば、普通に美味しい。ミートパイはシチューのようなトロッとしたソース(グレイビーソースというらしい)が中に詰まっていて、サクサクとした生地との相性が抜群。
片手で食べられるシチューのパイ包みって感じかな。
クロコダイルフィレロール、つまりワニ肉を挟んだパンはアッサリした味。
肉質としては鶏のささみに似ているだろうか。しかし、もっと噛み応えがあって「獣」って感じ。なんだかワイルドな気分になったぞ。
飲み物はどちらも日本人好みの味。
筆者は主にビールを飲んでいたが、カラッとした心地よい苦みとフルーティさがあって美味しかった。レモネードも甘ったるさがなく適度に爽やかで、これからの季節にピッタリだね!
・マレーシア/ロティチャナイなど
続いてやってきたのは東南アジア・常夏の国、マレーシアパビリオン。
実は筆者は子どもの頃にマレーシアに住んでいた時期があり、人一倍愛がある。
レストランはパビリオン入場者以外も利用可能で、店内飲食と持ち帰りのどちらもOK。席数が少ないため、テイクアウトして外のベンチで食べている人がほとんどだったかな。
メニューにはチキンカレーやナシゴレンなどさまざまなマレーシア料理が並び、見ているだけヨダレが垂れそう。
そんな中で、筆者的に一番オススメしたい料理は……
ずばり『ロティチャナイ(税込1814円)』!
ロティチャナイとは、バターたっぷりの生地を薄くのばして重ねて焼いたモチモチ食感のパン。チキンカレーと野菜カレーがセットになっていて、ナンのようなイメージでつけながら食べると美味しい。
表面はパリパリ中はモチモチな生地は、筆者がかつてマレーシアで食べたロティチャナイそのまま。再現度半端ないな、さすが万博。
しかし、日本ではナンほど馴染みのないロティチャナイ。一体どうやって提供しているんだろう? と不思議に思ったところ、
……うおぉっ!!
現地で生地を作っているだとぉ〜〜っ!?!?
彼は現地のロティチャナイ職人だそうで、普段は黙々と、お客さんがいる時は上の画像のように派手に回してパフォーマンスしながら生地を作り続けていた。
さらにマレーシアの雰囲気を味わいたい人にオススメなのが、飲み物『テータレ(税込700円)』。
濃いめの紅茶に練乳がたっぷり入った激甘ミルクティーで、職人が両手に持ったふたつのコップに何度も移し替えながら混ぜ合わせるのが特徴だ。最初は甘すぎて驚くかもしれないが、ロティチャナイやカレーと合わせると意外とサラッと飲める。
現地ではこのテータレを派手に混ぜ合わせて技術を競うコンテストも開かれているのだが、さすがに万博会場では難しいらしく、キッチンの奥で女性スタッフが静かに作っていた。
ってことで、マレーシアで食べたのは合計2514円でした。テリマカシ〜っ!(マレーシア語でありがとう)
・台湾/ルーローハンなど
今回の万博訪問で唯一予約をしていたのが、台湾の玉山デジタルテック株式会社が出展している『テックワールド』というパビリオン。
館内では最新のタブレットやタッチパネルなどのデジタル技術を使い、台湾の美しい自然や未来の世界をリアルに感じさせてくれた。
パビリオンの出口にはテイクアウト専門のカフェ・物販がある。
このカフェは台湾発のライフスタイルショップ『新農生活』が提供しており、洗練された商品チョイスやメニューが魅力的。
注文したのはこちら。
・ルーローハン(税込1650円)
・おもちのシロップ煮ナツメヤシ包み(税込1450円)
・四季春ウーロン茶(税込750円)
・タピオカ四季春ウーロン茶ミルク(税込950円)
以上4点、合計4800円。
特に高額だったのが『おもちのシロップ煮ナツメヤシ(デーツ)包み』という、日本人からはまったく味の想像がつかないスイーツ。
たった6粒入りで1450円は高すぎだろ! と思ったのだが、好奇心に勝てなかった。
サラサラのシロップはほんのり温かく、ナツメヤシと餅とシロップの味がそれぞれ主張の強いままに組み合わさっていて、美味しいというよりも「異文化」って感じの味。
ぶっちゃけ2度目は買わないと思うが、こういうのは美味しいかどうかよりも実際に食べることに価値があるのだ。たぶん。
ルーローハンは、ご飯と具材が2段にわかれたテイクアウト牛丼スタイルでの提供。
見た目のインパクト以上に味が優しくて上品。人によっては物足りなさを感じるかもしれないが、カフェ&ショップやパビリオンの雰囲気にマッチしているように感じた。
タピオカも、日本でよく飲むものよりも甘さ控えめ。ウーロン茶が加糖だったのには驚いたが、お茶の香りを立てる繊細な甘さで美味しくいただけたよ。
すべて食べて感じたのは、新農生活が古き良き台湾を大切に丁寧に作り込まれた店だということ。個人的には、無印良品に共通するような精神を感じた。
・トルコ/トルコアイス
ラストでやって来たのは、トルコパビリオンのすぐ前にある屋台。
粘りっけのある唯一無二な質感が特徴のトルコアイス『ドンドゥルマ(税込800円)』を食べに来たのだ。
お金を払うと、スタッフさんがコーンにアイスを盛り付けてくれる。そのまま大人しく手渡してくれるかと思ったら……
サーバースティック(盛り付けに使う金属の棒)をたくみに操り、アイスをクルクル回して受け取らせないパフォーマンスが始まる。筆者も夢中でアイスに飛びつき、20秒ほど格闘した後ゲラゲラと笑いながらアイスを手渡してもらった。
ドンドゥルマはネバネバ&もったりとしていて、芋のようなでんぷん質を強く感じる口当たり。
ミルク感はほとんどなく、日本のバニラアイスを食べ慣れている人は「気持ち悪い」と感じるかもしれないほどの粘り気に、まさに万博的な異文化を感じられたぞ!
・1日の食事の合計金額は…
以上、4ヵ国のパビリオンで食事を購入することができた。
今回筆者は小さい子どもを連れて行ったため、午前10時から午後7時までが活動の限界。そのためサウジアラビアやハンガリーといった人気レストランに並ぶことは諦め、気軽に立ち寄れるテイクアウトが中心となった。
大人だけで行く場合は、人の少ない早朝や夜を中心にさらに2〜3軒まわることも可能だろう。
最後に、なによりも重要なこの日の食事の合計金額を発表しよう。
4ヵ国11品の金額を合わせると……
1万2314円!
わかっちゃいたけど、高っっっっけぇ〜〜〜っ!!!!
この記事を読んで「そんなに払う価値ないよ」と思う人もいるかもしれない。否定はできない。だって1万2000円って、高級レストランでコースを頼める金額だ。
しかし、筆者個人としてはワニやロティチャナイのような珍しいものを食べられて満足。こういう時に我慢しなくてもいいように毎日働いてるんだよね。
パビリオンの料理でお腹を見たそうと思ったら、コスパなんて甘っちょろいことを言ってはいけない。逆に言えば、お金をかけたくない方はフードコートやキッチンカーの利用、もしくは自分で食事を持ち込むのがオススメだ。
参考リンク:大阪・関西万博公式
執筆:高木はるか
Photo:RocketNews24.
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