夏におすすめ、いつでも涼しい大谷石採掘場「地下神殿」とおすすめグルメ

2023年6月16日(金)12時0分 JBpress

年々猛暑が厳しくなり、万全な熱中症対策が必要な日本の夏。そんな真夏におすすめしたいのが、真夏でも涼しい栃木県宇都宮市の大谷(おおや)資料館です。

取材・文=TEAM GOKUH 取材協力=春燈社(小西眞由美) 写真=フォトライブラリー


建築家ライトが愛した大谷石の採掘場

 大谷石の採掘場跡を見学できる博物館「大谷資料館」は、宇都宮駅からバスで30分、車だと東北自動車道鹿沼インターから約20分(13km)ほどのところにあります。

 大谷石は、栃木県宇都宮市大谷町付近一帯から採掘される、灰緑色系の凝固石です。かつては露天掘りでつるはしによって採石されていましたが、現在は地下数十メートルの石切場で、チェーンソーによって掘り出されています。

 大谷石は火に強く、1000度以上の熱にも耐えられ、また、とても軽くて柔らかく、加工もしやすいため、古くから建造物に使われてきました。現在は石仏や石塔、民芸品、建物の内外装材として幅広く用いられています。

 1905年に初来日し、日本の近代建築に大きな影響を与えたアメリカの建築家フランク・ロイド・ライトは、大谷石の風合いに大きな魅力を感じます。そして1922年、帝国ホテル本館を設計した際、大谷石を大胆に取り入れたのです。その結果、帝国ホテルは数あるライトの名建築のなかでも傑作といわれる建築物となり、大谷石も全国的に有名になりました。


人気アーティストや映画の撮影地

 博物館入り口の脇には切り出された断面が露出している巨大な岩山があり、坑内に入ると、目の前に約2万平方メートルの巨大な抗内空間が広がります。天井も高く、間接照明やところどころにある窓から差し込む光が神秘的で、まるで神殿のような空間です。

 音の響きや岩肌のざらっとした感じなどと相まって、異空間に迷い込んだような感覚になります。さらに梅雨でも湿気がなく、真夏でもジャケットが必要なほどの涼しさ。これは大谷石に含まれるゼオライトという鉱石の効果で、消臭や防カビも期待できるそうです。

 この幻想的な雰囲気から有名アーティストのミュージックビデオやCM、劇場用映画、TV番組やドラマの撮影場所にも数多く使われていいます。

 たとえば長澤まさみさんやKis-My-Ft2の写真集、GRAYの東京ドームコンサートのパンフレット、東方神起のライブツアー用映像撮影のほか、劇場映画では「新・妖怪大戦争」「翔んで埼玉」「刀剣乱舞」「仮面ライダーシリーズ」「暗殺教室」「るろうに剣心 京都花火編」「LIAR GAME final stage」、今年4月公開の話題映画「世界の終わりから」、TVドラマ「イチケイのカラス」「イノセンス 免罪弁護士」などなど。そのため、聖地巡礼に訪れる人も少なくありません。最近では、大谷翔平さんの資料館と勘違いして来館する人もいるそうです。

※入館時間は4月〜11月9:00〜17:00(最終入館16:30まで) 12月〜3月9:00〜16:30(最終入館16:00まで)

入場料:大人800円 子供:400円(小・中学生)4月〜11月は無休。


大谷観音・平和観音と宇都宮餃子

 資料館で涼をとったあとは、すぐそばの大谷寺へ。ご本尊の千手観音(高さ4m)は、平安時代(810年)、弘法大師の作と伝えられています。ご本尊の千手観音はじめ脇堂の釈迦三尊・薬師三尊・阿弥陀三尊の合計10躰の石仏は、国の特別史跡と重要文化財に指定されています。東の磨崖仏として知られ、美術的にも優れた貴重な石仏です。

 大谷寺の向かい側の岩壁に彫られているのが、太平洋戦争の戦死戦没者の供養と、世界平和を祈って彫刻された高さ27メートルの観音像「平和観音」です。東京芸術大学教授・飛田朝次郎氏が制作を手がけ、大谷の石工達が6年の歳月をかけて彫刻。昭和29年に完成しました。

 1日の最後は、宇都宮名物の餃子とビールですね。東武宇都宮線東武宇都宮駅東口から徒歩約7分「来らっせ本店」には、「宇都宮みんみん」「めんめん」「香蘭」「龍門」「さつき」という人気の5店の餃子が食べられる常設店舗、30種類の餃子を曜日ごとに日替わりで提供し、1皿で5店舗の味を楽しめる「盛合わせ」もある日替わり店舗、お土産コーナーがあります。

 宇都宮餃子のテッパンは「宇都宮みんみん」と「正嗣」ですが、おすすめしたいのはJR宇都宮駅から車で約20分のところにある「うつのみや幸楽」です。焼き餃子や水餃子はもちろん、さっぱり味のラーメンも美味しいお店です。観光客にも地元の方にも人気のお店ですが、夜営業開始の16:30頃が比較的空いているのでねらいめです。

 また、宇都宮は「カクテルの街」とも呼ばれ、バーテンダーのいるお店が多いことでも知られています。

 バーを梯子して1泊してもよいですし、日帰りでもしっかり堪能できるのが宇都宮。ぜひ気軽に行ってみてください。

筆者:TEAM GOKUH

JBpress

「採掘」をもっと詳しく

「採掘」のニュース

「採掘」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ