【自由研究】意外と知らない天気の知識…雲に触る夢はペットボトル実験ですぐ叶う?

2022年7月25日(月)9時45分 リセマム

ペットボトルでできる雲のつくり方

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毎日のように触れている天気や空。身近な存在のようで、実は知られていないこともまだまだ多い。夏休みの機会に、天気について「知っておくと便利なこと」や「意外な知識」を身に付けながら自由研究に役立ててみてはいかがだろうか。

 雲研究者であり、気象庁気象研究所の研究官である荒木健太郎氏の著書で、25万部突破のベストセラーの「すごすぎる天気の図鑑」が、もっと詳しく濃くなった第2弾「もっとすごすぎる天気の図鑑 空のふしきがすべてわかる!」から「雲をつくる」2つの方法をご紹介する。作る過程を通して、雲ができる仕組みも学べるのが特徴だ。身近なもので簡単にできるので、ぜひとも挑戦してみてほしい。

ペットボトルですぐできる雲のつくり方


 雲と気軽にふれ合いたい——そんなみなさんに朗報です。雲はペットボトルで簡単につくることができるのです。

 まず、空のペットボトル(炭酸飲料)、アルコール消毒スプレー、100円ショップなどにある炭酸キーパー(ペットボトルにつけて炭酸飲料の炭酸を抜けにくくするキャップ)を用意します。ペットボトル内に消毒液をスプレーし(図(1))、炭酸キーパーをセットして何度も押してから((2))、キャップを開けば一瞬で雲のできあがりです((3))。炭酸キーパーを押すとペットボトル内だけ気圧(空気がものを押す力)が上がり、キャップを開けると周囲の空気との気圧差のためにペットボトル内の空気がふくらみます(断熱膨張)。すると空気はふくらむためのエネルギーに自分の熱を使うので温度が下がり(断熱冷却)、空気が飽和して雲ができるのです。

ペットボトルでできる雲のつくり方

 これは、地上の空気が気圧の低い上空に昇り、雲ができるしくみと同じです。簡単にできるのでチャレンジしてみましょう!

雲ができるしくみ


炭酸キーパーなしでも雲はつくれる


炭酸キーパーなしで雲をつくる豆知識

アイスキャンディーでも雲をつくれる


 アイスキャンディー(アイス)をビニール袋から出したとき、白いモヤモヤしたものが出ているのを見たことはないでしょうか。じつはこれも雲なのです。

 アイスを袋から取り出した直後、アイスの温度はまだ氷点下です。そのアイスの表面付近で空気が冷やされると、空気に含むことのできる水蒸気の量が減り、空気が飽和して雲が発生します。このとき、冷たい空気は暖かい空気に比べて密度が大きく、重いという性質があるため、アイス付近で冷やされた空気は下降気流をつくります。アイスでできたアイス雲はこの流れに乗り、下向きに流れていくのです。

アイスキャンディーの白いモヤモヤは雲

 保冷剤としても使われるドライアイスを水に入れたときに流れ出る煙も、このしくみで生まれた雲が冷たい空気の流れに乗ったものです。実際の空では、冷たい海や陸で暖かく湿った空気が冷えて水蒸気が凝結する移流霧が同じしくみで起こっています。

ドライアイス雲と移流霧


アイスのモヤモヤ豆知識

 アイスのモヤモヤを見かけたら手をかざし、ヒヤッとする空の雲を感じてみては。

(協力:KADOKAWA)

リセマム

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