【熱狂パリ五輪】バレーボール女子の予選ラウンド、ブラジルとは3大会連続の「腐れ縁」、初戦のポーランドがカギ
2024年7月26日(金)8時0分 JBpress
文=松原孝臣
初戦は7/28のポーランド戦
国際大会「ネーションズリーグ」でパリオリンピック出場権を獲得し、銀メダルを獲得。2014年のワールドグランプリ(当時)以来の表彰台に上がり、上り調子のバレーボール女子日本代表。
迎えるパリオリンピックは、1勝4敗で予選ラウンド敗退に終わった東京大会のリベンジを果たす舞台でもある。
男子と同様、パリオリンピックのバレーボールには12チームが参加し、3つのグループに分かれて総当たりで戦い、各グループの上位2チームおよび3位になったチームのうち成績のよい2チームの計8チームが決勝トーナメントに進出する仕組みだ。その後の決勝ラウンドでは準々決勝、準決勝、3位決定戦、決勝と進む。
グループの結果、世界ランキング5位の日本はグループBとなった。同じ組で戦うのは、世界ランキングが高い順に、ブラジル(世界ランキング2位)、ポーランド(4位)、ケニア(20位)となっている。
スケジュールは次の通りだ(日本時間。現地時間は−7時間)
7月28日20時〜 ポーランド
8月1日20時〜 ブラジル
8月3日20時〜 ケニア
準々決勝は8月6・7日、準決勝は8月8・9日、3位決定戦と決勝は8月11日にスケジュールされている。
その組み合わせが決まったときに、眞鍋政義監督はこうコメントしている。
「個人としてはまず、東京大会以上の成績を目指し予選突破(準々決勝進出)に全力を注ぐ。世界ランキングで(日本より)下位に位置するケニアには確実に勝利したい。ポーランドにはVNL(ネーションズリーグ)の予選ラウンドでストレート負けを喫しており、間違いなく難敵。そして2022年世界選手権、2023年パリオリンピック予選でも対戦し、悔しい思いをさせられたブラジル。オリンピックではリオ大会、東京大会に続き3大会連続予選ラウンド同組で、もはや腐れ縁」
その言葉にあるように、日本が勝ち上がるためにはケニアに勝利することは必須。その上でポイントになるのは初戦のポーランドになる。
身長で海外に劣る日本の対策
ポーランドは近年力をつけ、2008年北京大会以来のオリンピック出場をつかんだ。チームの柱は203cmのマグダレナ・スティシャク。昨年の欧州選手権でバストアウトサイドヒッター賞を受賞したスパイカーで、スティシャクをはじめとする高さも脅威だ。眞鍋監督の言葉のとおり、今年のネーションズリーグで日本はポーランドと対戦し0−3で敗れている。
むろん、ポーランドに限らず身長で海外に劣る日本は、その対策も講じてきた。眞鍋監督が就任後、「サーブ、サーブレシーブ、ディフェンスで世界一をとる」をテーマに強化。粘り強いレシーブに加え、鍛えてきたサーブで相手を崩し、相手の攻撃の選択肢を狭めてやすやすとアタックをさせないことがその1つだ。
細かなところを磨くことで高さに対抗することに重点を置いて歩んできた。それが功を奏すれば勝機が見えてくる。
ブラジルは強豪の中の強豪と言ってよい存在。2008年北京、2012年ロンドンの覇者であり、東京大会では銀メダルを獲得している。その東京の主要メンバーも残っている。
ただ、ネーションズリーグで日本はブラジルと2度対戦し、予選ラウンドでは2−3のフルセットで惜敗、準決勝では3−2で勝利と、拮抗した勝負を繰り広げた。勝利したゲームでは、ディフェンスの精度の高さが相手にプレッシャーを与え、その結果を呼び込んだ。臆することなく臨めば、勝利は不可能ではない。
また、どのような内容で成績をおさめられるかもかかわってくる。各グループの3位のうち2チームは決勝トーナメントに進めるからだ。だからケニアにはストレート勝ちをおさめるのが理想で、ポーランド、ブラジルとの対戦でも、仮に敗れたとしてもセットをより多く奪うなど競り合うことが鍵を握る。
パリ大会を最後に引退を表明している主将の古賀紗理那、エースであり石川祐希の妹である石川真佑ら、東京大会に出場した選手にとっては、予選敗退にとどまった東京のリベンジを期す場でもある。
日本女子復権を高らかに掲げる大会となるかどうか。勝負のときが始まろうとしている。
筆者:松原 孝臣