大学・研究機関、他社牽制力ランキング2022…2位は東大

2023年8月14日(月)10時45分 リセマム

大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022

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パテント・リザルトは2023年8月9日、「大学・研究機関業界」の特許を対象に、2022年の特許審査過程において他社特許への拒絶理由として引用された特許件数を企業別に集計した「大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022」を発表した。1位は産業技術総合研究所、2位は東京大学となった。

 ランキングの集計対象は、日本特許庁に特許出願され、2022年12月までに公開されたすべての特許のうち、2022年1月から12月末までの期間に拒絶理由(拒絶理由通知または拒絶査定)として引用された特許を抽出。なお、ランキングでは、権利移転を反映した集計を行っている。2023年5月末時点で権利を保有している企業の名義でランキングしているため、出願時と企業名が異なる可能性がある。業種は総務省の日本標準産業分類を参考に分類している。

 集計の結果、2022年にもっとも引用された企業は、1位が産業技術総合研究所、2位は東京大学、3位は科学技術振興機構となった。産業技術総合研究所のもっとも引用された特許は「負極集電体からの負極合剤の剥離や、負極活物質の脱離を防ぎ、寿命特性に優れた非水電解質二次電池」に関する技術で、クラレやマクセルなど計5件の審査過程で引用されている。このほかには「化学物質センサシステム」に関する技術が引用された件数の多い特許としてあげられ、コニクインコーポレイテッドなどの計5件の拒絶理由として引用されている。2022年に、産業技術総合研究所の特許によって影響を受けた件数がもっとも多い企業は富士電機(13件)、ついで豊田中央研究所(12件)となっている。

 2位の東京大学でもっとも引用された特許は「反応系の改善によりpH管理を容易にするとともに反応容器の密閉を可能にしたセルロースナノファイバーの製造方法」に関する技術で、日本製紙などの計5件の審査過程で引用されている。このほか「交通事故発生予報装置」に関する技術が引用された件数の多い特許としてあげられ、東芝やNECの計4件の拒絶理由として引用されている。2022年に、東京大学の特許によって影響を受けた件数がもっとも多い企業はNEC(12件)、ついでトヨタ自動車(10件)。

 3位の科学技術振興機構のもっとも引用された特許は「歯の象牙質に形成されている象牙細管を封鎖するための象牙細管封鎖材」に関する技術。そのほか、4位の東北大学は「人体の血圧変動を簡便かつ非接触的に測定することが可能な生体情報計測装置」、5位の京都大学は「培地組成物を用いた細胞又は組織の培養方法」が、もっとも引用された特許としてあげられている。

◆大学・研究機関業界 他社牽制力ランキング2022
1位 産業技術総合研究所
2位 東京大学
3位 科学技術振興機構
4位 東北大学
5位 京都大学
6位 大阪大学
7位 UNIVERSITY OF CALIFORNIA
8位 東海国立大学機構
9位 東京工業大学
10位 農業・食品産業技術総合研究機構

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