好きな料理が楽しめない・・・再出発として選んだのは出張料理人〜食べてもらう人の笑顔がやりがい

2022年9月19日(月)17時0分 ココカラネクスト

アツシェフ

今までのキャリアやバックグラウンドについて教えてください

 高校卒業後に調理師学校に1年通い、都内の伝統ホテル内の料亭や麻布の高級しゃぶしゃぶのお店、冠婚葬祭・ケータリング関連のお店で働き、料理に携わってからもう30年になります。

 19歳の時に親元を離れ、1社目で出会った親方に男惚れし、30年以上の月日が流れ、実の父より長く顔を合わせていました。和食の世界では料理長のことを「オヤジ」と呼ぶのです。本人に何か聞くときには「親っさん」と呼びかけます。オヤジは展示会や料理人向け講師などもされている方で、頭のキレもよく、味付け、盛付のセンスが抜群。厳しい中にもやさしさが垣間見える、ピカイチでとにかくカッコよかったのです。

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アツシェフ 22歳 料理専門誌での紹介の様子

 和食の世界では、「総上がり」と言って、料理長と板前がセットで別の店に移ることがよくあります。私も素晴らしいオヤジに恵まれましたが、下に付いていく板前は、オヤジ次第で命運が決まってしまうところがあります。「次はこっちの店で働くぞ!!一緒に行くか?」というオヤジの一声でついていきました。伝統ホテルがリニューアルした時の料亭のオープニングスタッフとして参画しました。そこでは5年ほど働きました。

 3店舗目のしゃぶしゃぶ店に勤めると2年ほどで社長が行方知れずとなり、給料もまともに払ってもらえなくなり、退職を余儀なくされました。その後もオヤジと一緒に、冠婚葬祭などの仕出しを手がける会社に20年ほど勤め、神宮やお寺向けの料理や、おせち作り、メニュー開発、展示会、講師なども経験し2022年1月に退職しました。

なぜ和食の道を選ばれたのでしょうか

 調理学校を卒業して就職する際に、和洋中どれを専門にしようか悩んだのですが、母国の味でもあり、小さい頃からこっそりキッチンの後ろから母の料理を見て、味わうことが好きだったため、和食の道に進むことにしました。形のないものを形にし、味を付け、それが食卓にきれいに並ぶという工程が好きでした。幼いころからの楽しみから今があります。

 少し話がそれますが、私は趣味で多肉植物を育てていて、交配してみたりもしているのです。なにかを作り上げるとか育てるというのは、料理好きにも通ずるものがあるかもしれませんね。ほかにも熱帯魚やキャンドルも好きなんです。

料理を心から楽しむため原点に戻ることを決意〜出張シェフへの道

 働いていた会社の方針が大きく変わり、人とのコミュニケーションや交流がすべてデジタル化・監視化されました。営業さんから気軽に、お客さまからのおほめの言葉などの共有ができなくなっていました。誰が食べるか分からないお弁当やケータリングをたくさん作り続ける日々に疲れはて、心の底から料理を楽しめなくなり、休養を余儀なくされました。自分にとって料理を作ることの醍醐味やモチベーションは、食べてもらう人の笑顔や喜んだ姿を見ることだと気づいたからです。休養中にたまたま自宅でテレビを観ていたら、コロナ禍での料理人の新しい働き方として、シェアダインが紹介されているのを見て、「これだ!」と、いまいちど原点に戻ってみようと思い、すぐに登録し、出張料理人としての扉を開けました。

実際にお仕事をされてみた感想はいかがでしょうか

 出張シェフの仕事をしてみて、お店で働いていたときよりも、お客様の笑顔や喜んでいる姿が目の前で見られて、本当にこの仕事をして良かったとやりがいを感じています。お客様の反応が間近で見られるため、今は楽しみながら仕事をさせていただいています。自分のお店を持つという選択肢もありましたが、飲食店で働いていたからこそ、お店を持つ大変さも分かります。これまでの経験を生かし楽しく自分のペースで働きたいという思いと、一人でも多くのお客様に味わっていただきたいという思いがあって、出張シェフの仕事は今の自分のライフスタイルに合ってると思いどっぷりハマっています。

出張シェフのお仕事に不安はありませんでしたか

 収入面はもちろん不安でした。家族もいますし、生活もありますので。出張シェフを始めてすぐに、シェアダインさんで稼いでいるトップシェフのセミナーがあり、とても夢のあるお話でした。私も人気のシェフのようになりたいと日々奮闘しています。シェアダインさんのスポンサー制度を活用させていただき、お仕事はある程度いただけるようになりました。スタッフの方のサポートやインスタなどSNSでもご紹介いただき、少しずつ定期のお客様も増えています。

これからの展望についてお聞かせください

 私は和食料理をメインでやっているのですが、作り置き以外にもお食い初めや節句のお祝いなど、パーティー料理も増えてきています。お料理を提供するときには、「季節のものを入れること」を意識しています。余分な調味料などは極力使わずに、食材の味が引き出せるように作っています。板前ならではの手の込んだ、ワンランク上の料理を提供していきたいです。お客様にはぜひ、ご自宅に居ながら和食料理屋さながらの味を堪能して頂きたいと思います。

 今後はご家庭での料理教室やYouTubeなどを通じ、私が教わってきたことを伝えていきたいという気持ちもあります。みなさまへ和食の料理を広めていきたいですね。


[文:食の専門家による出張料理サービス「シェアダイン」]

※健康、ダイエット、運動等の方法、メソッドに関しては、あくまでも取材対象者の個人的な意見、ノウハウで、必ず効果がある事を保証するものではありません。

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