鶏油の光輝く鶏清湯ラーメン「頂」【長野ローカルラーメン】

2022年10月16日(日)11時30分 ソトコト

路線バスの減少とともに、使命を終えた「長野バスターミナル会館」


実は、今日ご紹介する「頂」(いただき)は、長野駅に近い古いビルの1階にある。
半世紀前の路線バス全盛期には、一日200〜300本も発着があったと言われる「長野バスターミナル会館」ビルがそれだ。
しかし、モータリゼーションが進み、路線バスが減少していくと、バスターミナルとしての機能も低下。昨年から「ターミナル会館」と名前を変えて、バスの駐停車場としての役割が中心になってしまった。
バス利用者や近隣オフィスの食事の場としての飲食店のほか、一時は生活用品のスーパーまで入居していたビルであったが、テナントは減少を続けていく。残っているお店は数店舗のみになってしまった。
決して条件がいいとは言えないそんなビルであるが、その一角に、4年前にあえて出店したのが「頂」である。




半世紀前、長野市内の路線バスは全てここを発着していた


こだわりの自家製麵


「頂」の店主、橋本さんは、父親が経営していたラーメン店で修業したのち、2018年10月に開業した。
「開業した頃と比べれば、麺もスープも大きく進化したと思います」と橋本さん。
特に「自家製麵にこだわっている」と言う橋本さんは、麺づくりに手間をかけている。
実際に麺になる前の生地を見せて頂いた。




寝かせておいた麺の生地


生地を作ったあとに足で踏む。営業中は生地を寝かせ、また水を加えるなどして、「麺をしっかり休ませる」のだそうだ。
そして営業後にまた足で踏んでまた生地を寝かせる。この手間に丸1日かけて、麺のストレスを和らげることで、コシもある滑らかな全粒粉の麺が出来上がる。





麺は、小野式製麺機と呼ばれる機械で製麺する。
「やっぱり自分で製麺しないとね」と橋本さん。
開業当初の頃から味が進化したというのは、「材料は大きく変えずに、こういう手間をかけたから」と言う。
「なるほど」と納得してしまう。




小野式製麺機


鶏油の風味豊かな鶏清湯ラーメンを味わう


メニューが豊富だ。
「ぜひ鶏清湯ラーメンを味わってください」とのことで、そちらの醤油味を注文。
あっさり鶏清湯580円は、安い!の一言。サラリーマンの多い場所柄、お財布に優しい値段設定である。
この日は、半熟味玉をトッピングさせて頂いた。







あっさり鶏清湯・醤油


鶏油の輝きはスープの輝きだ。
写真のとおり、きらきら輝くこの光はスープの風味を豊かにしていると確信してしまう。





麺は滑らかでコシもある。何しろ喉越しがいい。
醤油のキレは鼻先を抜けて、麺はするすると胃袋に流れ込む。
今まさに、ラーメンを食べる時の醍醐味を味わっている。





もっとパワーアップしたい!


「常に美味しいラーメンを作りたい」とお店を始めた橋本さん。
実は筆者は、2年前までこの近くのオフィスが勤務先だったので、このお店に数回来たことがある。
値段が安いこともあるが、味のクオリティの高さには感動したほどだ。
そのお店を取材することができて、筆者としては嬉しい限りである。
「もっともっとパワーアップして美味しいラーメンを提供したい」と言う店主の言葉には、
料理人としての心意気がこもっていたし、さらに応援したい気持ちにさせる。





店舗情報

住所: 長野県長野市中御所岡田178−2 長野バスターミナル会館
TEL: 公表なし
営業時間:11時00分〜14時30分 土日定休





文・写真:たこにわ
*店舗情報・メニュー内容は取材時点の内容でございます。

ソトコト

「ラーメン」をもっと詳しく

「ラーメン」のニュース

「ラーメン」のニュース

トピックス

x
BIGLOBE
トップへ