手描き看板の実演販売って何...? 職人の超絶テクを堪能できる「表札ライブ」に行ってみた

2019年11月4日(月)8時0分 Jタウンネット

家族の名前、お店の名前、メニューから「猛犬注意」の文字まで。字体も自由自在に、ありとあらゆるものをプレートに描いてくれる看板職人の存在をご存じだろうか。


そんな看板職人が、観客の前で作品を仕上げる一発勝負のパフォーマンスがある。その名も「表札ライブ」だ。


表札ライブを手掛けるのは、手描き看板屋「D-CAN(ディーキャン)」(群馬県高崎市)の金澤康俊さん。関東を中心とした様々なイベントに現れては、その鮮やかな手つきで見る人を魅了している。


実際にライブを見た人からは、


「うう...かわいい...。目の前で書いてくれます。職人技です、感動...。表札も作ってくれるよ!」
「下書きなしの手書きで圧倒...!部屋に飾ります」
「少しサビっぽくしてもらいました!最高 書体もたまらんです...」



といった声がツイッターで寄せられている。昭和レトロからアメリカンまで、看板の雰囲気も自由自在だ。


ぜひこの目でその様子を見てみたい...。というわけでJタウンネットは2019年10月26・27日、代々木公園のイベント訪れた金沢さんを取材。Jタウンネットの表札も作ってもらった。


30年以上にわたって描き続ける


金澤さんはアメリカの看板に憧れ、1985年に手描き看板屋を始めた。看板職人としては30年以上活動しており、表札ライブは2003年から行っている。


表札ライブに賭けているという金澤さん。その理由を聞いてみると、


「行きついたところが実演販売。これに勝るツールはないです。現在のところネットショップより断然収益が見込まれ、ある程度売り上げ予測が可能です」



と話している。


D-CANの公式サイトには表札ライブの日程が掲載されており、土日はほとんど出動している。プレートの注文数は多い時で1日30〜40枚、半分以上が後日配送になるという。平日も表札ライブ関連で忙しく、プレート作りや当日渡せなかった後日配送分の制作・出荷業務等を行っているとのことだ。


筆者がライブに訪れると、金澤さんはプレート制作中で、妻の優子さんがお客の対応に当たっていた。金澤さんが描いていると見物客が集まり、「かわいい」「すごい」といった声がどこからともなく聞こえる。真剣に動画を撮る客もおり、完成品だけでなくその過程までもが人を魅了していることがよくわかる。


最近の流行りは「昭和レトロ」


さっそく筆者のプレートも作ってもらおう。まずはプレートのサイズ・色を選ぶ。赤、こげ茶、アイボリーなど様々なカラーがある。サイズはL、M、S、XSサイズの4択。今回は「えんじ」のSサイズにした。


プレートを選んだら、注文書にデザインを描いていく。文字だけでなく、簡単なものであれば絵も描いてもらえるようだ。デザインが決まれば色や字体を指定するところだが、ここがなかなか悩むところだ。金澤さんによれば、最近は「昭和レトロ」風が人気だそうで、


「アルファベット表札全盛時代が過ぎ、昭和レトロ風表札・看板がメインになりつつあります。昭和レトロがアルファベット表札のテリトリーを脅かしております」



と話す。外国人のお客にも「昭和レトロ」は人気だ。


注文書を書いてもすぐに作ってもらえるとは限らない。先客の注文がある時は予定時間が告げられ、他で時間を潰して後で受け取りに来る、もしくは後日配送となる。受け取り時刻より少し早めに来ることで、実演を見ることができるというわけだ。


金澤さんは注文書のデザインを何度も見ながらプレートを制作していく。テープで文字の大きさを決め、細筆にペンキをつけて描く。下書きは一切せず、まさに一発勝負だ。


筆者が指定したのは「あなたの街の情報サイト Jタウンネット編集部」。文字数ちょっと多すぎたかも...そんな不安をよそに、金澤さんはテープをうまく使ってすらすらと描いていく。


待つことおよそ40分——ついにJタウンネットのプレートが完成した。


これはすごい...。字画の多い漢字もあったが、潰れているところが全くない。文字のバランスも良いし、何よりかわいい。裏にはマグネットを付けてもらった。


「文字数多くなかったですか?」と聞くと、金澤さんは「これくらいがちょうどいい」。さすがプロだ。


価格はアルファベット表札Sサイズ2000円、Mサイズ2500円、Lサイズ3000円のほか、作りたいプレートの種類によって変動する。

Jタウンネット

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