ユタの血を引く霊能者の修行内容を公開! 手順を間違えたら目眩と吐き気…神仏と「妖し」の違いとは?

2022年11月6日(日)17時0分 tocana


「医者半分、ユタ半分」沖縄では古くから民間信仰カウンセラーとして霊能者「ユタ」が受け入れられてきた。ユタとは、女性の霊能者であり、男性は「トキ」という。トキとは時代や戦況の流れの「時を読む者」である。琉球王朝時代、国策に携わる参謀・軍師のような仕事をした男たちだ。現代の「トキ」になるべく修行する霊能者・高江洲氏に話を聞いた。


インタビュー前編はこちら


——どのように視えますか?


高江洲康之(以下、高江洲) 視え方は人によると思いますが、私の場合は人物に覆いかぶさるように、頭に映像が浮かぶんですね。つまり人物が二重になる。中には「霊能力者になりたい!」「霊を視たい!」と聞いてくる人もいますが、良いことないですよ。たとえば、疲れて帰ってきて寝ようと横になったのに、誰もいない自宅で耳元で念仏を唱えられる、朝起きると誰かが自分の足元に座っている、そんな経験したいですか。したくないですよね(笑)。霊能者になるなんてのは、そういった事柄が漏れなく付いてくるんです。


 正直、今年の2月頃までは、自分に占いができる、何かが視えたり聞こえたりすることについて「本当なのか」と自問自答しながらやってきました。しかしユタや霊能者の方々の助力によって、今後2年間くらいは修行を積んで、この能力を使って世のため人のために働いていこうと考えるようになりました。


——どのような修行を?


高江洲 とある高名なユタの方にSNS上で出会いまして、この人は祖母と同じような安心感があるなと思って。月に一度くらい面談して疑問に答えて頂きました。また、その他にも霊能者と会って指針を得ました。異変の原因が神ダーリ(神憑り)とわかったので、他人のために善いことをする、たとえば占いをしたり霊視をしたりすると、だんだんと症状も緩和して改善してきました。通院はしても現在は断薬して暮らせています。


 また、この夏に関東・関西ふくむ全国を2カ月かけて回りました。普段、私は沖縄にいますが、相談者は全国から来られますし、毎回対応できるわけではないですから全国各地の寺社仏閣、神仏の皆様方と縁をつなぐために御挨拶に伺うんです。「沖縄より参りました高江洲でございます、こちらへ参拝するように相談者にお伝えすることがありますが、何卒よろしくお願い申し上げます」と。だいたい数時間では終わらないですね。きちんとした挨拶と拝礼、祈願とお願いですから。でも、こうした縁をお願いして繋いでおくと、相談者さんの後々がよいんです。


——拝むだけですか?



高江洲 拝むにしても、それぞれの神様にきちんとした正式な手順があるんです。その手順を間違えるのは大変失礼なんです。師匠に連れられて、ある神社に参拝へ行きました。もちろん初めてですから最大限の敬意をもって拝礼しましたよ。しかし私が手順を間違えた。その途端、目眩と吐き気がして立っていられなくなったんです。師匠がいうんです、「どうだった?」と。つまり師匠は私がミスを犯すことまで知っていて、神仏への礼儀を踏まえないとどうなるか、それを体験させるために連れて来たんです。ただ拝むだけではないんです。


 また拝みや祓いのためには肉食をやめて節制断酒し、心身を浄めなくてはなりません。神仏の前にお願いに出るのですから欲にまみれて獣臭いままでは駄目なんですね。だから相談者さんが「近くにいるなら美味しい食事でも!」と誘って下さることも多いんですが、全部お断りすることになります。


——高野山にも参拝されたと?


高江洲 修行の一環で、高野山にもご挨拶に伺いました。入った途端、樹々の上からは「妖し」がこちらを眺めているし、そこに眠る人々からも、かなりの圧を感じました。そして高野山奥之院御廟です。弘法大師空海が今なお瞑想される場所です。その前に来た瞬間、身体が勝手にひざをつきました。奇妙な言い方ですが、人間ではなく神様にお会いした感じです。平伏拝礼のち、ただただ感謝が溢れてきました。光に照らされた感覚とでもいいましょうか。


 せっかく沖縄から高野山まで出てきたので、他にも諸々と回って伺いたいと思っていましたが、奥之院御廟で言葉に尽くせない経験をしたので、もう完全に満足してしまって、そのまま帰路につきました。


——神仏と霊は何が違いますか?


高江洲 あくまで私の実感ですが、仏様は古くからいらっしゃる存在です。神様は人が成っていくものと考えています。獣型の神は人間由来ではないことが多いように思います。神様でも人型と獣型とあるのですが、獣型は神の眷属である場合が多いんですね。それは、やはり本能で動いてしまうから、まだ神になれないという印象です。では「妖し」とは何かといいますと、もともとは呪い、うらみ・つらみだったり、動物霊が変化したものが多いですね。竜神は、天候とサイズや能力から考えて地球上の動物由来ではないですし、蛇が竜神になるわけではないです。あくまで私見ですよ。


 これらに対して、霊は、元人間です。そして霊能者も人間です。自分がされて嫌なことは霊にもしない。死者を嘲らず挑発しない。弔いと敬意の心をもって接することが大事です。それぞれに専門があるのですが、ユタやトキの本来の仕事は、元人間や神仏と交渉し問題を解決することです。普通の人が関わらなくてもよい世界ですが、問題が起こってしまったときのために、私のような人間がいるんです。皆さんは深入りしないほうが良いですよ(苦笑)。


ーーありがとうございました。


高江洲さんのTwitter:@Kumadakumagoro1


高江洲さんのlit.link:kumagorun

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