NISA利用者に聞いた、最大の目的は? - 2024年8月日経平均株価暴落後も「特に何もせず様子を見る」が最多

2024年12月25日(水)13時32分 マイナビニュース


ウェルネス総合投資アカデミーは12月24日、「個人投資家のNISA・iDeCo活用実態」に関する調査の結果を発表した。調査は2024年12月6日〜12月7日、NISAの利用経験がある1,027人を対象にインターネットで行われた。
○NISAの目的と年間の投資額
「NISAをどのような目的で行っていますか(行っていましたか)?(複数回答可)」と質問したところ、「老後の資産形成(70.3%)」と回答した人が最も多く、「余剰資金を有効活用するため(36.5%)」「将来の大きな出費に備えるため(31.4%)」と続いた。老後の資産形成が突出して多く、NISAが長期的な資産形成手段として活用されていることがわかる。
次に、「年間どれくらいの金額をNISAに充てていますか(充てていましたか)?」と質問したところ、「10〜50万円未満(23.9%)」と回答した人が最も多く、「50〜100万円未満(20.4%)」「100〜150万円未満(20.1%)」と続いた。年間の投資金額は50万円未満が主流だが、一定数が100万円以上の投資を行っているようだ。
○日経平均株価の暴落を受けて…
2024年8月の日経平均株価の暴落をどう感じたか質問したところ、「一過性のものとして気にしない」(40代/男性/会社員)、「すぐに慌てず、しばらく状況を監視しようと考えた」(50代/男性/会社員)、「NISAでお買い得の絶好の機会だと思った」(50代/男性/会社員)といった回答が寄せられた。気にしていない人や、逆に購入のよい機会だと考えた人もおり、日経平均株価の暴落に危機感を覚えている様子はないことがうかがえる。
「日経平均株価の暴落を受けて、NISAに関する対応としてどのような選択をしましたか?(複数選択可)」と質問したところ、「特に何もせず、様子を見る(56.4%)」と回答した人が最も多く、「新たな買い増しを検討(19.5%)」「投資計画を見直す(9.5%)」と続いた。日経平均株価の暴落時に多くの人が冷静に様子を見ており、積極的に買い増しを検討した人も一定数いることが示された。
では、投資の判断をするために、どのように情報収集をしているのか。「投資額や、暴落時の対応は何を参考に判断していますか?(複数回答可)」と質問したところ、「インターネットやSNSの情報(49.3%)」と回答した方が最も多く、「過去の経験や知識(33.4%)」「経済ニュースや市場レポート(33.1%)」と続いた。インターネットやSNSが最も活用されており、手軽に情報収集できるメディアの影響力が大きいことがうかがえる。
「NISAでは、損失が出ても翌年以降にその損失を繰り越して計上できないことをご存じですか?」と質問したところ、「知っている(60.4%)」と回答した人が最も多く、「知らない(23.5%)」「なんとなく知っているが詳しく分からない(16.1%)」と続いた。約6割がNISAの制度の内容を正確に把握しているものの、約4割が詳細を理解していないことが明らかとなった。メリットだけでなく、こうした制約についてもしっかりと理解を深める必要性がうかがえる。
○iDeCoを検討している方はどれくらい?
次に、NISAの利用経験がある人は、iDeCoについてはどのように考えているのか尋ねた。
「iDeCo(個人型確定拠出年金)の利用を検討したことはありますか?」と質問したところ、「現在利用している(31.8%)」と回答した人が最も多く、「知っているが検討したことはない(27.7%)」「検討中である(18.0%)」と続いた。iDeCo利用者は約3割だが、非利用者も含めて認知度は高いようだ。
前の質問で「現在利用している」「検討中である」と回答した人に、「iDeCoにどのようなメリットを感じていますか?(複数回答可)」と質問したところ、「掛金が全額所得控除になることで節税できる(60.9%)」と回答した人が最も多く、「運用益が非課税になる(55.5%)」「老後資産を計画的に形成できる(44.7%)」と続いた。節税効果や運用益が非課税であることに魅力を感じている人が多く、税制優遇がiDeCo利用の大きな動機となっているようだ。
前の質問で「検討中である」「検討したが加入しなかった」「知っているが検討したことはない」と回答した人に、「iDeCoを利用していない理由を教えてください(複数回答可)」と質問したところ、「資金が途中で引き出せないことに不安を感じる(26.0%)」と回答した人が最も多く、「余裕資金がない(24.1%)」「手続きが面倒(21.4%)」と続いた。資金を途中で引き出せないことが最大の懸念事項となっており、余裕資金のなさや手続きの煩雑さも利用を妨げる要因となっていることがうかがえる。
最後に、現在は課税が凍結されているものの、年金資産評価額に、一律の特別法人税が課税されることについてどのように考えているか尋ねた。
「これからも凍結してほしい」(20代/女性/会社員)、「絶対に廃止するべき」(30代/男性/会社員)、「投資額の減額を考える 別の資産運用を考える」(30代/女性/会社員)、「初めて知ったのでよくわからないが、自分の年金が減るなら困る」(40代/女性/会社員)、「悲しいけれど、しょうがない」(40代/女性/会社員)、「せっかく苦労して貯めたお金に課税はおかしいと思う」(50代/男性/会社員)、「まったく知らなかった」(50代/男性/会社員)といった回答が寄せられた。
多くの人が特別法人税に対し否定的な感情を抱いていることがうかがえる。「廃止すべき」「凍結継続を希望」といった意見が目立つ一方で、制度自体を「知らなかった」という回答も一定数見られ、制度自体の認知度が低いことが浮き彫りになった。

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