愛子さま(23)はクリーム色のロングドレスで…歌会始の儀で見えた佳子さま(30)の孤愁と「天皇家の団らん」
2025年2月11日(火)7時0分 文春オンライン
1月22日に開かれた、新年恒例の宮中行事「歌会始の儀」。ひときわ注目を集めたのが、天皇皇后の長女・愛子さまだ。昨春に大学を卒業し、初めてのご参列だった。
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雅子さまのお召し物を仕立て直して、受け継がれた
歌会始選者であり、皇室の和歌の相談役である御用掛も務める歌人・永田和宏氏が振り返る。
「愛子さまの初めてのお出ましを楽しみにしていました。すっとして、とても気品のあるお姿でした。お召し物も本当によく似合っておられた。愛子さまが入られたことで一挙に座が華やいだ気がしました」
愛子さまは、クリーム色のロングドレスに帽子を合わせた正装でご登場。実は、
「フリルをあしらったジャケットが特徴的で、見覚えが。雅子さまが2019年ごろまで、式典などで着ておられたものとそっくりなのです。仕立て直して、受け継がれたのでしょう」(皇室ジャーナリスト)
「『夢』といえばこのこと」愛子さまの強い思いを感じた
今年のお題「夢」では、こんな歌を詠まれた。
〈我が友とふたたび会はむその日まで追ひかけてゆくそれぞれの夢〉
学習院大を卒業し、友人と各々の夢に向かって励むことへの感慨がこもる。
「学生生活を振り返って、ではなく、前を見つめた友情と志のお歌という点が新鮮です。無限の可能性を感じさせ、お題のイメージを爽やかに生かしています」(選者・三枝昂之氏)
永田氏は「夢」の詠み方に、愛子さまの強い思いを感じたという。
「愛子さまは、今年は3首ほど考えてこられましたが、全て『卒業し友人と互いの夢に向かう』という、同じ場面のお歌でした。『夢』といえばこのことだと、心に決めておられたようです」
日ごろ、皇族方とは、メールでやりとりをすることが多いという永田氏。ご一家の団らんが浮かぶような、こんなエピソードがある。
「天皇陛下は、皇后さまの歌も『一緒に見てください』とメールで送ってこられます。愛子さまの歌についても言及されていた。ご一家で、見せ合いながら作っておられるのでしょう」
大人としての安定感と、少しの切なさが響く佳子さまの歌
一方、同じ若き詠み手として、進化を見せたのが秋篠宮家の次女・佳子さまだ。
〈キャンバスに夢中になりて描きゐしかの日のことはなほあざやかに〉
幼少時、工作や絵に夢中になったことをふりかえって詠まれたこのお歌。成熟した大人としての安定感と、少しの切なさが響くという。
「過去を懐かしむと同時に、『あれほど時間を忘れて夢中になれるようなことは、今あるのだろうか』。そんな過ぎていった時間へのお気持ちも考えさせる歌です。お二人の、時間の捉え方の違いがおのずから浮かびます」(永田氏)
積み重ねた技巧も光る。
「『鮮やかに心に残っているのですよ』という声が余韻として広がる。大変効果的な収め方です」(三枝氏)
日本赤十字社での勤務に忙しくされる愛子さまに比べ、佳子さまはそのご公務の多さも顕著だ。歌会始の二日前に開かれた「聴覚障害児を育てたお母さんと家族をたたえる会」の出席を見送られ、話題を呼んだ。
![](https://news.biglobe.ne.jp/domestic/0211/0330587790/bso_0330587790_1_thum800.jpg)
「紀子さまから引継ぎ、例年お出ましだった催しだけに『ご多忙で公務の数を整理されるのでは』という声もあがった」(前出・ジャーナリスト)
主催側は昨秋、佳子さまご出席のための日程を宮内庁と調整。だが12月、「ご都合により」と不参加の連絡が届いたという。
「詳しい折衝の経緯は分かりません。が、この会を巡っては、庁内で少し疑問視する声が上がっていたことは確か。78年から続く歴史ある催しですが『お母さんの苦労をしのぶ』が会の主な趣旨。子育ても男女平等が基本の昨今、皇室が出向くには……という理由です」(宮内庁関係者)
分室にお一人で住まい、歌はご自身で推敲
かつて佳子さまは、歌会始の歌を姉・眞子さんと、同じ部屋で一緒に作って提出されていた。今、眞子さんはニューヨークに渡り、佳子さまは秋篠宮邸の分室にお一人で住まう。
「天皇ご一家とは違い、ご両親には相談せず、歌はご自身で推敲していらっしゃるそうです」(同前)
独立したひとりの成年皇族として。同時に、幼少時を懐かしむひとりの女性として。穏やかな孤愁の窓辺が、歌の向こうに見える。
(「週刊文春」編集部/週刊文春 2025年2月6日号)