【整体プロが指南】認知症になりやすい人に足りない「2つの習慣」

2024年3月31日(日)6時0分 ダイヤモンドオンライン

【整体プロが指南】認知症になりやすい人に足りない「2つの習慣」

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「自力整体」とは、整体プロの技法を自分におこなう人気メソッドです。「家族の認知症の症状が和らいだ」「熟睡できた」「慢性痛から解放された」「脊柱管狭窄症の痛みが和らいだ」など、多くの声が寄せられています。今回、3分以内で痛みや不調を解決するワークを集めた『すぐできる自力整体』が発売。著者の矢上真理恵さんは、「不調のほとんどは自力整体で解消できる」と語ります。現在、自力整体は1万2000名が実践。その1/4(約3000名)は70歳以上。痛みや不調改善のほか、認知症の予防・改善のために実践される方も多いそうです。そこで今回は、自力整体の考案者であり、50年近く、鍼灸師・整体治療家・ヨガ講師の経験をもとに予防医学を研究する矢上裕さん(矢上真理恵さんのお父様)に、「認知症の予防・改善」について、お話をうかがいました。監修:矢上 裕 矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家(写真/榊智朗 構成/依田則子)

認知症を予防する「2つの習慣」

——前回、整体の視点から、認知症を予防・改善する習慣として「手首・足首をほぐす」「ストレートネックを改善する」をあげていただきました。他にも重要な習慣があれば教えてください。

矢上裕(以下「矢上」):50年近く多くの患者さん、生徒さんを見てきて思うのは、認知症になりやすい方は、次の「2つの習慣」が足りないなと感じています。

1 「深い呼吸」の習慣2 「脳と体のキャッチボール」の習慣

一つずつ見ていきましょう。

1 「深い呼吸」の習慣

認知症の初期症状の方を往診すると、みなさん呼吸が浅いなと感じます。血液中の酸素不足から、脳は酸欠状態。放っておけば、臓器や筋肉など様々な機能に影響をおよぼすかもしれません。

そんな方には、しばらく軽い自力整体とともに、深い呼吸で酸素を取り込む「呼吸法」(ワーク詳細は最後に紹介)を指導します。すると数日後には、明らかに目の光が変わってきます。頭の隅々まで血液が届いたかのように、会話も以前と変わらずできるようになるのです。

健康な方や、まだ若い方でも、猫背ストレートネックの方を見ると、横隔膜をうまく使えていないな、呼吸が浅いな、と感じます。

浅い呼吸は、血行不良でめぐりの悪い体になります。体を休ませる副交感神経もうまくはたらきませんので、いつも緊張状態です。夜中何度も目覚めたり、疲れがとれなかったりします。こんな人は、認知症予備軍かもしれません。

深い呼吸は、最も手軽な認知症予防法だと思います。自力整体のワークは、ふ〜、は〜、と深い呼吸をしながらおこないますので、何年も実践している高齢の生徒さんたちは、頭も体もお元気です。

深い呼吸には「うつぶせ寝」もおすすめです。うつぶせで寝ると、背中がラクになり、深い呼吸ができるからです。105歳で見事に天寿をまっとうされた聖路加病院の日野原先生も、この「うつぶせ寝」を実践されていたそうです。それだけ、深い呼吸は長寿の秘訣ということかもしれませんね。

2 「脳と体のキャッチボール」の習慣

私の教室には、認知症の初期症状に悩み、やってくる生徒さんがいます。そんな方にはレッスン後に必ず、「今日の自力整体は気持ちよかったですか?」と声をかけます。すると返事は、「ようわからん」の一言。脳と体のネットワークが切れてしまっている状態です。

数ヵ月後、その生徒さんはリアクションが変わっていきます。「今日はどうでした?」の問いかけに、「先生、今日のあの動き、気持ちよかったです!」と感想が詳細になります。これは脳と体の回路がつながったサインです。

自力整体は脳と体がキャッチボールをする」と考えるとわかりやすいでしょう。自力整体はまず、体に刺激を与えることから始まります。ポーズをとるのではなく、マッサージや鍼灸などのツボ刺激を与えます。

すると体から「痛い」とか「気持ちがよい」という反応が返ってきます。それを脳がキャッチする。すると脳は、「どの強さや角度がより気持ち良くなるか」を判断していきます。

ただ運動をするのではなく、体を観察するのです。じつは、これが脳のトレーニングにもなるのです。

ぜひ「深い呼吸」と「脳と体のキャッチボール」を習慣にしてみてください。

最後に、「30秒呼吸法」のワークを紹介しましょう。体中に酸素と「気」をめぐらせ、頭がスッキリします。腹式呼吸で副交感神経を優位にしますので、熟睡にも役立ちます。

矢上 真理恵(やがみ・まりえ)写真左矢上予防医学研究所ディレクター1984年、兵庫県生まれ。高校卒業後単身渡米、芸術大学プラット・インスティテュートで衣装デザインを学び、ニューヨークにて独立。成功を夢見みて、徹夜は当たり前、寝るのはソファの上といった多忙な生活を続けた結果、心身のバランスをくずし動けなくなる。そのとき、父・矢上裕が考案し約15,000名が実践している「自力整体」を本格的に学び、心身の健康を取り戻し、その魅力を再発見。その後、自力整体ナビゲーターとして、カナダ、ヨーロッパ各地、イスラエルにて、クラスとワークショップを開催。さらに英国の名門セントラル・セント・マーチンズ大学院で「身体」をより体系的に学び、2019年に帰国。現在、国内外の人たちに自力整体を伝えながら、女性のための予防医学をライフワークにしている。著書に、『すごい自力整体』(ダイヤモンド社)がある。監修者:矢上 裕(やがみ・ゆう)写真右矢上予防医学研究所所長、自力整体考案者、鍼灸師・整体治療家1953年、鹿児島県生まれ。関西学院大学在学中の2年生のとき、予防医学の重要性に目覚め、東洋医学を学ぶため大学を中退。鍼灸師・整体治療家として活躍するかたわら、効果の高い施術を自分でできるように研究・改良を重ね「自力整体」を完成。兵庫県西宮市で教室を開講、書籍の出版やメディア出演などで注目され、全国から不調を抱える人々が続々と訪れるようになる。現在約500名の指導者のもと、約15,000名が学んでいる。著書に『自力整体の真髄』『はじめての自力整体』(ともに新星出版社)など多数。遠隔地の人のために、オンライン授業と通信教育もおこなう。 写真/榊智朗


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