ASDやADHDを動物に例え「困った人」扱い...波紋の書籍は「炎上して当然」 高須幹弥氏見解「アップデートできていない」

2025年4月18日(金)18時30分 J-CASTニュース

美容外科「高須クリニック」名古屋院院長の高須幹弥氏が、2025年4月17日公開のYouTube動画で、SNS上で差別を助長するのではないかとして波紋を広げている産業カウンセラーの本について言及。「炎上して当然だと思います」などと指摘した。

「現代の世の中でこういう表現をしたら炎上します」

問題になっているのは、カウンセラーとして35年のキャリアがあるという神田裕子さんの「職場の『困った人』をうまく動かす心理術」(三笠書房)。4月24日に発売予定だ。

書籍の紹介ページでの説明によると、「多くの『真面目ないい人』を苦しませる、職場の『困った人』たち」を6タイプに分類して、対応の仕方を紹介する内容という。帯には、「ASD(編注:自閉スペクトラム症)」「ADHD(編注:注意欠陥多動性障害)」「愛着障害」「トラウマ障害」「世代ギャップ」「疾患(自律神経失調症/うつ/更年期障害/適応障害/不安障害・パニック障害)」とのタイプ分けと「なぜ、いつも私があの人の尻拭いをさせられるのか?」といったコピーも記載されていた。

ASDのタイプは「こだわり強めの過集中さん」、愛着障害のタイプは「愛情不足のかまってさん」、「疾患」タイプは「頑張りすぎて心が疲れたおやすみさん」などと表現。表紙などには、「困った人」を動物に例えたとみられるイラストも描かれていた。

SNSでは「差別の助長だと思う」などと批判の声が相次いだ一方、書籍で触れているような人たちに実際に困らされている人もいるといった意見も寄せられ、波紋を広げた。

高須氏は動画でこの書籍に言及し、「炎上して当然なんですよ」「現代の世の中でこういう表現をしたら炎上します」と指摘。「(著者は)昔はこういう表現をしても炎上したり騒ぎにならなかったからOKだみたいな感覚で書いたのかもわからないですね」と述べた。

昔は発達障害(ADHDやASD)などの概念がなく、現代であれば診断がつく人であっても「困った人」として扱われていたとし、「そのままの思考で現代でも当てはめちゃっているわけですよね。アップデートできていないと思うんですよ」と指摘した。

「困った人」ではなく「困っている人たち」

さらに高須氏は、「職場の『困った人』たち」との表現は、「健常者目線の表現」だと指摘。疾患や障害を持った当事者がこうした表現を見たら「心も傷つくし強い憤りを感じると思う」と話した。著者は「そこまで想像できなかったと思うんですけど、これはダメですね。完全にアウトですね」と指摘した。

また、書籍で「困った人」と表現された人たちは、健常者と同じように働きたくても働けない「困っている人たち」だとも高須氏は指摘。「本来はそういう人たちをどうやって助けてあげるか、生きやすい世の中を作ってあげられるかってことを僕たちは考えないといけない」とし、それにもかかわらず、この書籍では動物に例えたイラストや見出しの文章で「馬鹿にしたような表現」をしているとした。

なお、著者の神田さんはJ-CASTニュースの取材に、「私の中に差別意識はまったくありません」と「発達障害の方などを蔑むような考えは、持ち合わせていません」と説明している。

J-CASTニュース

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