格安の偽造パルスオキシメーター出品放置で損害、アマゾンに3500万円支払い命じる判決…東京地裁
2025年4月25日(金)11時55分 読売新聞
アマゾン・ドット・コム
ネット通販サイト「アマゾン」で適切な偽造品対策が取られなかったとして、正規品を出品した医療機器販売会社など2社がサイトを運営する「アマゾンジャパン」(東京)に計約2億8000万円の損害賠償を求めた訴訟で、東京地裁(新谷祐子裁判長)は25日、アマゾンに3500万円の支払いを命じる判決を言い渡した。
原告は、血中の酸素濃度を測定する医療機器「パルスオキシメーター」をアマゾンのサイトに出品した販売会社「エクセルプラン」(神戸市)と、製造会社「トライアンドイー」(同)。
訴状などによると、エクセル社は2011年、アマゾンとパルスオキシメーターを出品する契約を結んでサイトで販売を始めたが、新型コロナウイルスの流行で需要が拡大した21年8月頃から、中国の事業者がサイトに偽造品を相次いで出品。サイト上では「相乗り出品」として、正規品と同じ商品として扱われ、同一ページで紹介されるようになった。
エクセル社はアマゾンに偽造品だと通報したが、出品停止などの措置が取られなかった。偽造品は正規品の10分の1以下の値段で販売されたため、正規品の購入者が激減し、エクセル社の売り上げは大きく減った。
原告側は、アマゾンには偽造品を出品させない対策を取る義務があるなどと主張。アマゾン側は「契約では、出品者に損害が出てもアマゾンは責任を負わないことになっている」などと反論していた。判決は、アマゾンが必要な対策をしなかったなどと判断し、原告2社のうち、エクセル社に賠償するよう命じた。