福知山線脱線事故20年、遺族ら犠牲者悼む…9時18分に現場通過予定の電車は安全確認で遅れて運行

2025年4月25日(金)12時43分 読売新聞

JR福知山線脱線事故の現場にある追悼施設「祈りの杜」(25日午前7時23分、兵庫県尼崎市で、読売ヘリから)=金沢修撮影

 乗客106人と運転士が死亡した2005年のJR福知山線脱線事故は25日、発生から20年となった。兵庫県尼崎市の事故現場に整備された追悼施設「祈りのもり」ではJR西日本主催の追悼慰霊式が営まれ、遺族らが犠牲者を悼んだ。

 約340人が参列し、黙とうや献花を行った。JR西の長谷川一明社長は「何ものにも代えがたい尊い命を奪ってしまった。社員一人ひとりが事故の悲惨さ、命の大切さを心に刻み、教訓を後世に継承していく」と述べた。

 息子を亡くした母親による慰霊の言葉が代読され、「時間がたっても悲しみや苦しみは消えない。私たちのように苦しむ人を二度とつくらず、安全を築き上げてください」と呼びかけた。

 事故が起きた午前9時18分頃に現場近くを通過予定だった快速列車は、手前の踏切で安全確認をした影響で10分遅れで運行。車内では事故を謝罪するアナウンスが流れ、目を潤ませながら静かに手を合わせる男性もいた。

 事故は05年4月25日に発生。快速列車(7両)が脱線して線路脇のマンションに激突し、乗客106人と運転士が死亡、562人が重軽傷を負った。国の航空・鉄道事故調査委員会は、制限速度(時速70キロ)を大幅に上回る時速約116キロでカーブに進入し、事故が起きたと結論づけた。

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