八潮陥没、あすにも下水道管内に人が入り調査…不明のトラック運転手の捜索に向け
2025年4月30日(水)20時3分 読売新聞
陥没現場で行われている工事(4月10日、埼玉県八潮市で)
埼玉県八潮市で今年1月、県道が陥没してトラックが転落した事故を巡り、同県の大野元裕知事は30日の記者会見で、破損した下水道管内に取り残されているとみられる男性運転手(74)の捜索開始に向け、5月1日にも内部に人が入って、現地調査を始めると明らかにした。
事故の発生後、直径4・75メートルの下水道管内に人が立ち入るのは初めて。警察と消防などが、捜索ルートの安全性や、管内で発生する有毒な硫化水素の濃度などを確認する見通しだ。調査を踏まえ、本格的な捜索方法を検討する。
大野知事は会見で、「人による(内部の)確認を行う準備を進めており、一日も早くキャビン(運転席部分)からの救出に着手できるよう引き続き最善を尽くしていきたい」と述べ、早ければ5月1日にも現地調査を行う意向を示した。
事故は1月28日に発生。破損した下水道管内に周辺の土砂が流れ込んだことで、路面の下に空洞が生じたのが原因とみられる。トラックの運転席部分は現場から約30メートル下流の下水道管内で見つかった。軟弱な地盤や現場に流れ込む大量の下水に阻まれ、捜索は中断している。
県は下水道管内での捜索に向けて、現場を
県によると、バイパス管の完成後も、現場には一定量の下水が流れ込んでおりポンプ車でくみ上げて水位を下げている。下水道管内では、陥没の際に落ちたがれきなどが捜索の妨げになる可能性があり、硫化水素対策で十分な換気も必要だ。
本格的な運転手の捜索開始時期について、大野知事は「捜索に入るかどうかは、消防、警察と(調査の)結果をしっかりと共有したうえで、判断してもらうことになる」と述べ、明言を避けた。